- 公開日:2023年11月15日
グラレコ(グラフィックレコーディング)とは?取り入れるメリットや注意点を解説
会議やプレゼンの内容をわかりやすくまとめるために、絵や図形を用いる「グラレコ(グラフィックレコーディング)」という手法が注目されています。グラレコは議論の要点や結論を可視化できる便利な手法であるうえに、議論の活性化や振り返りにも役立つ記録方法です。
そこで本記事では、グラレコの概要や取り入れるメリットをはじめ、注意点まで詳しく解説します。
グラレコ(グラフィックレコーディング)とは
グラレコ(グラフィックレコーディング)とは、会議やプレゼンの内容を絵や図形などのグラフィックを用いてまとめる手法のことです。要点や結論が可視化されるので、文章のみの情報よりわかりやすく、印象に残りやすいと注目されています。
グラレコは1970年代にアメリカで活用され始め、近年では日本でも書籍が出版されたり、セミナーやワークショップが開催されたりするようになりました。いまやグラレコはビジネスの場で役立つスキルとして、多くのビジネスパーソンが関心を寄せている分野です。
グラレコの基本的な書き方とポイントを解説
絵や図形を用いると聞くと、人によってはハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、グラレコはコツさえつかめば誰でもできる手法であり、絵を描くのが得意ではない人でも作成が可能です。
ここからはグラレコの基本的な書き方とポイントを紹介します。さっそく実践してみましょう。
アイコンを作る
まずは、グラレコに必要不可欠なアイコンを作りましょう。丸・三角・四角などの図形を組み合わせると、意外なほど簡単に身の回りのモノをアイコン化できます。
グラレコを作る際にあると便利なアイコンは、人物の表情・時計・建物・吹き出しなどです。特に人物の表情は情報を可視化するうえで重要な役割を果たすので、さっそく練習してみましょう。
矢印を活用する
グラレコを作成する際、ほとんどのケースで矢印を活用します。矢印は会議の流れや相互作用などを説明する場合に役立つので、状況に応じて用いるのがおすすめです。
グラレコを作ったものの見にくいと感じたときは、ぜひ矢印を足してみましょう。
レイアウトを工夫する
グラレコの作成に明確なルールはありませんが、代表的なレイアウトがいくつかあります。ここでは使いやすいレイアウトパターンを3つご紹介するので、話の内容や見せる人に合わせて適切なレイアウトを選んでみてください。
タイムライン型
タイムライン型とは、話の流れに沿って作成したグラレコのことです。重要なポイントを時系列で書き出していくことで論理展開がわかりやすくなり、物事の全体像を一目で把握できる特長があります。
タイムライン型を用いる場合は、矢印を効果的に使ったり、人物の表情で感想を表したりするのがおすすめです。
吹き出し型
吹き出し型とは、吹き出しを多用したレイアウトパターンを指します。誰が何を発言したのかがわかりやすくなるので、対談やインタビュー、ディスカッションなどの場におすすめです。
吹き出し型は躍動感が出るものの、絵の選び方や色の使い方を誤ると逆に見にくくなる場合があります。吹き出し型でグラレコを作成する際は、発言者ごとに色を変えたり、ポイントとなる発言を太文字にしたりと工夫を凝らしましょう。
発散型
発散型とは、中央に大きくテーマを書き出し、周囲に意見や感想を散りばめるレイアウトパターンのことです。全員が話者となる会議やワークショップに向いており、どのように議論が展開されたかを一望できます。
発散型は新たな意見やアイデアが出るたびに付け足していけるので、リアルタイムでグラレコを作成する場面におすすめです。
グラレコを取り入れるメリット
アイコンや矢印を活用し、レイアウトを工夫しながら情報をまとめるグラレコには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、グラレコを取り入れる主なメリットを3つご紹介します。
議論を整理できる
会議やミーティングには多くの人が参加し、それぞれの意見を述べるため、要点や結論が見えにくくなり、議論が停滞することも少なくありません。そこでグラレコを取り入れると、誰がどのような発言をしたのかが一目瞭然となり、意見の整理や議論の全体像を把握しやすくなります。
議論の活性化につながる
長引く会議に集中力が低下したり、同じ人ばかりが発言するようになったりすると、議論が行き詰まり有意義な時間を過ごせなくなる場合もあるでしょう。そんなときに役立つのが、会議の流れや重要なポイントを可視化できるグラレコです。グラレコを取り入れると一目で会議の全体像を把握できるうえに、まだ発言していない人も見えてくるので、参加者全員から新たな意見を促せます。
議論の振り返りに役立つ
認識のすり合わせやタスクの確認に必要不可欠な議事録ですが、詳しく書けば書くほど読みにくく、伝わりにくい議事録になることもあります。その点、絵や図形を用いるグラレコなら会議の内容や結論を簡潔に伝えられるので、誰でも短時間で議論を振り返ることが可能です。
グラレコを活用しやすい場面3つ
ここからは、グラレコ化をおすすめしたい場面を3つご紹介します。どのようなシーンでグラレコを活用するべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
会議やWebミーティング
多くの人が集まる会議やミーティングでは、要点や結論を可視化できるグラレコが大活躍します。リアルタイムでグラレコを作成すれば、新たな意見やアイデアが出て、議論が活性化するでしょう。
なお、グラレコは対面での会議やミーティングだけでなく、Web会議でも役立ちます。Web会議システムのホワイトボード機能や画面共有機能を活用しながら議論を進めてみましょう。
セミナーやワークショップ
セミナーやワークショップなど、講師の話を聞く場面でもグラレコを活用できます。グラレコはメモをとる感覚で作成できるので、講師が強調したことや心に残ったことなど、振り返って確認したいことをメインに記録をとっていくとよいでしょう。
プレゼン資料作成
重要なプレゼンが控えている方は、グラレコでプレゼン資料を作ってみるのもおすすめです。グラレコには意図を簡潔に伝える力があるので、要点をわかりやすく伝える必要があるプレゼンには最適な手法といえます。
ただし、1枚のグラレコに伝えたいことをすべて盛り込んでしまうと、かえってわかりにくくなる場合があるので要注意です。1枚に盛り込む情報は厳選し、ある程度の余白をもたせましょう。
グラレコを活用する際の注意点
グラレコにはいくつかの注意点があり、それらを知らないままグラレコを実践してしまうと、メリットを享受できない可能性があります。
グラレコの活用を考えている方は、ここで紹介する3つの注意点を押さえておきましょう。
進行が停滞する可能性がある
会議やミーティングにグラレコを活用する場合は、基本的にリアルタイムで情報をまとめていきます。そのため、絵や図形を描くことに必要以上にこだわってしまうと、議論が停滞してしまう可能性があるので注意しましょう。
グラレコの目的は情報の可視化であり、絵や図形を上手に描くことではありません。グラレコのレコーダーを務める場合は、議論の進行を妨げないようにスピード感も意識しましょう。
詳細な情報が省略される
グラレコはあくまでも要点や結論をわかりやすくまとめるための手法であり、議論の詳細を記録するものではありません。細部まで記録しておきたい場合は、文章のみでまとめる手法を選ぶか、ボイスレコーダーの活用がおすすめです。
人によってはかえって認識しにくくなる
会議やミーティングの参加者のなかには、絵や図を用いたグラレコをわかりやすいと感じる人もいれば、文章のみの情報の方が理解しやすいと感じる人もいます。認識しやすい記録方法は人によって異なるため、グラレコを活用するべきか迷った場合は、参加者や状況に応じて記録方法を変えるのがベストです。
グラレコに関するよくある質問(Q&A)
最後に、グラレコに関するよくある質問と回答をまとめてご紹介します。
グラレコについて疑問や不安なことがある方は、ぜひ参考にしてみてください。
進行が停滞する可能性がある
実際のところ、グラレコに絵のうまさはほとんど関係ありません。絵のうまさよりも大切なことは、スピーディに情報をまとめて的確に伝えるスキルです。
簡単な図形や人物の表情さえ描ければ、誰でもグラレコを作成できます。絵が下手だからと諦めていた方は、簡単な絵や図形の練習から始めてみましょう。
どのように練習するの?
近年、グラレコに関する書籍が複数出版されており、セミナーやワークショップも全国で開催されるようになりました。また、自宅から気軽に参加できるオンラインセミナーも増えているので、学びやすい方法を選択してみましょう。
グラレコに限らず、誰でも最初は上手にできなくて当然です。繰り返し練習したあとは、できるだけ人に見てもらう機会を設けましょう。
紙やホワイトボードに書くべき?
紙やホワイトボードに書くのもおすすめですが、オンラインホワイトボードを活用すれば楽にまとめられます。オンラインホワイトボードとは、オンライン上で使用できるホワイトボード機能のことです。
オンラインホワイトボードはリモート会議に役立つ機能として注目されており、Web会議システムに搭載されていることも少なくありません。
まとめ
グラレコことグラフィックレコーディングは、議論の要点や結論を可視化できる便利な手法として話題になっています。しかし、絵を描くことにこだわりすぎたり、詳細な部分まですべてまとめようと躍起になったりすると、会議の進行が停滞して参加者に迷惑をかけることになりかねないので注意が必要です。
グラレコの活用を検討している方は、ホワイトボード機能や資料共有機能があるツールを使用してみてはいかがでしょうか。オプテージはこれらの機能を搭載したWeb会議ツールMicrosoft Teamsなどが使える『Microsoft 365』のライセンス提供を行っており、導入から操作に関するサポートまで一貫してご支援しております。
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