KCSとは?コンタクトセンター運営に必要な理由や活用メリットを紹介

KCSとは?コンタクトセンター運営に必要な理由や活用メリットを紹介

コンタクトセンター運営において重要視されるのは、お客さまの問い合わせに迅速に対応し、解決に導くことです。しかし、実際にはFAQの不整備や業務の属人化など、ノウハウの共有や業務効率化に課題を抱えるコンタクトセンターも少なくありません。そこで活用したいのがKCSです。
本記事ではKCSの概要や必要とされる理由、活用メリットをご紹介します。コンタクトセンター運営にお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。

Contents

KCSとは

KCSとは

KCSとは"Knowledge-Centered Service(ナレッジセンターサービス)"の略称で、ナレッジをとらえて、構造化し、再利用し、改善するという一連の実践プロセスです。ナレッジを直訳すると「知識、知見」となりますが、KCSにおけるナレッジには「経験、ノウハウ」といった意味合いがあります。

KCSはアメリカのNPO「Consortium for Service Innovation(サービスイノベーション・コンソーシアム)」が発表した方法論であり、組織内で経験やノウハウを共有し、それを活用して問題解決の効率を向上させることが目的です。一般的にはコンタクトセンター運営に活用されており、顧客満足度の向上を実現しています。

KCSが必要な理由

KCSが必要とされるようになった背景に、コンタクトセンターで発生する問題の複雑化が挙げられます。企業や店舗で取り扱う商品やサービスの増加にともない、コンタクトセンターに寄せられる問い合わせも複雑化しており、問い合わせ対応の仕組みの見直しが必要となっているのです。

KCSを活用すれば経験やノウハウを組織内で共有しやすくなり、問い合わせ対応の業務効率化を図れます。その結果、業務の属人化の防止や、オペレーターの離職率の改善にも効果が期待できるでしょう。

KCSを活用するメリット4つ

KCSを活用するメリット4つ

ここからは、KCSを活用するメリットを見ていきましょう。コンタクトセンター運営にKCSを活用すると、以下の4つのメリットを享受できます。

ナレッジを蓄積できる

KCSを活用する大きなメリットは、ナレッジを蓄積できることです。通常は何度も問い合わせのあった問題のみナレッジとして蓄積していましたが、KCSでは初めて発生した問題は全てコンテンツ化されます。

これにより、ナレッジの蓄積スピードが圧倒的に早くなり、社内に蓄積されるナレッジ量も増加します。

業務効率化を図れる

全てのナレッジが蓄積されていることで、問い合わせ対応における無駄を省くことが可能です。コンテンツ化された過去のナレッジを検索すれば、上司に判断を仰いだり、一から対応を検討する必要がなくなるので、コンタクトセンター業務の効率化を図れます。

また、一次対応の段階で問い合わせが終了するケースが増えるため、上席者の負担を減らすことにもつながるでしょう。

業務の属人化を防止できる

KCSの活用によって対応者の経験やノウハウを共有できれば、業務の属人化を防止できます。KCSでは全ての問い合わせがコンテンツ化されるため、次回の問い合わせはナレッジベースでの回答が可能です。

ナレッジベースで回答できるようになれば、複雑な問い合わせ対応業務の難易度が下がり、新人でも対応しやすくなるでしょう。

ナレッジベースとは可視化したナレッジを蓄積し、他の従業員も活用できるようにデータベース化したもの。

顧客満足度が向上する

コンタクトセンターの業務効率化や属人化の防止は、顧客満足度の向上につながります。KCSを活用することでお客さまの問い合わせに迅速に対応でき、オペレーターごとの応対の質も統一されればリピーターの増加も期待できるでしょう。

KCSのプロセスには2種類ある

KCSのプロセスには2種類ある

次は、KCSの具体的なプロセスについて確認しましょう。KCSは「SOLVE(解決ループ)」と「EVOLVE(発展ループ)」の2つのループからなるダブルループプロセスに沿って進めていきます。

SOLVEとEVOLVEの2種類のプロセスの詳細は、以下のとおりです。

SOLVE(解決ループ)

SOLVE(解決ループ)は個人レベルでの問題解決のプロセスを指しており、以下4つのステップで構成されています。

  1. 問題をとらえる
  2. ナレッジを構造化する
  3. ナレッジを再利用する
  4. 改善する

SOLVEはオペレーターが個人で実施するプロセスで、問題をとらえて処理方法を考えるところからスタートします。その後、ナレッジのもととなる問い合わせ内容や解決策をまとめて情報を整理し、ナレッジを構造化しましょう。その構造化されたナレッジを活用し、再利用する段階で追記しつつ、少しずつ品質を高めていきます。

基本的に、ナレッジベースの大半は再利用されません。そのためナレッジベース全体を見直すのではなく、再利用する際に肉付けしていくことが業務効率化の近道です。ただし、SOLVEだけではKCSがうまく機能しない場合もあるため、次に紹介するEVOLVEの観点も併せ持っておきましょう。

EVOLVE(発展ループ)

EVOLVE(発展ループ)とは、組織レベルでの品質向上のプロセスです。SOLVEと同様に、EVOLVEも4つのステップで構成されています。

  1. コンテンツを健全に保つ
  2. 利用拡大を図る
  3. 実績を評価する
  4. リーダーシップを発揮しながらコミュニケーションを図る

EVOLVEは組織全体で実施するプロセスで、コンテンツの保全を図るところから始めていきます。例えば、管理ツールなどを導入してコンテンツを健全に保ち、誰にとっても使いやすいナレッジベースを作成して利用拡大を図りましょう。

続いて、ナレッジの作成や改善に貢献したオペレーターを評価し、KCSを定着させるためにコミュニケーションを取っていきます。そのなかで組織のリーダーはリーダーシップを発揮し、目的達成へと導くことが重要です。

KCS導入における課題と対策

KCS導入における課題と対策

KCSはSOLVEとEVOLVEの2つのループからなるダブルループプロセスに沿って進めていくと述べましたが、これを実行するにはどうしてもオペレーターに負担がかかってしまいます。

オペレーターの負担を減らすには、音声テキスト化機能や自動要約機能があるツールを導入して、全ての問い合わせをナレッジとして蓄積するのがおすすめです。これらのツールは問い合わせ業務の後処理にかかる手間や時間の削減に役立ち、KCSに充てる時間を捻出できます。

また、KCSを活用するにはオペレーターへの周知と研修も欠かせません。組織としてはもちろん、個人レベルでの対応も重要になるので、ナレッジの構造化や改善方法に関する研修をおこなってください。あわせてKCSをサポートするツールの導入を検討し、オペレーターの負担増に配慮しながらコンタクトセンター運営の業務効率化を図りましょう。

まとめ

まとめ

KCSはアメリカのNPOが発表した方法論であり、組織内で経験やノウハウを共有することで業務効率化を図り、企業価値や顧客満足度の向上を目指す実践プロセスです。

KCSはそれぞれ4つのステップで構成されるSOLVE(解決ループ)とEVOLVE(発展ループ)のダブルループプロセスに沿って進めていきますが、特に個人レベルでの問題解決のプロセスであるSOLVEを実施するにはオペレーターに大きな負担がかかってしまいます。

そこでおすすめなのが、オプテージが提供するオペレーター支援ツール「Enour CallAssistant(エナー コールアシスタント)」です。このツールにはオペレーターとお客さまの会話をリアルタイムでテキスト化する音声テキスト化機能に加え、テキスト化された会話内容から回答候補を検索・表示するFAQレコメンドなど、オペレーターの応対や後処理にかかる負担を軽減する機能があります。KCSとツール導入を併用すれば、通話内容の全文テキスト化によってナレッジ作成の負担を軽減するほか、作成したナレッジがオペレーターの応対を補助してくれます。結果的にオペレーターの負担が減り、KCSの取り組みをより一層効果的なものにできるでしょう。

KCSの活用を検討している方は、ぜひオプテージまでお気軽にお問い合わせください。

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著者 OPTAGE for Business コラム編集部

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