- 公開日:2023年11月22日
【法人向け回線】ベストエフォート・帯域確保・帯域保証の違いとは?
テレワークをはじめとする働き方の多様性や、IoTの普及などにより、ビジネスにおける回線サービスの利用は欠かせないものとなりました。
しかし、せっかく導入した法人向け回線が業務内容や用途に適したものでなければ、スムーズに仕事を進められず、トラブルに発展するかもしれません。
ここでは、法人向け回線を選ぶ際に知っておくべき「ベストエフォート」「帯域確保」「帯域保証」の違いを紹介します。ぜひ本記事を参考に、自社に合ったサービスを見つけてください。
ベストエフォート・帯域確保・帯域保証の違いとは?
法人向けの回線を探していると、サービスの説明で「ベストエフォート」や「帯域確保」、「帯域保証」といった用語を目にすることが多いでしょう。一見すると違いが分かりづらいですが、保証内容や通信速度の安定性などが異なるほか、利用料にも違いがあります。
適切なコストと円滑な業務遂行のためにも、それぞれの用語について把握しておくことが重要です。
それぞれの特徴を上の表にまとめていますが、サービスを提供している事業者によって定義が異なる場合もあります。ここでは基本的なポイントを押さえ、詳細については事業者ごとに確認しましょう。
ベストエフォート
「ベストエフォート」は、通信速度の最大値(理論値)を公表しているサービスです。
通信速度を見る上で、実測値や理論値などを目にすることもあるでしょう。実測値というのは、さまざまな要因によって実際に出ている通信速度のこと。そして、理論値は最良の条件が揃った場合に出る理論上の最大値を指しています。
そのため、仮にベストエフォートで通信帯域1Gbpsの契約をしたとしても、実際にインターネットを利用する時に最大値の1Gbpsが出るとは限りません。ネットワーク回線の混雑状況によって通信速度が左右されることもあります。
ただ、帯域確保に比べてかなりリーズナブルな価格で導入できるのは嬉しいポイントです。できるだけコストを抑えてインターネットを利用したい企業にとっては、最適なサービスといえます。
帯域確保
帯域確保とは、契約者の利用状況を踏まえて、事業者側があらかじめ通信帯域を確保しておくことです。
まれに、帯域確保であっても通信速度が落ちることもあります。原因の多くはユーザーループなどの突発的なトラブルによるものですが、通信速度の低下は一時的なものであるケースがほとんどです。
そのため、通信障害などの重大な事態でなければ、契約帯域内でストレスなく利用できます。
帯域保証
「帯域保証」とは、一定の通信速度を保証したサービスのこと。事業者が契約分の通信帯域を保証してくれるので、安定した通信環境を手に入れられます。
たとえば、200Mbpsの帯域保証の契約であれば、必ず200Mbpsの通信が保証されています。そのため、大容量のデータをやり取りする本社とデータセンター間の専用線など、通信の速度や安定性を重視したい拠点間通信で使われるサービスです。
ただし、帯域が保証されている範囲は、通信事業者が設置するONU(回線終端装置)の間までなので、パソコンやスマートフォンといった情報端末の帯域までは保証されていません。
法人がインターネット回線を選ぶ際のポイント
ここからは、特にインターネット接続用の回線を選ぶ際のポイントについてご紹介します。ベストエフォートや帯域確保などの違いを押さえておく必要がありますが、このほかにも着目すべき内容があります。
社内の快適なインターネット環境を実現するためにも、以下にまとめたポイントを確認しておきましょう。
オフィスが提供エリア内にあるか
オフィスが提供エリア外にあると、インターネット回線を利用できません。そのため、インターネット回線を選ぶときは提供エリアを確認することが肝心です。
また、オフィスのある建物や事業者によっては、提供エリア内にあっても利用できない可能性があるため十分に確認しましょう。
将来的に事務所の移転や支店の開設を予定している場合でも、提供エリア内であれば移転手続きが行えます。そのため、インターネット回線の提供エリアは特にチェックしておきたいポイントです。
固定IPアドレスが必要かどうか
IPアドレスとは、インターネット上にある住所のこと。インターネットでつながった機器同士が互いを識別し、特定の相手とデータの送受信を行うために利用されます。
また、IPアドレスは「固定IPアドレス」と「動的IPアドレス」の2種類に大別され、法人の場合は固定IPアドレスが推奨されています。しかし、事業内容などによっては動的IPアドレスで十分な場合もあるため、自社に必要なIPアドレスがどちらなのかを確認しましょう。
【固定IPアドレスの特徴】
固定IPアドレスは専用のIPアドレスが割り当てられるため、アクセスを制限したり外部からのリモートアクセスを可能にしたりと、セキュリティ面に強みを持ちます。ただ、動的IPアドレスに比べて利用料が高い傾向にあります。
【動的IPアドレスの特徴】
動的IPアドレスは、接続するたびにIPアドレスが変わります。Webサイトの閲覧やメールの送受信などに影響することはありませんが、自宅のパソコンやサーバなどに外部から接続できず、IPアドレスによるアクセス制限なども行えません。ただ、個人を特定されにくい、設定を手軽に行える、コストを抑えて導入できるといった点は動的IPアドレスのメリットとして挙げられます。
アクセスを制限してセキュリティ対策を行いたい場合は固定IPアドレス、費用を抑えてインターネット回線を利用したい場合は動的IPアドレスなど、自社の利用状況に合わせて選ぶようにしましょう。
必要な回線速度が保たれるか
動画やビッグデータといった大容量のデータをやり取りする業務を行う場合は、最大通信速度の速さを重視してインターネット回線を選びましょう。仮にメールやチャットツールでのやり取りなど、データ容量の小さい業務が主な場合は、コストを抑えた低い通信速度でも業務に支障はないでしょう。
なお、通信速度はルーターや接続方式などによって変わる可能性もあるため、機器やケーブルといった設備にも着目することも大切です。
下の表はインターネットの利用が必要な業務と通信速度の目安です。自社に合ったサービスを選ぶ際の参考にしてみてください。
インターネット回線以外のサービスも利用できるか
インターネット回線を提供している事業者のなかには、さまざまなオプションサービスを提供しているところもあります。
- トラブル発生時のサポートを24時間受付
- 不正アクセスなどを検知・ブロック
- 光電話も併用する場合の利用料割引
- ドメイン名やIPアドレスの申請を代行
このように企業の負担軽減やセキュリティ面でのサポートを行ってくれる事業者もあるため、インターネット回線を選ぶ際はオプション内容に注目してみるのもおすすめです。
ほかにも、事業者によってはキャンペーンを実施している場合もあり、時期によっては高品質のサービスをお得に利用できるでしょう。
まとめ
法人向け回線を選ぶ際は、自社の用途を把握しておくことが重要です。その上で通信速度がどれくらい必要か、通信回線は安定しているかといった観点から、最適なサービスを選びましょう。
関西エリアを中心に情報通信サービスを提供しているオプテージでは、お客さまのニーズに合わせたインターネット回線を提供しています。
なかでも、「オフィスeo光」は特に注目のサービスです。これまでは概ね1Gbpsが通信速度の最大値でしたが、11月より最大概ね10Gbpsのコースを提供開始しました。
2024年3月末までの期間限定でお得なキャンペーンもご用意していますので、法人向けのインターネット回線をお探しの方は、ぜひチェックしてみてください。
◎製品名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。