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#01 在宅ワーカーと通信を組み合わせた新たなビジネスモデルの創造

きっかけは家族から、自社リソースを
とらえなおし、社会課題解決へ

プロジェクトの始まりは、英語が堪能な家族。彼女が大学卒業後、スキルを活かす場がないことに気づいたことだった。「多くの女性が育児や家事のためにフルタイムで働けず、能力を発揮できる職に就くのが難しい現状を実感したんです」と、『クラウド通訳』の企画・開発・運営を担当する平山は話す。『クラウド通訳』とは、スマートフォンやタブレットから通訳者を呼び出し、海外のお客さまとの会話をサポートする法人向けサービスである。従来あった通訳サービスのようにコールセンターを設けるのではなく、在宅の通訳者が対応するのが特色だ。

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企画を立ち上げた2016年は、国が観光先進国への取り組みを推進し、訪日外国人数が2400万人を超えた年。外国人観光客が増え、店舗・施設側だけでなく観光客側からも「言葉が通じなくて不便」という声が聞かれるようになっていた。 観光の課題と働く環境の課題に対し、オプテージのノウハウと担当者の情熱が『クラウド通訳』を生んだ。「在宅ワーカーをリソースにしたビジネスモデルを立ち上げ、時間・場所にとらわれない働き方を創りたい、人口減少という日本の課題に対応したい、という想いがありました。こうした社員の思いを事業にするのがコクラボの特徴であり、おもしろいところです」(平山)。

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交渉はビジョンの共有
3社共同の新規事業に発展

と言っても、オプテージにとってこれまで他に類のないサービスモデルだったため、実現へのハードルは高かった。現場での体感から、企画の可能性を感じていたが、事業化するためには持続可能なビジネスモデルをつくらなければならない。そこで上司や付き合いのある経営者からアドバイスをもらいながら、パートナー探しに取り掛かった。「相談させていただくスタートアップ企業の経営者の方々は、私とは異なる視点で検討され、見る目もシビアです。みなさんの意見を参考にしながら企画を膨らませ、方向性に共感いただけるように提案しました。アライアンスの交渉は、お互いの思いをぶつける場で、難しかったですが、とても充実した経験でした。」と、平山は当時を振り返る。
こうした過程を経て、在宅通訳者の運用を担当する株式会社うるるさまと、オンラインのコミュニケーションシステムのノウハウを持つFacePeer株式会社さまとの、共同事業がスタートすることになった。

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「まずはやってみる」温泉街での実証実験
アイデアをカタチに

3社で検討し、早速、初期バージョンのシステムをつくり、2016年4月には城崎温泉の店舗・施設で実証実験を行った。その結果、店舗側・通訳者の通信環境による接続の不具合や、通訳者の服装のバラつきなどさまざまな課題が浮き彫りに。しかし、店舗や観光客、通訳者の反応は良く、メンバーは確かな手応えを感じた。
課題解決を図りながら開発を進める中、平山には譲れないこだわりがあった。それはサービスの質だ。サービスを提供する対象が企業であるため、一定以上のクオリティが求められるということだけでなく、「在宅ワーカーによるサービスのクオリティは高くない」という一般的なイメージを覆したかったのだ。そのため通訳者がスムーズに対応できる仕組みやマニュアルを作成した。
こうしてプロトタイプの開発にかかり、2017年1月に製品版が完成。着想から1年3か月、思いを持ち続け社内・社外を動かした結果がサービスという形で始動した。

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事業の成功に向けて新たな一歩を踏み出す

サービスを利用したお客さまからは、「人が通訳することで複雑な会話にも対応でき、スムーズにコミュニケーションがとれる」「通訳者を採用する必要がなくコスト削減につながる」など評価が高い。通訳者からも「自分のスキルを活かして働き、人の役に立てることにやりがいを感じる」という声をいただいている。
「改善点はありますが、当初の目的であった“新たな働き方創出”の第一歩を踏み出せたことはうれしいです」と笑顔を浮かべる平山。
目下の目標は、より多くのお客さまに利用していただけるよう、営業活動に力を入れること。そのために若手中心の新チームを発足した。さらに今後は、対応言語の拡充や翻訳サービスの導入、個人ユーザーへの展開も視野に入れている。
「プロジェクトの始まりは個人的な思いつきでしたが、事業として立ち上げると決めてからは企画の可能性はもちろん、かかわってくださった方々を信じて取り組んだことで実現することができました。これからオプテージに入社する方も「こんなことをやりたい!」というワクワクと、実行に移す主体性を持って仕事に取り組んでほしいですね。そうした姿勢こそが新たな可能性の創出につながると信じています」(平山)。

このプロジェクトに
ご協力いただいているパートナーさま

「クラウド通訳」の通訳者として参加させていただいたのは、城崎温泉で実施された実証実験のスタッフ募集情報を見つけて応募したことがきっかけでした。実験がはじまった頃は接続などの問題があったものの、担当者の方々の改善によって現在は安定しています。
サービスがスタートしてからも通訳者として働き、とてもやりがいを感じています。以前もクラウドソーシングによる翻訳の仕事をしていましたが、「クラウド通訳」はお客さまの顔が見え、ダイレクトに会話をする点が特徴であり醍醐味です。また、なかなか日本に帰る機会がないのに、「クラウド通訳」を通じて日本の方と毎日関わるのは不思議な感覚で楽しいです(笑)。
最近はプロジェクトの規模が大きくなり、営業担当の方々からのデモ依頼も増えてきました。このようにプロジェクトが成長していく過程をスタッフのみなさんと共有できることも貴重な体験だと感じています。これからも「クラウド通訳」のメンバーとして、平山さんをはじめとするプロジェクトメンバーのみなさんと協力しながら、さらに良質なサービスを提供できるよう努めていきたいと思います。

アメリカ合衆国 ユタ州在住
momoさま

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