クラ通コラム

最新のインバウンド情報から、お役立ちツール情報まで
さまざまなトピックを不定期で配信します!

日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客数調査」[1]によると2012年以降の訪日外国人観光客数は増加を続けています。
この影響を受けてか、2018年に日本政策金融公庫が行った宿泊施設や飲食店、理容・美容業や販売業などを対象としたインバウンド対応に関するアンケート調査結果[2]では、外国人観光客の利用があるという回答は、前年調査を3.0ポイント上回っています。
そして同調査では、回答の56.9%と半数以上が、外国人観光客の受け入れに前向きな姿勢を示しているものの、売り上げについては2016年の調査データ以降、毎年「ほぼ変わらない」が77%前後で横ばい、「増えた」という回答も同じく、横ばいで16%程度にとどまっているとしています。
つまり多くの小売店、サービス業では、外国人観光客が街に増えているのは肌で感じるけれど、自分のお店にはほとんど影響がないと回答していることになります。
ではこの増加する外国人観光客を取り込み、売り上げにつながる動きをしてもらうには、どんな対策が有効なのでしょうか。

● 外国人観光客がお店に足を踏み入れない理由

実は2019年3月に観光庁がインバウンド対策にとって重要な調査報告を行っています。公開されたのは「訪日外国人が旅行中に困ったこと」などの調査結果[3]で、これにより外国人観光客が日本で何に困ったのかが判明し、受け入れ環境整備の課題を絞り込めるようになったのです。
ではその困ったことランキングを1位から3位まで見てみましょう。

1位 施設等のスタッフとのコミュニケーション
2位 多言語表示の少なさ・分かりにくさ
3位 無料公衆無線LAN(フリーWi-Fi)環境

この調査は、訪日旅行全体を通じて困ったことのアンケートを取ったものであるため、交通機関や公共施設などへの批評も含まれていますが、観光施設や小売店、飲食店での困ったことが、全く違う結果になるとは考えにくいでしょう。つまり、外国人観光客が来店しない理由を考える上で、重要な3つの要素がここにあると言えます。
では、街に増えた観光客を自分の店舗や施設にも呼び込むために具体的にどんな対策を取ることができるか、事例とともにご紹介します。

外国人観光客がお店に足を踏み入れない理由 イメージ

● 外国人観光客の来店を増やすための解決策と事例紹介

スタッフとのコミュニケーション
はじめに考えられるのは、外国語を話せるスタッフの採用です。近年増加する中華圏からの観光客の対応策として中国語スタッフの採用や、世界の共通語とも言える英語スタッフなどを配備している店舗・施設は増加しており、以前ほどめずらしいことではなくなりました。
こういった外国語対応可能なスタッフが店頭であいさつしたり、困りごとはないか尋ねたりすることは、買ってくださいと言わずともプロモーション活動であり、商品購入や施設利用の意欲を高める可能性が大いにあります。
自分が外国に行ったとき感じることと同じように、外国人観光客にとっても母国語で質問したり、十分な情報提供を受けられることは喜ばしいことでしょう。母国語での接客に親しみを感じて、財布のひもが緩むということもあるのかもしれません。
■事例:大手ドラッグストア
大手ドラッグストアではインバウンドの来店が多い店舗に、中国語、英語などの外国語ができるスタッフを積極的に採用しているようです。
薬の説明や、シリーズ展開の豊富な商品における効能の違い、新商品や人気のラインナップなど、ドラッグストアに必要な細かな情報提供は、外国人観光客の購入意欲を一層掻き立てるのではないでしょうか。

多言語表示の少なさ・分かりにくさ
外国人観光客にとって、訪れた国と自分の国との違いを知ったり、その違いを楽しんだりすることは海外旅行ならではの醍醐味のひとつです。しかし理解できる言語で情報が提供されないと、何が違うのか知ることも難しく、注文方法やメニューを理解できずに、諦めてその場を去るという悲しい結末になりかねません。
また規則を十分に知らされなかったために、利用方法を間違い、ほかの利用者から白い目で見られてしまうということも大いにありえます。
外国語メニューを用意するというのは定番ですが、言葉での情報提供が難しければ、店頭サンプルを展示したり、写真や動画での説明資料を用意したりすれば、言語を超えた多言語対応になるでしょう。
■事例:和食店
とある和食店では、和食の代表格である寿司、てんぷら、麺類をセットメニューにして、人気のセットを店頭にサンプルとして展示しているようです。実物を確認した上で注文できるのは、日本食に親しみのない外国人観光客の不安を払しょくする一助となるに違いありません。

無線LAN、Wi-Fiなどのインターネット環境
ちょっと歩き疲れたので休憩を兼ねてお店に立ち寄るというのは、観光旅行者にはよくあるシーンです。このとき、同じようなお店があれば多くの外国人観光客はWi-Fi環境の整備された店舗を選ぶでしょう。休憩中といっても、次の目的地の情報収集、撮影した写真や動画のSNS投稿など、インターネットを使ってやりたいことはたくさんあります。
たとえ日本でSIMカードを購入していたとしても、使用できるデータ量は制限があるものがほとんどなので、どんな方にもWi-Fi環境は好まれると言えます。
■事例:百貨店
いくつかの百貨店ではフリーWi-Fiの環境を整備し、快適なインターネット環境を提供しているようです。デパートや百貨店で無料の通信環境があると、家族や友人と訪日している観光客らは、各自が分かれて動き回っても連絡を取り合えるので、時間を有意義に使うことができます。それぞれの好みに合わせて、充実したショッピングタイムを過ごせるのではないでしょうか。

外国人観光客が求めているのはたしかなコミュニケーション イメージ

● 外国人観光客が求めているのはたしかなコミュニケーション

これまで述べてきたとおり、外国人観光客が求めているのはコミュニケーションによって、確かな情報を得ること、それにより充実した訪日旅行をすることです。
「困ったことの第一位」が「スタッフとのコミュニケーションが取れない」であることを紐解くと、結局は「言葉」の問題が大きいのだということがわかります。
外国人観光客の来店を増やすため、また来店から消費行動を促すためには、まずは外国語対応の環境を整えることが重要です。そして更なる対策として、外国語対応しているということを店外で情報提示したり、入店するきっかけとなるような一工夫が必要なのです。
とはいえ、外国語対応のスタッフを常勤させるのには、人材の確保と費用が必要になります。実際のところ、ここがボトルネックとなって、外国人観光客を迎え入れる準備が整わないと感じている方も多いのではないでしょうか。

● 手軽に始められる外国語対応とは

タブレットやスマートフォンを利用して、英語・中国語・韓国語・タイ語の通訳を呼び出せるクラウド通訳ならば、人材採用の手間やコストをなるべく抑えて外国語対応ができる環境を整えることが可能です。
クラウド通訳とは、外国語スタッフを常勤させるのではなく、必要なときにインターネットを通じて通訳を呼び出すことができるサービスなのです。
もっとクラウド通訳について詳しく知りたいという方は、クラウド通訳をご利用いただいているお客様の声を掲載した導入事例をご覧ください。
お手頃とはいえ値段が気になるという方は、こちらから料金プランをご確認いただくことができます。

● まとめ

せっかく旅行に来たのだから異文化体験や異国情緒を満喫したい、でも自分の国にいるような快適性を諦めたくもない。これは誰もが外国旅行をするときに考えることでしょう。
一方で迎え入れる側となると、潤沢な予算をもって完璧な受け入れ体制を整えることができないからと言って諦めてしまいそうです。
しかしはじめはできる範囲からであっても、外国人観光客のために言葉の不自由さの解消やインターネット環境の整備に取り組み、あなたのために準備していますよと店頭で示すことが、集客につながるおもてなしのひとつなのかもしれません。

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)