データセンターはどうやって選ぶ?場所や設備などポイントを解説

データセンターはどうやって選ぶ?場所や設備などポイントを解説

データセンターは日本各地にあり、どのような立地にあるデータセンターを選ぶべきか悩んでいる方も多いでしょう。
そこで本記事では、データセンターに求められる立地条件や設備とあわせて、それぞれの企業に適したデータセンター選びのポイントをまとめました。自社に適したデータセンターを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。

Contents

データセンターの場所はどこにある?

データセンターの場所はどこにある?

データセンターは日本各地にありますが、詳細な場所は公開されていません。その理由は、データセンターは顧客のサーバやネットワーク機器を預かる施設であり、住所を公開してしまうとテロの脅威にさらされてしまうためです。 とはいえ、データセンターによっては最寄り駅や簡単な地図を公開していたり、見学を実施したりしているところも少なくありません。
詳しく知りたい方は、それぞれのデータセンター事業者までお問い合わせください。

政府はデータセンターを日本中に分散する取り組みを始めた

現在、データセンターは東京圏に集中しており、大規模な災害が発生した場合のリスクが懸念されています。この状況を受けて、政府は地方でのデータセンター建設や海底ケーブル建設に約1,000億円 の補助金を出し、データセンターを日本中に分散する取り組みを始めました。

データセンターの場所選びで重要な立地条件とは

データセンターの場所選びで重要な立地条件とは

データセンターに求める立地条件は、利用目的によって変わります。頻繁に作業に出向く場合はオフィスに近いデータセンターがおすすめですが、運用をトータルでアウトソーシングする場合や、料金の安さにこだわる場合は遠隔地を選んでもいいでしょう。また、DR(災害復旧)の観点でいえば自然災害の少ない場所や、オフィスとの同時被災の可能性が低いところを選ぶべきです。
そのため、データセンターの活用を検討している方は、まずデータセンターを利用する目的を明確にしたうえで、自社が求める立地条件を洗い出してみてください。

以上を踏まえて、データセンターの場所選びで重要な立地条件を確認しましょう。

自然災害の少ない地域

データセンターを選ぶ際は、自然災害の少ない地域に建てられているかを確認しましょう。日本は地震や水害といった災害リスクが高く、場所によっては何度も災害に見舞われている地域もあれば、近い将来に大規模な地震が来ることが予測されている地域もあります。
基本的にデータセンターは地盤の硬さや海からの距離を考慮して建てられていますが、自身でもあらためて災害リスクについて調べてみるべきでしょう。

交通の利便性に優れている

データセンターの場所選びで忘れてはいけないことは、自社からデータセンターまでのアクセスを把握しておくことです。データセンターのなかには交通の便が悪く、出向く際に苦労するところも少なくありません。データセンターは頻繁に訪れる場所ではありませんが、万が一の事態が発生した場合には直接出向く必要があります。
アクセスの良さを重視する場合におすすめしたいのは、駅から徒歩圏内にあるデータセンターや、インターチェンジから数分の距離にあるデータセンターです。電車を利用する場合と、車で移動する場合の両方を考慮して、交通の利便性に優れたデータセンターを選びましょう。

IXやメガクラウドへのアクセスポイントに近い

低遅延での接続を重視する場合は、IX(インターネットエクスチェンジ)やメガクラウドへのアクセスポイントに物理的に近い場所にあるデータセンターがおすすめです。動画や音声などのコンテンツ配信を行う場合、データセンターにはキャリアやIX、ISP(インターネットサービスプロバイダー)が存在することが望ましく、これらが揃っているデータセンターを選ぶことでユーザーへのデータ通信を低遅延で行えます。また、これらの要素によって接続の冗長性が高まると、サービスのダウンタイムを最小限に抑えられ、安定的にサービスを提供することが可能です。
さらに、データセンターにメガクラウドのアクセスポイントが存在すると、データセンターからメガクラウドへの直接接続を実現できます。インターネットを経由せずにメガクラウドへ接続できれば、通信の安定性が向上するため音やデータの入出力の間に遅延が生じるレイテンシーや、データ転送速度の改善が見込めるでしょう。また、直接接続はセキュリティの観点においてもメリットがあり、データの漏洩リスクを低減することが可能です。

遠隔地にある

足を運びやすいのは自社に近いデータセンターですが、DRを目的に利用する場合は遠隔地にあるデータセンターを選ぶのもおすすめです。遠隔地にあるデータセンターを選ぶことで、機密データを特定の地域に集中させずに済むため、災害時のリスクヘッジを図れます。
このように、災害への備えを重視する場合は自社から離れたデータセンターを選んだり、遠隔地を含めた複数のデータセンターを利用したりするなどの工夫が必要です。

立地とあわせて注目したい!データセンターに必要な設備とは

立地とあわせて注目したい!データセンターに必要な設備とは

データセンターを選ぶ際は、立地条件とあわせてデータセンターの設備を確認しておくことが重要です。大切な機密データを預かるデータセンターはさまざまな設備を有していますが、具体的な対策はデータセンターによって異なります。
ここからは、データセンターに求められる設備を確認してみましょう。

免震構造

建物の地震対策には耐震・制振・免震の3つの主要な手法があり、それぞれの違いは以下のようになっています。

  • 耐震:頑丈な構造で揺れに耐える
  • 制振:制震装置で揺れを抑える
  • 免震:建物の揺れを緩和する

データセンターでは機器の精密さと運用の重要性から地震による揺れを最小限に抑えることが求められるため、3つの手法のなかでも特に免震構造が重要です。
免震構造を採用したデータセンターでは、地震の揺れが建物に直接伝わることを防止できるため、サーバやネットワーク機器をはじめとする重要な設備が損傷するリスクを大幅に減らせます。免震構造によって地震発生時にもデータセンターの運用は継続されるので、ビジネスの中断を避けることが可能です

浸水対策

データセンターでは水害や津波への備えとして、浸水対策を講じている場合がほとんどです。例えば防潮堤の設置をはじめ、配線や配管を引き込む貫通開口部の防水措置、サーバ室の直上階の床の防水措置など、データセンターの機能を維持するための設備や機能を備えています。 また、サーバやネットワーク機器はもちろん、受変電設備や電源設備も2階以上に設置するのが基本です。
浸水被害によって重要なデータが破損する可能性もあるため、検討中のデータセンターで対策が講じられているかどうかもチェックしておきましょう。

停電対策

サービスの継続性と信頼性を確保するために、データセンターには電源系統の冗長化が必要です。サーバやネットワーク機器は電力供給が途絶えるとサービスが停止してしまうため、災害時には他の電源系統から電力を供給し続けることで、サービスの中断を防ぐ必要があります。
電源系統の冗長化に求められる要素は、主に以下の3つです。

  • 複数の電源供給
  • 電力会社から複数の系統で受電することで、いずれかの電源が停止した場合にも他の電源から電力を供給できます。

  • 非常用発電機(EG)
  • 電力会社からの電力供給が停止した場合に備えて、データセンターには非常用発電機(EG)が設置されています。非常用発電機があれば、電力供給が長時間にわたって停止した場合にも対応が可能です。

  • 無停電電源装置(UPS)
  • 無停電電源装置(UPS)は電力供給が途絶えた場合や、電圧が変動した場合に一時的に電力を供給する装置です。無停電電源装置は非常用発電機が起動するまでの間、電力供給を維持する役割を担います。

火災対策

万が一にもデータセンターで火災が生じてしまえば、重要なデータの消失やサービスの停止といった深刻な事態に陥ってしまいます。これらのリスクを回避するため、データセンターには自動火災検知システムや自動消火設備による火災対策が必要不可欠です。
また、データセンターでは電子機器へのダメージを最小限に抑えるために、水や泡ではなくガスを使用したガス消火設備が採用されています。ガス消火設備によって消火時の機器への影響が軽減され、データの保護とサービスの継続性を確保することが可能です。さらに、近年では近くに人がいても問題ないように、有毒性のない窒素ガスを使用した消火設備を採用しているデータセンターもあります。
そのほか、火災対策を徹底しているデータセンターはサーバ室内の備品などを不燃素材のもので揃えています。ラック内に可燃物が置かれていると火災のリスクが高まるので、データセンターを選ぶ際はサーバを保管するラックに不要なものが置かれていないかどうかも確認しておきましょう。

空調管理

データセンターで連続的に稼働しているサーバやネットワーク機器は、大量の熱を発生させます。機器が高温になると、性能が低下したり故障の原因になったりするため、適切な温度管理が必要です。
データセンターには機器を安定的に冷却し、最適な運用環境を維持するための空調設備が求められます。ラックをキャッピングして冷却効率を高めたり、外気を活用したりと熱負荷の軽減を実現するための工夫を凝らしているデータセンターも少なくありません。
また、空調設備自体の冗長性も重要です。一部の空調設備が故障やメンテナンスのために停止した場合でも、他の空調設備がその機能を担い、適切な温度と湿度を維持しなければいけません。
なお、データセンターは停電時に非常用発電機(EG)に切り替えますが、起動までには数分かかります。非常用発電機(EG)が起動するまでの間でIT機器に悪影響が及ぶこともあるので、データセンターを利用する場合は空調の停電対策や、空調停止時の温度上昇対策まで確認するのがおすすめです。

※キャッピングとは、低温の給気と高温の排気を物理的に分け、効率的な空調環境を実現する気流制御技術のこと。

セキュリティ対策

多数の企業の機密データを預かるデータセンターには、万全のセキュリティ対策が必要不可欠です。データセンター内はセキュリティレベルごとに区分けされており、最もセキュリティレベルの高いサーバ室に近づくにつれて、段階的に対策がおこなわれています。
具体的には、有人監視と最新システムによるセキュリティ対策を講じて機密データが漏れない仕組みが整えられており、建物内には申請を承認された本人しか入館できません。有人で受付をおこない、サーバ室に行くためのエレベーターホールにはセキュリティゲートがあって、受付で受理したICカードがなければ階上に行けなくなっています。
また、サーバ室前ではICカードと生体認証装置による本人確認がおこなわれるので、共連れによる入室もできません。 さらに建物内の動線部やサーバ室内には監視カメラが設置されており、誰がどこにいたか、何を操作したかが録画されています。セキュリティのレベルや具体的な対策はデータセンターによって異なるので、トラブルを回避するためにも契約前に確認しましょう。

サポート体制

データセンターの中には、ビル設備の保守員やオペレーターが24時間365日で常駐し、システム監視や保守対応をおこなっているところもあります。 運用をアウトソーシングしたい場合や、障害発生時の一次対応を依頼したいなど、データセンターに求めるサポートはさまざまでしょう。サポート体制やサービス内容は、データセンターによって異なります。自社が求めるサポートを提供しているかどうかに着目して、利用するデータセンターを選びましょう。

まとめ

データセンターのまとめ

データセンターの活用を検討している方は、自社が求める条件や目的に合った要件を備えたデータセンターを選択しましょう。また、データセンターの設備にも注目し、気になることがあれば見学の際に確認しておくのがおすすめです。 大阪に本社を置くオプテージは、大阪市内で複数のデータセンターを運用しています。どちらも駅から徒歩圏内という抜群のロケーションを誇り、高度な設備を有するデータセンターとして多くのお客さまにご利用いただいております。

さらに、2024年3月には心斎橋データセンター内にコネクティビティエリア「心斎橋POP(Point Of Presence)」を新設、また2026年1月には大阪の中心地の曽根崎エリアに「曽根崎データセンター(OC1)」の運用を開始する予定です。いずれも主要なメガクラウドやインターネットエクスチェンジとのアクセスポイントがあるエリアの近隣に位置しており、オプテージが保有する信頼性の高い光ファイバーネットワークで当該エリアのデータセンターと直結することで、低遅延で安定したクラウド接続サービスの提供が可能です。大阪市内でデータセンターを探している方は、オプテージまでお気軽にお問い合わせください。

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著者 OPTAGE for Business コラム編集部

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