SDGs時代の必須ワード!「サステナブル消費」と「エシカル消費」って何だろう?

SDGs時代の必須ワード!「サステナブル消費」と「エシカル消費」って何だろう?
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SDGsで俄然、注目が高まる「サステナブル消費」

ここ数年、世界中で注目されている重要ワードといえば「新型コロナ」・・・も確かにそうですが、もうひとつ忘れてはいけないものがあります。そう、「サステナブル」です。この言葉を織り込んだ「SDGs」は今や合言葉のように広まり、多くの企業が自社のパーパスを明確にする際のキーワードとして取り上げています。

「サステナブル」が注目された理由は、近代から現代に連なる消費型社会が限界を迎えていることにあります。大量生産・大量消費を背景とする消費型社会によって、生活は便利になり人々は豊かになりました。しかし一方で、工業化の副産物として地球環境の大規模な破壊がもたらされました。まるで熱帯地域を思わせるような集中豪雨や台風の大型化の原因のひとつに、工場や発電所、自動車の二酸化炭素排出による地球温暖化が挙げられます。

従来の価値観がゆらぐ中、注目されたのが「サステナブル」でした。「サステナブル=sustainable」は「sustain(持続する)」に「可能」を表す「able」を組み合わせもので、「持続可能な」と訳されます。

そして今、「サステナブル消費」という考え方に、大きなスポットライトが当てられようとしています。今回のコラムでは、「サステナブル消費」と同時に語られることの多い「エシカル消費」というワードと共に、少しご紹介していきたいと思います。

強い信念から生まれる「エシカル消費」は「サステナブル消費」の精神的支柱

「サステナブル消費」つまり「持続可能な消費」とは、自分がモノを購入したり使用したりする際、素材や製造過程で環境負荷がより少ないものを選ぶこと。あるいは使い終わればすぐに捨てるのではなく、長く繰り返し使えるものや再利用できるものを選ぶといった消費行動のことを指します。この「サステナブル消費」と一体で語られるのが「エシカル消費」です。

「エシカル=ethical」は「倫理的」や「道徳的」という英単語で、つまりは「倫理的に正しいと思われる消費」という意味です。1989年、イギリスでロブ・ハリスン氏らによって創刊された雑誌『エシカル・コンシューマー(Ethical Consumer)』が始まりとされています。同誌では消費者向けに、人権・動物の権利・環境・持続可能性・政治的活動といった分野で、企業がどのような取り組みを行っているかといった情報を掲載しています。「エシカル・コンシューマー」という言葉は、今では「エシカル消費を志向する人」そのものを指す用語となっています。

「エシカル消費」は倫理観、道徳観、社会の良識などを判断の基準としています。この点は十分、注意しておく必要があるでしょう。なぜなら倫理観や道徳観は損や得、大人の事情による配慮・忖度から生まれる判断とは全く異なり、「受け入れられないものは、絶対に受け入れてはいけない」という強い信念、忌避感を生むからです。

「サステナブル」が持続可能な社会を目指すためのシステムや活動を長期的に進めていくことを指すのに対し、「エシカル」は自分の良心に従い倫理的、道徳的な面で持続可能な社会を意識していくことを指します。結局は「行動」と「意識・精神」という両輪の役割を担うこととなり、どちらもこれからの社会を考える上で欠かせないものだといえるでしょう。

「認証ラベル」の取得が、企業姿勢を示す最も効果的な手段

「サステナブル消費」や「エシカル消費」が一般的になれば、企業は消費者からより厳しい視線を向けられるようになります。自社のアピールを行うWebサイトや会社案内、カタログといったツールに「SDGsマーク」を掲示しているだけでは、エシカル・コンシューマーの共感を得ることはできません。では、どうすればいいのでしょうか。

環境や貧富の差、教育格差といった地球上の問題に対し、壮大なビジョンを語る必要はありません。今、自社でできることを一つずつ、丁寧に説明していくのが最もよい方法です。具体的な方法としては、以下が考えられます。

(1)環境配慮型商品の製造・販売

石油由来ではなく天然由来や再生素材を用いる、製造時に再生エネルギーを使用する。さらには輸送にかかる負荷を抑制するため、地産地消を推進するなどといったことが考えられます。近年ファストフード店で、ストローやスプーンをプラスチック製から紙製などに転換しているのも、この動きに対応したものです。

(2)公的な認証の取得

消費者に最も直接的に企業姿勢を訴えるなら、商品そのものに環境や社会に配慮していると認証されたマークやロゴを記載することが有効です。主な認証としては、以下が挙げられます。

●エコマーク:環境保全に役立つ商品
●有機JASマーク:農水省が定める基準に合格した、有機的管理による食品
●国際フェアトレード認証ラベル:国際フェアトレード(後述)が守られている商品
●MSC認証:「海のエコラベル」とも呼ばれ、環境に配慮した漁業による水産品
これらの他にも、「レインフォレスト・アライアンス認証」「FSC認証」「GOTS認証」などがあります。

(3)フェアトレードの推進

発展途上国との貿易において、発展途上国の生産者や労働者が適切な収入を得られ、彼らの生活改善につながるよう公正な取引を推進することをいいます。

「サステナブル&エシカル消費」は、個人でもできる「SDGs」への取り組み

ここまで企業側からの視点として「サステナブル消費」と「エシカル消費」についてご紹介しましたが、消費者側からの視点でも考えてみたいと思います。

現在の世界には、多くの問題があることは誰もが理解していることだと思います。それに対し個人ができることは非常に限られています。「SDGsの理念に共感はするが、一人の小さな力で世界にどう貢献していいかわからない」という方も多いでしょう。

そんな悩みを解決する方法のひとつが「サステナブル消費」と「エシカル消費」だと考えます。モノを購入し利用する際、持続可能な社会のために、何を選ぶべきかを意識していくことが、やがて日常の習慣となり地球環境や社会的な問題に対して大きな影響力を持つことになります。

持続可能社会に対する企業の取り組み姿勢がどうであれ、最終的な選択権はモノやサービスを購入・利用する消費者、つまり一個人としての私たちにかかっているのです。イニシアチブは消費者側にある、それが「サステナブル消費」と「エシカル消費」の本質であるともいえます。

「サステナブル消費」「エシカル消費」はビジネスにも大きなチャンス

「サステナブル消費」「エシカル消費」で企業に対する圧力が高まれば、ビジネスはより厳しい局面を迎えるようにも思えます。しかし決して悪いことではありません。

各社がサステナブル、エシカルな商品づくりを進めることで、社会全体の改善が加速していくと考えられます。またそのような商品づくりを続けることで、エシカル・コンシューマーから「好ましい企業、商品」と認識されるようになり、企業に対する信頼性やエンゲージメントを高めることが可能になります。

現在のような物価高が続くと、どうしても商品の低価格化にばかり目を向けがちになります。しかし持続可能な社会づくりに貢献する商品なら高価格でも選ばれやすくなるため、高付加価値なビジネスが展開できる絶好のチャンスだともいえます。

持続可能な社会に貢献する企業姿勢の表明、商品づくりを続けることで、企業イメージの向上にもつながります。各企業は盛んに「SDGs」の17の目標の中から、自社活動がどの目標に取り組んでいるかをアピールしていますが、そのアピールにも大きな説得力を持たせることにも繋がります。

今、地球上にはさまざまな問題があります。それに対ししっかりと自社の姿勢を打ち出すことこそが、これからのビジネスを大きくしていく要因となります。「サステナブル消費」「エシカル消費」について、注意深く見守っていく必要があるでしょう。

◎製品名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。

エシカル・コンシューマーに受け入れられる商品づくりのために、あなたの会社でも活発な議論を。

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著者 OPTAGE for Business コラム編集部

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