- 公開日:2023年08月23日
クラウドサービスとは?概要やメリット・デメリットをわかりやすく解説
近年、多くの企業や個人が導入しているクラウドサービスは、自社で情報システムを運用するオンプレミス型と比べると、低予算で利用を開始できる便利なサービスです。しかし、クラウドサービスを利用した経験はあっても、サービスの特徴や提供形態の違いなどについて細かく把握できていないという方は少なくないでしょう。
そこで本記事では、クラウドサービスの概要やメリット・デメリット、2タイプの提供形態をわかりやすく解説します
クラウドとは?
クラウドとは、英語で「雲」を意味する"cloud"からきており、IT業界ではクラウドコンピューティングのことを指します。クラウドコンピューティングはコンピューティング技術の一種で、インターネットなどのネットワークを経由してサービスを利用する考え方のことです。
このクラウドという考え方を落とし込んだサービスこそクラウドサービスであり、テレワークの普及にともなって活用が進んでいます。
クラウドサービスとは?
クラウドサービスとは、インターネットを介して利用できるサービスのことです。先ほど紹介したクラウドという考え方をサービスに昇華したもので、インターネットにアクセスできる端末があれば、必要なときに必要な分だけサービスを利用できるという特徴があります。
これまではなんらかのソフトウェアを利用する場合、ソフトウェアをダウンロードしたり、専用のハードウェアを購入したりする必要がありました。こうした形態を「自社運用型」もしくは「オンプレミス型」と呼び、クラウドサービスとは明確に区別されています。
クラウドサービスの主な種類
クラウドサービスには複数の種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここではクラウドサービスの代表的な3種類について、それぞれの概要やサービスを見てみましょう。
SaaS
「Software as a Service」の略称であるSaaS(サース)は、元々パッケージ版として販売されていたソフトウェアをクラウド化したサービスのことです。SaaSは身近なクラウドサービスのひとつであり、会員登録をすれば無料もしくはサブスクリプションで利用できます。
【SaaSの主なサービス】
- Gmail
- Googleドライブ
- Microsoft Office 365
- Slack
- ChatWork
- Zoom
- Kintone
- Dropbox
PaaS
PaaS(パース)とは、アプリ開発に必要なプラットフォームを提供するクラウドサービスで、「Platform as a Service」の略語です。システム開発における環境構築の手間を省けるので、時短および初期費用の削減を叶えられます。
【PaaSの主なサービス】
- AWS(Amazon Web Services)
- Microsoft Azure
- GCP(Google Cloud Platform)
IaaS
「Infrastructure as a Service」を略したIaaS(イアース / アイアース)とは、サーバやOSなどネットワークの稼働に必要なインフラをクラウド化したサービスのことです。インフラというのは基盤や土台を指す用語で、開発に必要な基盤や土台のみ利用できます。
PaaSと似た印象を受けますが、開発に必要な基盤と環境が整ったPaaS と、基盤のみ与えられるIaaSを比較すると、IaaSのほうがより自由度の高い開発を実現させることが可能です。
【IaaSの主なサービス】
- AWS(Amazon Web Services)
- GCE(Google Compute Engine)
- Microsoft Azure
- ニフクラ
クラウドサービスのメリット
ソフトウェアをダウンロードしたり、専用のハードウェアを購入したりせず、すぐに利用を開始できるのがクラウドサービスの魅力です。ここからは、便利で手軽なクラウドサービスのメリットを3つご紹介します。
導入しやすい
クラウドサービスの最大のメリットは、オンプレミス型よりも導入しやすいことです。オンプレミス型の場合は専用サーバや周辺機器を購入する必要がありますが、クラウドサービスの場合はサーバも機器も購入しなくて済むため導入コストを抑えられます。
また、クラウドサービスの運用保守はクラウド事業者が行うため、ユーザーの運用負荷を軽減できます。その結果、なかなか手が回らなかった業務に人員や時間を割けるようになり、企業全体の生産性向上にもつながるでしょう。
短期間で運用を開始できる
クラウドサービスは特別な環境を構築する必要がないので、オンプレミス型と比較すると短期間で運用を開始できます。また、サーバのメンテナンスやOSのアップデートもクラウド事業者に任せられるので、そうした作業にかかる時間を短縮できるうえ、常に最新設備(サーバやOS)の利用が可能です。
さらに、クラウドサービスは"システムの拡張性"を意味するスケーラビリティを特徴に持ち、クラウド事業者が必要に応じて自動でリソースの拡張を行います。その結果、運用開始後のリソース管理の手間が省け、時間やコストの削減につながります。
データを簡単に共有できる
インターネット回線さえあれば、さまざまなデバイスからサーバにアクセスしてデータを共有できることもクラウドサービスのメリットです。サービスによっては共同編集作業も可能なので、テレワーク業務にも活用しやすいでしょう。
また、いつでもどこでもデータを共有できるクラウドサービスは、BCP対策としても役立ちます。BCP対策とは、企業が自然災害をはじめとする緊急事態に遭遇した場合、できるだけ早く体制を立て直し、重要な事業を継続させる事業計画のことです。クラウドサービスはデータの共有・保全に優れており、拠点以外の場所でも業務を継続できることからBCP対策として導入する企業も増えています。
クラウドサービスのデメリット
クラウドサービスのメリットをご紹介しましたが、導入前にデメリットも把握しておくことで後悔やトラブルを避けられます。ここではクラウドサービスのデメリットを3つご紹介するので、あらかじめ確認しておきましょう。
カスタマイズ性に欠ける
クラウドサービスはクラウド事業者が提供するサービスの範囲内での利用となるため、カスタマイズ性には欠けます。そのため、自由に仕様を変更できるオンプレミス型に魅力を感じている方は、クラウドサービスに物足りなさを感じるかもしれません。
サービス終了のリスクがある
クラウドサービスは業界内での競争が激化したり、ユーザー数が減少したりすることでサービス自体が終了するリスクがあり、継続して利用していたサービスが突然使えなくなることも珍しくありません。またクラウドサービスによっては、利用・ログインしない状態が長期間続くとアカウントが削除されることもあります。
安全性やセキュリティ面にも注意
クラウドサービスを利用する場合は、適切なアクセス管理やこまめなバックアップをはじめとするセキュリティ対策が必須です。クラウドサービスはサイバー攻撃や不正アクセスといったリスクが懸念されるため、導入を検討している場合はセキュリティ対策がしっかりしたクラウドサービスを選ぶ必要があります。
とはいえ、クラウドサービスは管理や更新をクラウド事業者に任せられる分、セキュリティ対策が向上するとも考えられます。つまり、クラウドサービスは安全性やセキュリティ面において、メリットとデメリットの両方をあわせもつということです。
また、クラウドサービスのセキュリティ対策を考える際には、クラウドへ接続する通信環境のセキュリティ面にも気を配りましょう。クラウドサービスは接続についてのセキュリティは担保していないため、クラウド接続区間におけるセキュリティ対策は別途検討する必要があります。
クラウドサービスの提供形態
クラウドサービスはクラウド事業者が提供する形態によって、「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」の2タイプに分類されます。ここでは2タイプの提供形態について、概要やメリット・デメットを見ていきましょう。
パブリッククラウド
パブリッククラウドとは、不特定多数のユーザーに提供されるクラウドサービスのことです。単にクラウドサービスと呼ばれるサービスはパブリッククラウドである場合が多く、動画配信や音楽配信などもパブリッククラウドに分類されます。
パブリッククラウドは複数のユーザーが環境を共有しているため、大幅にカスタマイズすることは困難です。しかし、その分利用料が安く、手軽に導入できるというメリットがあります。
プライベートクラウド
プライベートクラウドとは、特定のユーザーに提供されるクラウドサービスを指します。ユーザーは専用の環境を構築できるので、パブリッククラウドよりもカスタマイズ性の高いクラウドサービスを求めている方におすすめです。
しかし、プライベートクラウドは自由度が高い分利用料も高く、ある程度の専門知識が必要になります。
クラウドサービスを導入するなら事業者選びは慎重に
従来のオンプレミス型より導入しやすく、初期コストも抑えられると人気のクラウドサービスですが、セキュリティレベルやサポート体制はクラウド事業者ごとに異なります。クラウドサービスを安易に選んでしまうと、求めるサービスやサポートを得られない可能性があるので注意が必要です。
とはいえ、セキュリティ面に安心感のあるクラウドサービスや、おすすめのクラウド事業者がわからないために、サービス導入まで踏み切れない方もいるのではないでしょうか。
オプテージなら、導入の検討から接続用のネットワーク環境構築、導入後の監視・運用までトータルでサポートしています。専門のエンジニアに24時間365日監視・障害対応・運用保守を任せられるので、クラウドサービスを初めて導入する場合や、社内に詳しい人材がいない場合にもおすすめです。
安心・安全かつ機能が充実したクラウドサービスを利用するためにも、クラウド事業者選びは慎重に行いましょう。
オプテージはクラウドサービスだけでなく、ネットワークやデータセンターを組み合わせ、お客さまに合わせた最適なソリューションをご提供します。お悩みや課題があればお気軽にオプテージへご相談ください。
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