- 公開日:2024年04月19日
ハウジングとホスティングの違いを解説!特徴や向いているケースも紹介
ハウジングとホスティングは、どちらも自社内にサーバを置かず、データセンター内でサーバを管理するサービスを指します。しかし、この2つのサービスには大きな違いがあり、それぞれの特徴を理解したうえで適切なサービスを選定することが大切です。
そこで本記事では、ハウジングとホスティングの特徴や違いをわかりやすくご紹介します。
ハウジングとホスティングとは
ハウジングとホスティングとは、どちらもサーバの管理を外部に委託するサービスのことです。この2つのサービスはデータセンター事業者が提供しており、自社内にサーバを置かず、セキュリティ設備の整ったデータセンター内でサーバを管理する点で共通しています。
ハウジングとホスティングを利用するメリットは、セキュリティ設備の整ったデータセンター内でのサーバ管理により、安全かつ万全のセキュリティ対策を講じられることです。また、データセンターは万が一の災害に備えた設備や対策が充実しているため、BCP対策としても効果的でしょう。
さらに、サポート体制が整っているデータセンター事業者を選定すれば、充実したサポートを受けることも可能です。自社でサーバの管理スタッフを手配する必要もありません。
ハウジングとホスティングの特徴
ここからは、ハウジングとホスティングの特徴をご紹介します。それぞれの特徴を理解し、自社に合うサービスの選定にお役立てください。
ハウジング
ハウジングとは、サーバを設置するためのラックや電源を貸し出すサービスです。所有しているサーバを継続して使いたい場合や、ネットワーク機器を自由に持ち込みたい場合など、カスタマイズ性を重視する企業に適しています。
また、ハウジングを提供している事業者のなかにはラックや電源を貸し出すだけでなく、監視やサポートまでをトータルでおこなうマネージドサービスを用意している事業者も少なくありません。
ハウジングの類似サービス
ハウジングとよく似たサービスに、コロケーションがあります。ハウジングとコロケーションは、どちらもサーバを設置するラックや電源を貸し出すサービスであることに変わりはありません。ハウジングがラック単位での小規模なスペースを借りるのに対し、コロケーションは床面を面積単位や部屋単位などの大規模なスペースで借りるのが一般的です。
コロケーションは規模の大きさから通信事業者に提供されることがほとんどでしたが、近年はハウジングと同様にさまざまな企業が利用しています。
ホスティング
ホスティングとは、データセンター内に設置されたサーバやネットワーク機器を貸し出すサービスを指します。ホスティングはレンタルサーバとも呼ばれており、サーバを購入する手間を省けることがメリットです。
また、システムの設計や構築、運用までトータルでサポートしてもらえるため、ハウジングよりも手軽に利用できるでしょう。ただし、ホスティングで借りられるサーバの種類・構成は限られています。
ホスティングの利用形態
ホスティングの利用形態には、「共有サーバ」「専用サーバ」「仮想専用サーバ」などがあります。それぞれメリット・デメリットが異なるため、条件や予算に応じて選択しましょう。
特徴 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
共有 サーバ |
1台の物理サーバを複数ユーザーで共有する | ・価格が安い
・初心者でも利用しやすい |
・他のユーザーの影響を受けやすい
・利用できる機能が限定されている |
専用 サーバ |
1台の物理サーバを独占して利用する | ・カスタマイズ性が高い
・他のユーザーの影響を受けない |
・価格が高い
・初心者には利用しにくい |
仮想専用 サーバ |
1台の物理サーバを複数の仮想マシンに分け、各ユーザーが専用サーバのように利用する | ・価格が安い
・カスタマイズ性が高い ・他のユーザーの影響を受けない |
・初心者には利用しにくい |
ハウジングとホスティングの違い
ここまで、ハウジングとホスティングの特徴をご紹介しました。では、この2つのサービスを利用するにあたって、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
ここからは、ハウジングとホスティングの主な違いを見ていきましょう。
利用開始までの期間
ハウジングとホスティングでは、利用を開始するまでの期間に違いがでる場合があります。基本的には同程度の期間で利用を開始できますが、ホスティングのなかでも共有サーバを選択した場合は、ハウジングよりもスピーディーに利用の開始が可能です。
構築の手間
ホスティングの共有サーバを利用する場合、サーバの構築やメンテナンスは必要ありません。一方でハウジングや、ホスティングの専用サーバと仮想専用サーバは、構築やメンテナンスが必要です。
カスタマイズ性
ハウジングとホスティングでは、カスタマイズの自由度に差があります。ホスティングでも専用サーバや仮想専用サーバであれば比較的自由にカスタマイズできますが、ハウジングはサーバの種類から自由に選択が可能です。さらに、ホスティングでは難しい複数のサーバとの連携にも対応できます。
コスト面
ハウジングとホスティングの共有サーバでは、初期費用や月額料金にも違いがあります。ハウジングはサーバ購入やネットワーク機器の準備にコストがかかりますが、ホスティングの共有サーバにそのようなコストは不要です。さらに、ホスティングの共有サーバは月額料金も低く設定されている場合が多くあります。
ハウジングが向いているケース
ここからは、ハウジングとホスティングのどちらを選ぶべきか迷っている企業に向けて、ハウジングが向いているケースをご紹介します。
所有しているサーバを継続して使用したい場合
すでに自社でサーバを所有しており、それを継続して使いたい場合はハウジングが向いています。ハウジングなら運用中の自社サーバの設定を引き継げるため、よりセキュリティ体制の整ったデータセンターで機密データを安全に管理することが可能です。
また、自社サーバをデータセンターに預けることで、自社内のサーバルームを撤去できます。自社サーバを使用し続けたいものの、社内スペースを有効活用したいと考えている場合にもハウジングがおすすめです。
自社でサーバの保守管理をおこないたい場合
サーバに関する専門知識を有する社員が在籍していて、可能な限りは自社でサーバの保守管理をしたいと考えている場合はハウジングが向いているでしょう。ハウジングならサーバの種類の選定から構築、保守管理まで自社での対応となり、ある程度自由にサーバの保守管理をおこなえます。
さらに、複数のサーバと連携したり特殊なサーバ構成に対応したりできるため、カスタマイズ性を重視する場合にもハウジングがおすすめです。
ホスティングが向いているケース
続いて、ホスティングが向いているケースを見ていきましょう。ホスティングが向いているケースは、以下の2つです。
サーバを所有していない場合
まだ自社サーバを所有していない場合は、ホスティングが向いています。ホスティングであればサーバの購入費用が不要になり、初期投資を抑えることが可能です。
また、ホスティングの共有サーバは月額料金が安く設定されている場合が多く、サーバ運用にかかるコストを最大限に抑えたい場合にもホスティングが向いているでしょう。
サーバの保守管理にかかる工数やコストを抑えたい場合
社内にサーバに関する専門知識を有する社員がいない場合は、システムの設計や構築などをトータルでサポートしてもらえるホスティングがおすすめです。サーバの保守管理には、工数やコストもかかります。ホスティングを利用して専門のスタッフに任せましょう。
さらにホスティングであれば万が一トラブルや不具合が起こった際にも対応を任せられます。サーバに関する知識や経験が乏しい場合や、これからサーバ運用を始める場合はハウジングよりもホスティングをおすすめします。
まとめ
ハウジングとホスティングは、どちらもサーバの管理を外部に委託するサービスです。ただし、ハウジングがサーバを設置するためのラックや電源を貸し出すサービスであるのに対し、ホスティングはデータセンター内にあるサーバやネットワーク機器を貸し出すサービスとなり、それぞれ特徴や費用が異なります。ハウジングもしくはホスティングの利用を検討している場合は、2つのサービスの違いを理解したうえで自社に合うサービスを選定しましょう。
大阪市内にデータセンターを持つオプテージは、ハウジングとホスティングの2つのサービスを提供しています。また、お客さまからお預かりしているシステムを監視・サポートするマネージメントサービスも用意しており、多様なニーズにお応えすることが可能です。ノウハウを活かした高品質かつ低価格なハウジングおよびホスティングについて、詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
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