- 公開日:2024年08月14日
- 更新日:2025年05月26日
ノーコードとローコードとは?違いや活用シーン、メリットや注意ポイントを紹介

「2025年の崖」といわれるIT人材不足への懸念が高まるなか、注目を集めているのが「ノーコード」や「ローコード」といった開発手法です。これらは、専門的なプログラミング知識がなくてもアプリ開発を実現できる手段として注目されています。
本記事では、ノーコードとローコードの違いや活用方法、メリット・デメリットについて紹介します。
ノーコード・ローコードとは

ここではノーコードとローコードの違いについて紹介します。
ノーコードとは
ノーコードとは、ソースコードを一切書かずにアプリケーションを開発できる手法です。専門的なプログラミング知識がなくても、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でアプリ開発ができます。
あらかじめ用意されたテンプレートや機能のなかから選んで組み立てるスタイルのため、誰でも短時間で開発が可能です。こうした手軽さから注目を集めており、社内の業務改善や簡易なアプリ開発など、ビジネスの現場でも活用が広がっています。
ローコードとは
ローコードとは、最小限のソースコード入力でアプリケーションを開発できる手法です。基本はノーコードと同様に直感的な操作で進められますが、必要に応じて一部ソースコードを記述することで、より柔軟なカスタマイズが可能になります。この拡張性の高さから「高速開発」や「超高速開発」とも呼ばれており、業務の複雑な要件にも対応しやすい点が特徴です。
ただし、一定レベルのプログラミング知識やシステムに関する理解が求められます。状況に応じて、ITの知識を持つメンバーの協力が必要となる場面も出てくるでしょう。
ノーコードとローコードの違い
ノーコードとローコードの大きな違いは、アプリ開発にどれだけプログラミングの知識が求められるかという点にあります。ノーコードは、ソースコードを一切書かずに直感的な操作で開発できるため、ITに不慣れな方でも扱いやすいのが特徴です。
一方のローコードは、一部にプログラミングが必要となるものの、その分カスタマイズ性に優れており、複雑な機能の実装や柔軟な設定が可能になります。
以下は、ノーコードとローコードの違いを比較した表です。
項目 | ノーコード | ローコード |
---|---|---|
プログラミング知識 | 不要 | 最低限必要 |
操作方法 | ドラッグ&ドロップなど直感的な操作 | 一部にソースコード入力が必要 |
カスタマイズ性 | やや限定的 | 高い。柔軟な開発が可能 |
開発スピード | 非常に速い | 速い |
向いている用途 | 簡易な業務アプリ、問い合わせフォーム、社内ツールなど | 業務フローの自動化、社内システム、研修サイト構築など |
これらの違いを踏まえ、メンバーのITスキルや使用用途に応じて、ノーコードかローコードのどちらを選ぶか検討するとよいでしょう。
ノーコード・ローコードのメリット

ここでは、ノーコードとローコードのメリットについて紹介します。
専門知識がなくてもアプリ開発ができる
ノーコードやローコードの最大の魅力は、専門的なプログラミング知識がなくてもアプリ開発ができることです。特にノーコードは、ソースコードを一切書かずに、画面上の操作だけでアプリケーションを作成できるため、ITに詳しくない人でも扱いやすいという特徴があります。
また、業務担当者自身が現場の課題に応じたアプリケーションを作れるようになると、開発を外注せずに済むケースも増え、業務改善のスピードアップにもつながります。
開発にかかるコストの削減
ノーコードやローコードを活用することで、専門的なエンジニアを確保しなくてもアプリ開発が可能になります。これにより、高度なスキルを持つ人材を採用・外注する必要がなくなり、人件費を大きく抑えることができます。
また、直感的な操作で開発を進められるため、開発期間も短縮でき、工期の短さがそのままコスト削減につながる点も大きなメリットです。
短期間でのアプリ開発
通常のアプリ開発では、要件定義や設計、実装など複数の工程を経るため、一定の時間がかかります。しかしノーコードやローコードでは、あらかじめ用意された機能やテンプレートを活用でき、ゼロから開発する手間が省けます。
その結果、開発フェーズの多くを効率化でき、短期間でのアプリケーションの完成が可能になります。特にスピードが求められる業務改善やテスト導入などにおいて、迅速な開発は大きな強みとなるでしょう。
導入前に知っておきたいノーコード・ローコードのデメリット

ここまで、ノーコード・ローコードのメリットについて紹介してきましたが、導入にあたっては注意すべき点もあります。ここでは、事前に知っておきたいノーコード・ローコードの注意点について解説します。
大規模・複雑な開発には不向き
ノーコードやローコードは、あらかじめ用意された機能やテンプレートをもとにアプリケーションを作成する仕組みのため、複数のサービスやシステムを組み合わせるような大規模・複雑な開発にはあまり適していません。細かな要件定義や特殊な処理を必要とする場合、制約が多くなる可能性があります。
また、利用するプラットフォームによって提供される機能が異なるため、事前に目的に合ったツールかどうかをしっかり見極める必要があります。ツール選定の段階でも一定の検討時間が求められる点には注意が必要です。
拡張性・保守性に限界がある
ノーコードやローコードでは、提供される機能や操作画面の範囲でアプリケーションを構築するため、細かいカスタマイズや複雑な処理を加えるのが難しい場合があります。一般的なプログラミング開発であれば、ソースコードを編集して機能の追加や構成の変更が柔軟に行えますが、こうした自由度は限られます。
また、導入後に仕様変更や機能の拡張が必要になった際、対応できる内容に制約が生じやすく、継続的な保守や改善を重視するシステムには不向きとなるケースもあります。
プラットフォームへの依存リスク
ノーコードやローコードを用いた開発は、特定のプラットフォーム上で提供される機能を使ってアプリケーションを構築するため、どうしてもその環境に依存しやすくなります。サービスの仕様変更や提供終了などが起きた場合、自社のシステムにも影響が及ぶ可能性がある点には注意が必要です。
また、セキュリティ対策についてもプラットフォーム側に委ねられる部分が多いため、企業が完全にコントロールできないこともあります。導入前には、提供元のサポート体制やセキュリティ対策の内容を十分に確認しておくことが重要です。
ノーコード・ローコードどちらがおすすめ?

ここまで、ノーコードとローコードについて紹介してきましたが、実際にどちらを選べばよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは、それぞれの手法が向いている利用シーンやケースについて紹介します。
ノーコードがおすすめの場合
ノーコードは、プログラミングの知識を持っていなくても簡単にアプリケーションやWebサイトを作成できるため、ITスキルに自信がない方に適しています。例えば、マーケティング担当者がキャンペーン用のランディングページを作成したり、バックオフィス担当者が業務効率化のための申請フォームを構築したりと、非エンジニアでも活用しやすいのが特徴です。
また、小規模ビジネスを展開する個人事業主が、自社のECサイトや問い合わせフォームを手軽に構築するケースも増えています。業務アプリや社内ツールの作成にも対応したノーコードツールが多く登場しており、幅広い用途で活用できます。
ローコードがおすすめの場合
ローコードは、一部にプログラミングを取り入れながら柔軟な開発が行えるため、ある程度のITスキルや業務理解を持つ方に適しています。例えば、情シス担当者が業務フローの自動化アプリを構築したり、企画部門の担当者が社内研修サイトを作成したりと、実務に即した開発が可能です。
また、エンジニアとの協業によって、より高度な機能や複雑なロジックを取り入れたアプリケーションの作成も可能です。外注に頼らず、社内で内製化を進めたい企業にとっても、コスト削減とスピード感を両立できる有力な手段となるでしょう。
まとめ

人材不足が深刻化するなか、ノーコード・ローコード開発は中小企業にとっても強力な味方です。 特に、社内で簡単な業務アプリを内製化したり、業務改善をスピーディに進めたいと考える企業にとっては、導入価値の高い選択肢といえるでしょう。
ただし、どのツールを使うか、どの範囲まで内製するかは慎重に判断する必要があります。ツール選定や導入サポートまでトータルで支援してくれるサービスを活用するのもひとつの手です。
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ノーコード・ローコードについて、導入の進め方や活用方法に不安がある場合は、オプテージまでお気軽にご相談ください。
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