【2024年最新】日本におけるクラウド市場拡大の理由とは?利用動向についても紹介

【2024年最新】日本におけるクラウド市場拡大の理由とは?利用動向についても紹介

クラウドサービスを導入する企業は年々増加しています。特に『クラウドファースト』の考え方が普及してきたこともあり、さまざまな業務やサービスでクラウドの活用が進んでいる状況です。
この記事では、日本のクラウド市場の現状や利用動向、クラウドサービスのメリットと課題について紹介します。

Contents

日本におけるクラウド市場について

日本におけるクラウド市場について

まずは、国内におけるクラウドサービスの利用状況と、プロバイダー別のシェアについて紹介します。

日本のクラウドサービス利用動向

総務省の報告によれば、国内企業におけるクラウドサービスの利用は年々増加しており、2023年には約8割の企業が導入。多くの企業でその利便性を実感していることが明らかになりました。

クラウドサービスの利用状況

出典:「クラウドサービスの利用状況」令和5年通信利用動向調査(総務省)

最近では、システムの開発や更新の際、クラウドの活用を優先する『クラウドファースト』の考え方が広がってきており、ファイル共有サーバや社内情報共有ツール、電子メールなどのSaaSの利用も増えてきています。

このような背景から、今後もクラウドサービスのさらなる普及が進むと予測されます。

日本国内のクラウド市場シェア

日本では、国内外問わず多くのクラウドサービスプロバイダーが参入し、クラウド市場での競争が活発化しています。

総務省の報告によると、日本のPaaS・IaaS市場では、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformの利用率が非常に高い状況です。特にAWSは、PaaSとIaaSの両市場で50%を超えるシェアを持っています。

PaaS/IaaS利用者のAWS、Azure、GCP利用率

出典:「PaaS/IaaS利用者のAWS、Azure、GCP利用率」令和5年情報通信白書(総務省)

上記の3社に集中している理由は、コンピューティングリソースの豊富さに加えて、リレーショナルデータベースや分析、機械学習基盤などの多彩なサービスが提供されており、開発や運用がしやすい点にあります。そのため、大手クラウド3社が提供するPaaSやIaaSを利用することで、各種システムの機能を効果的に活用することが可能です。

日本政府では経済安全保障の観点から、国産クラウドの育成を推進しており、これにより重要なデータを扱う国内クラウドの成長が期待されています。

クラウドサービスの利用が進む背景とは

クラウドサービスの利用が進む背景とは

ここでは、総務省の『令和5年通信利用動向調査』から、クラウドサービスの利用が増加している理由を4つ紹介します。

利便性と拡張性の高さ

多くの企業がクラウドサービスを導入する理由のひとつに、『場所や機器を問わず利用できる利便性の高さ』があります。

クラウドサービスの使用により、インターネットに接続していれば基本的にどこからでもシステムにアクセスできるようになります。サーバ管理のためだけに出社する手間が省け、業務の効率化を図ることが可能です。

さらに、クラウドサービスには『柔軟な拡張性』という特徴もあります。企業の成長スピードや変化に応じてリソースなどを迅速に調整でき、需要に応じたサイジングが可能です。そのため、必要なときに即座にサーバやストレージを追加でき、ビジネスの拡大や縮小に合わせてスムーズにスケールアップやスケールダウンできる点が評価されています。

コストと効率の最適化

『社内にサーバや保守体制を持つ必要がない』点もクラウド利用の理由のひとつとして挙げられています。

クラウドでは、自社でデータセンターを保有する必要がなく、ハードウェアの購入や保守にかかるコストを削減できます。さらに、多くのクラウドサービスは必要な分だけを利用し、その分だけ支払う『従量課金制』を採用しており、無駄なコストが発生しにくい特徴があります。

加えて、IT環境に関わる業務をアウトソーシングする『マネージドサービス』を活用することで、社内リソースを使わず効率的な運用が可能になります。これにより、人的リソースや体制構築にかかるコストを抑えつつ業務効率を高められるようになります。

セキュリティと安定性の高さ

『安定運用、可用性が高くなる』『サービスの信頼性が高い(情報漏えいなどの対策)』といった点でも多くの企業から高い評価を受けています。

クラウドサービスプロバイダーによって、サーバやネットワークのパフォーマンスをリアルタイムで監視しており、異常が発生した場合には迅速に対応する仕組みが整っています。これにより、企業はシステムのダウンタイムを最小限に抑え、顧客へ常に安定したサービスの提供が可能になります。

また、セキュリティパッチやソフトウェアの更新が自動的に適用されるよう設定ができるため、脆弱性が発見された場合でも迅速に対策が施され、最新のセキュリティ状態を維持できます。

ただし、クラウドサービスごとに責任範囲が異なるため、導入前にどこまでが事業者の責任で対応されるのかを確認することが重要です。

BCPなどの防災対策

『災害時のバックアップとして利用できる』点でも高く評価されています。

大手クラウドプロバイダーは、世界各地にデータセンターを分散して設置しています。そのため、1つのデータセンターで障害が発生しても、他の地域にあるデータセンターが代替のサービスを提供できる仕組みが整っています。これにより、自然災害や停電、火災などのリスクを軽減することが可能です。

さらに、クラウドでは、データを自動的に複数のサーバやリージョンにバックアップする設定ができるようになっています。万が一、データ損失やシステム障害が発生した場合でも、迅速な復旧が可能です。

このような機能により、企業は事業の継続が確保され、復旧までの時間が短縮されるという大きなメリットを享受できます。

クラウドサービスの課題

クラウドサービスの課題

これまでクラウドサービスの評価点について紹介してきましたが、いくつかの課題も存在します。ここでは、クラウドサービスの利用に伴うリスクや問題点について紹介します。

ひとつのクラウドサービスプロバイダーの利用によるリスク

特定のクラウドサービスプロバイダーに依存すると、ベンダーロックイン状態に陥り、システムの柔軟性が失われる恐れがあります。例えば、その事業者が大規模なシステム障害を起こした場合、全社的にシステムが停止するリスクがあります。

このような事態を防ぐためには、複数のプロバイダーのサービスを組み合わせる『マルチクラウド戦略』の採用がおすすめです。

さらに、リスクを最小限に抑えるためには、『マネージドサービス』を提供しているプロバイダーも存在するため、そのような専門家に相談しながら導入を進めていくことが重要になるでしょう。

海外クラウドサービスプロバイダーによるデータの法的保護

クラウドサービスを提供する企業の所在国によっては、データ保護や犯罪捜査に関する厳しい法律が適用されることがあります。そのため、日本国内でサービスを利用していても、データの開示を求められるリスクがあることを理解しておかなければなりません。

例えば、EUではGDPR(一般データ保護規則)という規則があります。この規則は、EU域内の各国に適用されるもので、個人データ保護やその取り扱いについて詳細に定められています。

日本の企業であっても、EU内に拠点を置いている企業や個人も対象になるため、場合によっては、規則に従う必要が出てくる可能性があります。

また、国の政治状況によっては、法律が突然変更されるリスクも存在します。さらに、プロバイダーの所在国により、政府や他の機関がデータにアクセスする権限を持つことがあります。プライバシーやセキュリティのリスクが高まる可能性もあるため、十分な確認が必要です。

為替変動などによるコスト算定の難しさ

海外のクラウドサービスプロバイダーの多くは、利用料金を米ドルなどの海外通貨で請求します。そのため、為替レートの変動によって支払い額が変動することから、コストの算定が難しいといったリスクが存在します。特に、長期的にクラウドサービスを利用する際には、為替リスクをしっかり考慮することが重要です。

また、クラウドサービスプロバイダーごとに課金方法が異なるため、サービスを選ぶ際には、リソース使用量をリアルタイムで把握できるチェックツールの活用が有効です。これにより、不要なリソースを早めに見直し、コストの最適化を図れます。

帯域不足や接続多様化に起因する速度低下

多くの企業で採用されている、センター集中管理型のネットワーク構成は、クラウドサービスの利用が増えるにつれて、帯域不足や通信速度の低下を引き起こす可能性があります。

各拠点からWANを通じてデータセンターに接続することで、大量のトラフィックや多くのセッションが発生し、ネットワークの負荷が増加します。特に、データセンターとインターネットの接続部分がボトルネックとなりやすく、それが速度低下の原因となることがあります。

例えば、Microsoft 365のようなサービスを利用すると、1ユーザーあたり30以上のセッションが発生することがあり、その結果、データの流量が急激に増える事態がありえます。このような問題を回避するためには、ネットワークリソースの最適化や十分な帯域幅の確保が重要です。

まとめ

まとめ

この記事では、日本のクラウド市場の現状や利用動向、クラウドサービスのメリットと課題について紹介しました。

クラウドサービスは、利便性や拡張性、コスト削減効果、さらにはセキュリティの高さから、多くの企業に導入されています。しかし、為替変動に左右されるコストや、データ保護規制などといった課題も依然として存在します。

これらの課題に対して、オプテージは、ネットワークからクラウドまでを国内で完結できるサービスとして「オプテージ コネクティビティ クラウド・ストレージ(OCCS)」を提供しています。このサービスにより、為替変動の影響を受けずに、個人情報保護法をはじめとする日本の法律や規制に対応しつつ、プライバシーやセキュリティの確保が可能です。

さらに、オプテージのマネージドサービスを利用すれば、監視や運用・保守を24時間365日対応でアウトソーシングできるため、企業は自社のコア業務に専念することができます。

クラウドサービスについてお悩みがありましたら、ぜひオプテージまでお気軽にご相談ください。

◎製品名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。

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著者 OPTAGE for Business コラム編集部

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