いったい誰が考え出したのか? 面白商売オンパレード

いったい誰が考え出したのか? 面白商売オンパレード
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一口に「面白ビジネス」と言っても、方向性は二つ

世の中には、「よくぞ考えたものだ」と言いたくなるような、発想が面白いビジネスが存在します。今月は、そんな「ユニーク・ビジネス」をいくつかご紹介したいと思います。

さて、一口に「ユニーク・ビジネス」と言っても大きく二つに分かれるのではないかと思います。一つ目は、着眼点がユニークで面白いビジネス。誰もが気付かなかったものに気付いた、あるいは、それまでの技術では無理だと思われていたものを、最新技術の応用で実現させたというもの。このパターンは、当初は「何をするの?」と思われていたものが、時間が経過するとともに市場に定着し、当たり前のサービスや商品になるものです。

二つ目は、ビジネスそのものが面白いもの。「えっ、それって仕事になるの?」と思わず考えてしまうような、脱力系の不思議ビジネス。ビジネスとして成立するかどうか、こちらの方が心配になってしまうようなビジネスです。

では、まず先に「着眼点がユニークで面白い」ビジネスから見て行きましょう。

自動車の配車システムを料理宅配に応用して成功したウーバーイーツ

筆者がここ数年の中で、着眼点が最もユニークで面白いと思ったビジネスは、「Uber Eats(ウーバーイーツ)」です。実際に利用したことがある方もいらっしゃると思いますが、簡単にご紹介しましょう。

「ウーバーイーツ」はウーバーテクノロジーズ社が運営する、単純に言えば飲食店のデリバリー・サービス、つまり出前のことであり、それ自体は新しいものではありません。しかし以前の出前持ちが飲食店の店主や店員だったのに対し、ウーバーイーツでデリバリーを行うのは、飲食店とは関係ない「配達パートナー」として登録された人たちです。

顧客がスマートフォンの専用アプリを使って注文すると、ウーバーテクノロジーズ社で顧客の住所や飲食店の住所等をもとに、その近くに居る「配達パートナー」をマッチングさせデリバリーを依頼します。配達パートナーは店で料理を貰うと、顧客の所まで届けます。

ウーバーイーツの面白いところは、スマホの位置情報を使うことで"街を行き交う人々"を「戦力化」した点にあります。顧客は料理を一点から気軽に注文できる、飲食店は人手を増やすことなく宅配事業が展開できる、配達パートナーは、空き時間を有効利用できると、三者三様のメリットがあります。

ウーバーテクノロジーズ社は、アメリカでタクシーなどの自動車配車サービスで成功した会社で、そのノウハウを食べ物のデリバリーに応用しています。ITに加え、目の付けどころの違いで大きな旋風を巻き起こしていると言えるでしょう。

「えっ、こんなことも?」と言いたくなる、数々のユニークな「代行サービス」

ウーバーイーツも、「出前」を外部の者に依頼する点では、代行サービスに含まれます。そして現代、すでに多くの代行サービスがあることはご存じでしょう。

少し前ですが、テレビなどでも紹介された「退職代行サービス」。人間関係の問題により自ら退職を申し出ることができない、人手不足などから会社が退職を認めてくれない等の場合に、本人に代わりに会社と交渉し、退職手続きを代行してくれるサービスです。

このような代行サービスは、今やまさに花盛りのような状況です。ざっと挙げただけでも、「忘年会・新年会などの幹事代行」「夏休みの宿題代行」「謝罪代行」「墓参り代行」などなど・・・中には「代行してもらってもいいの?」と首を傾げたくなるものもあります。

「リア充アピール代行」も、その一つ。例えばみんなから誕生日を祝ってもらっている写真や、親しい友人と旅行に行っている写真をSNSにアップしたい時に、スタッフがやって来て一緒に写真を撮るなど、お手伝いしてくれるという代行サービスです。

そこまで見栄を張って自分をアピールする必要があるのかとも思いますが、これも現代のひとつの断面だといえるのかもしれませんね。

「これって、商売として成り立つの?」脱力系の面白ビジネス

代行してもらうことに賛否はあるとして、「宿題代行」や「謝罪代行」「レス代行」などは、それなりに需要があると思われます。そして実際、ビジネスとして成立しています。

続いて、「着眼点が面白い」と言うより「需要があるのか?」と言う、ある種「脱力系」とも言えるビジネスを見ていきましょう。代表格は、これもマスコミ等で大きく取り上げられたことがある「レンタルなんもしない人」。

「なんもしない人」をレンタルして、一体なにをするのか?と不思議に思う方が多いでしょう。筆者もその一人です。しかし考案者のスタート時のSNSなどを見れば、「一人で店に入りにくい時」「ゲームの人数あわせ」「花見の場所とり」と、自分の利用法が述べられています。また、本人が「こんな使い方があるのか!?」と驚くような依頼もあり、かなりのニーズがあるようです。

こんなにも注目を集めた理由は、まず「なんもしない人」というネーミングのインパクトと、依頼の面白さがSNSを中心に話題となったことにあると思います。それがついには本やコミックを出すまでになってしまったわけです。本人が「なんもしない」のに、一躍有名人になってしまったという、これも現代だからこその"ビジネス"なのかもしれません。

言うまでもありませんが、この手の"ビジネス"には、2匹目のドジョウは存在しません。考案者の発想に対し、ただただ敬意を表するだけです。

「面白ビジネス」を生んだのは、IT、インターネットの発達

ざっとご紹介しましたが、現在、「面白い」と言われるビジネスの多くは、「代行サービス」であるとも言えるでしょう。外部の者に何らかの「作業」を代わりに行ってもらうわけですから、代行サービスも一種のアウトソーシングと考えられます。

アウトソーシングはそもそも、自分たち内部の人間ではできない高度な知識や技術を必要とされる作業を外部に委託することです。それが、極めて簡単な作業をアウトソーシングしている点に、「面白さ」の根源があるのではないかと思います。

このようなユニークな代行サービスが登場した理由は、SNSなどインターネットを使用して、誰もが世の中に簡単に「●●します!」とアピールできるようになったからです。

反対に、「自分でやらなくてはならないが、いろいろな理由のためにできない」人が、ネットの検索サイトなどを使って、気軽に代行者を探せるようになりました。つまり「ニーズとシーズをマッチングさせる」点で、IT、インターネットが大きな役割を果たしています。それがユニークな代行サービスが流行する根本的な要因でもあるように思えます。

そう考えてみると4Gから5Gへの移行など、インターネットがますます進化していく中、これからもっともっと「面白い」ビジネスが登場するかもしれません。楽しみながら、待ちましょう。

◎製品名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。

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著者 OPTAGE for Business コラム編集部

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