株式会社かんでんエンジニアリング 様

『IP-VPN』と『mineo』の組み合わせで緊急時に必要なモバイル通信をセキュアに確保

株式会社かんでんエンジニアリング様イメージ
課題
業務効率化 / BCP対策
業種
建設
従業員規模
1,001名以上
導入サービス
IP-VPN / mineo

社会インフラを支える企業にとって極めて重要な業務が、大規模災害時の復旧対応である。災害時には光回線など通常の通信手段が使えない場合もあり、そんな状況でも業務を遂行するためには、モバイル通信が欠かせない。そこでかんでんエンジニアリングは『IP-VPN(mineo接続回線)』と『mineo(VPN-SIM)』を組み合わせたセキュアなモバイル情報インフラを構築した。

課題
  • 震災などにより通常の光回線が使えないときの通信手段の確保
  • 社会インフラに関する機密情報の通信に適した高度なセキュリティ
  • 光回線と同等レベルで通常業務をこなせる使い勝手の良さ
導入後の効果
  • 社内ネットワークへの接続など通常業務をスムーズに運用
  • 光回線を敷設できない現場事務所などからの通信手段を確保
  • 余ったデータの社内共有により通信コストを削減

サービス導入レポート

大規模災害発生時の緊急通信網を確保

かんでんエンジニアリングは、電気設備のコンサルティングから設計、施工、メンテナンスまで一貫して行う総合エンジニアリング企業である。同社では東日本大震災以来、BCPの再構築を進めていた。
「最重要課題の一つが、通信手段の確保でした。土砂崩れや津波等により電柱が倒壊してしまうと光回線の復旧には相当な時間が必要となります。しかし我々は、被災地に可能な限り早く駆けつけ、一刻も早く復旧作業を開始しなければなりません。そのためには、メールなど最低限の連絡手段を確保する必要があります」と、株式会社かんでんエンジニアリング情報企画部運用グループグループマネジャーの池本寿樹氏は問題意識を語る。
今後、想定される東南海地震が起きた場合も、土砂崩れや津波による被害はおそらく免れないだろう。となると通信手段はモバイル通信に頼るほかない。ただし、同社内でやり取りされる情報は社会インフラに関わるセンシティブな内容を含むだけに、取り扱いには万全のセキュリティが求められる。

電気設備のコンサルティングから設計、施工、メンテナンスまでを一貫して行う

電気設備のコンサルティングから設計、施工、メンテナンスまでを一貫して行う

モバイル通信でセキュアな環境を確保

「インターネットを介さず、専用のモバイル通信回線で自社拠点に接続する手段はないかと探していたタイミングで、ケイ・オプティコムさんのmineo+閉域ネットワークサービスが始まりました。展示会で見た瞬間に、これだ!と思ったのです」と、池本氏。
プライベートIPアドレスが割り当てられたmineo(VPN-SIM)をモバイルルーターに挿して利用することで、mineoのモバイル通信網からIP-VPN(閉域網)に接続できるため、高セキュリティなリモートアクセス環境を構築できる。
携帯電話の通信網は、基地局の修復により回復していくので、災害時の復旧も比較的早い。mineoはマルチキャリア対応(au/ドコモ)だから、エリアごとに復旧している通信キャリアを選んで使うことも可能だ。

面倒な設定は不要、現場ですぐに使える

「まずは事業所内で社内ネットワークへの接続など基本的な動作確認をテストしていただき、問題なくつながると確認した後にフィールドテストとなりました」と、ケイ・オプティコム法人・公共事業推進本部の田中智也は導入過程を振り返る。
フィールドテストは、中部地方の営業所の分室で1カ月余り行われた。
この分室は現在廃止されているが、廃止前に光ファイバーを使った固定回線の撤去が予定されていた。廃止までの代替手段としてテストされた「mineo(VPN-SIM)」での通信でも、分室における業務を特に支障なく行える事が確認できた。「所内のカラー複合機も、社内システムに接続した状態で利用する構成となっていますが、問題なく使えました。テスト結果によりこのサービスが、当社の抱えるもう一つの課題解決にも使えると確認できました」と、情報企画部運用グループリーダーの安井邦夫氏は新たな可能性を語る。

写真左から、かんでんエンジニアリングの池本寿樹氏、安井邦夫氏と打ち合わせをする田中智也

写真左から、かんでんエンジニアリングの池本寿樹氏、安井邦夫氏と打ち合わせをする田中智也

有線網のない現場事務所でも活用

 人里離れた山間地域などに現場事務所を設置することも多い同社では、そのような場所に光回線を敷設することは難しく、そんな場合の通信手段としてもmineoは期待されていたのだ。
「マルチキャリア対応なので、場所によりつながりやすい通信キャリアが選べます。また余ったデータ容量はキャリアを問わず翌月に繰り越し、同一契約内(企業管理IDが同じ)であれば共有して使えます。これによるコスト削減効果はとてもありがたい」と、経営上のメリットを語る池本氏。
一方で現場の対応については「光回線を構築する手続きや手間隙が要らず、ルータにアンテナを取り付けて現場事務所のLANに接続するだけで社内につながる通信環境を構築できるのはありがたい」と、安井氏は語る。
月単位で必要な分だけ契約できること、通信容量が10GB / 月と余裕がある点なども高く評価されている。社会インフラを支える企業のセキュアで機動力に富んだ通信システムは、『IP-VPN』+『mineo』によってがっちりと支えられている。

ネットワーク構成

ネットワーク構成図

お客さまプロフィール

株式会社かんでんエンジニアリング
大阪市北区中之島6丁目2番27号
TEL. 06-6448-5711
http://www.kanden-eng.co.jp/

関西電力グループの一社として、半世紀以上にわたって電気設備のコンサルティングから設計、施工、メンテナンスまでを一貫して行う「総合エンジニアリング」企業。水力発電、変電、送電、配電、情報通信などの社会インフラや、工場施設の保全と工事、全国トップシェアの絶縁油の製造・販売およびエレベーターや鉄道車両の販売から、低濃度PCB(ポリ塩化ビフェニル)無害化処理事業にも取り組んでいる。

株式会社かんでんエンジニアリングイメージ
お客さまの声

利便性とセキュリティの高いシステムの次の用途に期待します。

株式会社かんでんエンジニアリング
事業サポート本部 経営企画室
情報企画部 運用グループ グループマネジャー
池本 寿樹氏

東日本大震災の津波が押し寄せる映像は、極めて強いインパクトがありました。あの映像により当社では、東南海大地震が起きた際に災害時の指揮系統をいかに確保するかが、重要課題となっていたのです。今回採用した『IP-VPN』+『mineo(VPN-SIM)』サービスなら、緊急時にもセキュアなモバイル通信を確保できます。実際に導入してみて使い勝手の良さもわかってきたので、次はエッジコンピューティングへの応用も考えています。現場スタッフがウェアラブルカメラ等の小型カメラ搭載端末を装着して、画像を本部にいるベテランに送り、遠隔サポートを受けながら作業を進めるのです。映像通信となるので帯域の問題や、社内ネットワークへの接続方法など検討課題はいくつかありますが、ケイ・オプティコムさんの協力を得て環境を整え、5Gが本格化する頃には、ぜひ挑戦したいと考えています。

池本 寿樹氏

サービス名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。
掲載内容は2018年11月時点のものです。

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