- 公開日:2024年12月02日
”コストを抑えて簡単”に遠隔バックアップを実現できる「国産クラウド」とは?:ランサムウェアの流行でバックアップ運用の見直しが急務
ランサムウェアが猛威を振るう中で、企業におけるバックアップの見直しが急務となっている。企業が抱える「バックアップにまつわる悩み」と、その解決に役立つサービスを紹介する。
転載元:TechTargetジャパン
ここ数年、国内の企業や公的機関が相次いでランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃を受け、サービスの停止や情報漏えいといった重大な被害が生じた。世間では改めてその脅威が浮き彫りになっている。
ランサムウェア対策として欠かせない要素の一つがバックアップだ。本番データがランサムウェアによって暗号化されたとしても、適切にバックアップを取っていればデータを復旧できる。しかし近年、さまざまな理由を背景に、適切なバックアップ運用ができていない企業が散見される。
さらに最近の傾向として、本番データだけでなくバックアップデータまで暗号化するランサムウェアが登場している。仮にバックアップデータが暗号化を免れたとしても、ランサムウェアに感染してしまった場合、感染前の状態に戻すことは非常に難しい。
こうした課題を踏まえて、企業はどうバックアップ環境を見直すべきなのか。ランサムウェア対策やコスト、運用負荷の視点から、企業のバックアップに求められる要件と、最適な解決法を探る。
企業が直面するバックアップ運用の課題
警察庁が2024年3月に公開したレポート「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、2023年にランサムウェア被害を受けたと報告した企業のうち、94%はバックアップを取得していた。しかし、バックアップからデータ復元を試みた企業のうち83%は、データの完全な復元はできなかったという。
この調査結果から分かるように、ランサムウェア対策としてのバックアップの重要性は企業の間で広く認識されている。しかし実際には、適切なバックアップ運用環境を構築している企業は多くないのが実情だ。
それでは、何が企業のバックアップ運用の障壁となっているのか。「バックアップ運用に関して、企業は大きく2つの課題を抱えています」。こう話すのは、情報通信事業者オプテージでクラウドサービスの提案や技術支援を担う梅澤洋介氏(クラウドビジネス推進部 クラウド営業チーム サブマネージャー)だ。
オプテージの梅澤洋介氏
1つ目の課題が、バックアップ環境の複雑化だ。近年、クラウドサービスの利用拡大といった背景から、バックアップの対象となるシステムの数は増加傾向にある。BCP(事業継続計画)の一環で、遠隔地のデータセンターにバックアップデータを保管したいという企業の声も根強い。
「近年のバックアップ運用は非常に複雑化しています。よりシンプルで効率的なバックアップやリストア(復旧)の方法を模索する企業は少なくありません」(梅澤氏)
2つ目の課題が、バックアップコストの高騰だ。さまざまな企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環としてデータ利活用を進めた結果、企業内には膨大な量のデータが蓄積されるようになった。この結果、データのバックアップストレージとして掛かるコストも自ずと膨れ上がることとなった。さらに、近年の円安の影響で外資クラウドベンダーのストレージ利用料は大幅に跳ね上がり、今や企業のITコストを圧迫しているという。
バックアップコストの高騰はIT予算の制約を招く。その結果としてバックアップ方式やデータ管理といったバックアップポリシーの見直しに迫られている企業も少なくない。こうした背景から多くの企業にとって "遠隔バックアップ"と"コストパフォーマンス"が新たなバックアップの要件となっている、と梅澤氏は説明している。
「国産クラウド」のストレージ 強みはコストパフォーマンス
こうしたバックアップにまつわる課題の解決に役立つとされるのが、オプテージが提供するクラウドサービス「オプテージ コネクティビティ クラウド・ストレージ」(以下、OCCS<オクス>)だ。オプテージは国内に自社運営のデータセンターを保有しており、OCCSはそこで運用されている、いわば「国産クラウド」だ。
梅澤氏は、「OCCSはさまざまな側面において、外資クラウドベンダーのストレージサービスと一線を画しています」と話す。「一般的に、大手クラウドベンダーのサービスを使ってSLA(サービスレベル品質保証)99.99%の可用性を実現するには複数のリージョンやマシンで冗長構成を組む必要があります。ですが、OCCSは単一構成のみでSLA99.99%を実現できます」(梅澤氏)
図1 OCCSの特徴である信頼性(出典:オプテージ資料)
さらにOCCSでは、オールフラッシュストレージに匹敵する処理能力を持つストレージを比較的安価に提供できる点が強みだ。「例えば、16,000IOPS(1秒当たりの入出力)の性能を持つストレージを、大手クラウドベンダーの半額程度の料金で利用されている企業もあります」(梅澤氏)
単に高性能なストレージを安価に利用すれば、バックアップコストを抑えられるわけではない。バックアップウィンドウ(バックアップを実施するために業務やシステムを停止する時間帯)やリストアに掛ける時間を短縮することが、より効率的な運用、ひいては運用コストの軽減につながる。
「データトラフィック(通信量)や為替相場の影響を受けることがない、容量に応じた月額固定料金のため、投資計画も立てやすいと好評です」(梅澤氏)
「Veeam」製品との組み合わせでランサムウェア対策機能を強化
OCCSには、ランサムウェア対策に役立つ機能も備わっている。例えば、一度データを書き込んだストレージ領域に対して一切の更新を禁じる「ロック機能」などだ。「ランサムウェアによるバックアップデータの暗号化を水際で防ぐことができます」と梅澤氏は説明している。
さらにOCCSは、バックアップツールベンダーVeeam Softwareのバックアップソフトウェア「Veeam Backup & Replication」と組み合わせることで、より強力なランサムウェア対策が可能になるという。
Veeam Backup & Replicationは、バックアップとリストアの効率化機能を豊富に備えており、バックアップ運用業務の簡素化に役立つ。バックアップソフトウェアでありながら、ランサムウェア対策機能も充実しているのが特徴の一つだ。一度バックアップしたデータの権限を「Immutable」(変更不可能)に設定することで、ランサムウェアによる暗号化を防ぐことができる。
図2 バックアップデータを変更不可にすることでランサムウェアの暗号化を回避(出典:オプテージ資料)
OCCSはストレージ自体にロック機能を持っている。そのため、OCCSのストレージ上にVeeam Backup & Replicationを使ってバックアップを取得すれば、バックアップの世代ごとに個別にロックをかけるなど、よりきめ細かな運用が可能になる。「こうした機能を有効活用して、ランサムウェアによるバックアップデータの暗号化をより確実に防ぐことができます」(梅澤氏)
このOCCSとVeeam Backup & Replicationの組み合わせはリストアでも効果を発揮する。バックアップデータのリストア時には大量のデータが転送されるため、一般的なクラウドサービスなどの場合、その分のコストがかかる。しかし、OCCSはデータ転送での課金はないため、そのコストを浮かすことができる。また、Veeam Backup & Replicationの「インスタントリカバリ機能」があれば素早い復旧が可能になる。
マネージドサービスで企業の運用負荷を軽減
オプテージはクラウドの提供にとどまらず、通信事業で培った運用体制を生かして、24時間365日対応可能なクラウドの運用を代行するマネージドサービスも提供している。サービスは、ユーザーの要望に合わせて4段階のプランを用意している。例えば「プレミアムプラン」であれば、日々のバックアップ作業の実施と監視、バックアップデータのリストアなどが含まれる。
「特に中堅中小企業のお客さまだと、IT担当者が1人しかいない、もしくは不在のケースもあります。バックアップの運用になるべく人手や時間を割きたくないというご要望は頻繁にいただきます」と梅澤氏は明かす。オプテージのマネージドサービスはバックアップ関連作業も代行できるため、運用負荷を軽減したいという要望に応えることが可能だ。
反対に、大企業がOCCSを選ぶことも少なくない。例えば、東日本に拠点を持つある大手企業では、大容量のバックアップデータを自社の拠点とは別に西日本エリアにも分散して保持したいという理由でOCCSの採用を検討している。このように、異なるエリアへ遠隔地バックアップを実施したいというニーズにも十分応えることができるという。
こういった強みを生かし、オプテージはあらゆる規模や業種の企業に対して、安全かつコストパフォーマンスの高いバックアップ環境を提供していく方針だ。
「当社は中小企業のバックアップの効率化から、大企業のランサムウェア対策まで、幅広いバックアップ要件に対応できる点を強みとしています。コスト最適化を含め、バックアップに何らかの課題を抱えている方はぜひご相談いただければと思います」と梅澤氏は胸を張る。
転載元:TechTargetジャパン
TechTargetジャパン 2024年8月23日掲載記事より転載
本記事はTechTargetジャパンより許諾を得て掲載しています
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2408/23/news03.html
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