- 公開日:2024年05月22日
コールセンターのあふれ呼とは?発生する原因や4つの対策を紹介
コールセンターへの電話が集中して回線数を上回ってしまい、電話がつながらない状態を「あふれ呼(あふれこ)」といいます。あふれ呼はコールセンターの大きな課題であり、早急な対策が必要です。
そこで本記事では、コールセンターのあふれ呼が発生する原因や、引き起こされる問題、具体的な対策までを詳しくご紹介します。
あふれ呼とは
あふれ呼(あふれこ)とは、コールセンターにお問い合わせ電話が集中し、電話がつながらない状態のことです。"対応からあふれたコール"に由来し、電話の回線数よりも入電数が上回ることで発生します。
あふれ呼が発生すると、「回線が混み合っております」「しばらくお待ちください」といったガイダンスが続き、なかなかオペレーターにつながりません。あふれ呼は顧客満足度やブランドイメージに直結する大きな課題であり、多くの企業が頭を悩ませている問題です。
待ち呼・放棄呼との違い
あふれ呼と似た用語に、「待ち呼(まちこ)」「放棄呼(ほうきこ)」の2つがあります。待ち呼と放棄呼は、どちらもあふれ呼にともなって発生しやすいものです。
待ち呼
待ち呼とは、お問い合わせ電話が集中してオペレーターにつながらずに利用者が待っている状態のことです。待ち呼とあふれ呼は基本的には同じ意味で用いられ、コールセンターの現場では「待ち呼は○件です」と表現されることもあります。
放棄呼
放棄呼とは、対応できるオペレーターがいない場合や、オペレーターにつながるまでに時間や手間がかかった場合に、利用者が途中で電話を切断することを指します。あふれ呼や待ち呼が発生することで、放棄呼につながる場合も少なくありません。
あふれ呼が発生する原因
ここからは、あふれ呼が起こる原因について見ていきましょう。あふれ呼が発生する主な原因は、以下の5つです。
一時的に入電が増加するタイミングがある
常にあふれ呼が発生しているわけではなく、休日明けや新商品の先行発売、期間限定キャンペーンの開催時期などに一時的に入電数が増加することがあります。また、仕事の休憩時間であるお昼の時間帯や、仕事終わりの夕方などのタイミングにもあふれ呼が発生しがちです。
コールセンターの規模が見合っていない
時期や時間帯に関係なくあふれ呼が発生している場合は、入電数とコールセンターの規模が見合っていない可能性があります。また、電話の回線数不足によってあふれ呼が発生している場合もあるため、人員とリソースの見直しが必要です。
電話対応が効率化されていない
お問い合わせ対応が効率化されておらず、1件あたりの対応時間が長くなってしまっている場合にもあふれ呼が起こります。コールセンター業務を効率化する方法はさまざまですが、応対内容を自動で要約する機能を備えたツールや、通話からFAQを自動で抽出する機能のあるサービスの利用によって応対効率が改善され、あふれ呼を解決できる可能性があります。
電話以外のお問い合わせ方法がない
電話サポート以外のお問い合わせ方法が用意されていない場合も挙げられます。近年、電話以外にメールやチャットサポートなど、複数のお問い合わせ手段を設けている企業は少なくありません。しかし、電話以外のお問い合わせ方法がない場合、入電数が多くなることは避けられないでしょう。
FAQが更新されていない
公式サイトにFAQをまとめたページを用意しているものの、長期間更新されておらず疑問を解消できない場合、利用者は電話などで問い合わせをするしかありません。FAQの整備はあふれ呼の解消につながります。新商品やサービスを展開するタイミングはもちろんのこと、定期的な更新が必要です。
あふれ呼が引き起こす問題
コールセンターの大きな課題であるあふれ呼。では、あふれ呼が起こると具体的にどのような問題が発生するのでしょうか。ここからは、あふれ呼が引き起こす問題を見ていきましょう。
顧客満足度の低下
なかなか電話がつながらず、疑問を解消できない状況が続くと、利用者は大きな不満を抱えます。その結果、商品やサービスにマイナスイメージを与えてしまい、顧客満足度の低下を引き起こしかねません。
ブランドイメージの低下
あふれ呼の問題点は、顧客満足度のみならずブランドイメージまで低下させてしまうことです。電話がつながらない状況が顧客をないがしろにしているイメージに結び付き、ブランドに対する不信感につながる可能性があります。
オペレーターの負担増加
あふれ呼は利用者だけでなく、オペレーターにも悪影響を及ぼします。長時間電話がつながらなかった利用者からクレームを受けたり、あふれ呼を気にしながらお問い合わせ対応をしたりと、心身ともに疲弊してしまうオペレーターも少なくありません。
オペレーターの負担増加は離職に直結します。離職率を下げるためにも、あふれ呼を解消し、オペレーターの負担軽減に努める必要があるでしょう。
あふれ呼に有効な4つの対策
あふれ呼が発生する原因や、あふれ呼が引き起こす問題を押さえたうえで、今すぐ講じたい有効な対策を確認しましょう。
電話以外のお問い合わせ方法を整備する
お問い合わせ方法を電話に限定している場合は、電話以外のサポート方法を用意しましょう。問い合わせチャネルには電話以外にもメールやFAQなど、さまざまな方法があります。そのなかでも特におすすめしたいのは、AIが自動回答をおこなうAIチャットの導入です。
AIチャットとはチャットボットにAIを搭載したツールのことで、24時間365日体制のお問い合わせ対応を実現します。チャット形式のAIチャットは、いつでも気軽にお問い合わせできるため利用者にとって利便性が高いうえに、オペレーター不足に悩む企業にとってもメリットをもたらすでしょう。
オペレーター業務を効率化するツールを活用する
AIチャットのほかに、自動要約やFAQレコメンドなどの機能を備えた便利なツールの活用も視野に入れましょう。近年、オペレーター業務を効率化するツールが多数登場しており、1件あたりのお問い合わせ対応にかかる時間の短縮や、的確な回答のサポートによって応対品質のバラつきを改善できるようになってきています。
ただし、これらのツールを活用するにはオペレーターの研修が必須です。また、一度に複数のツールを導入すると現場の混乱を招くため、最初は必要な機能を厳選して取り入れることをおすすめします。
アウトソーシングを利用する
休日明けやキャンペーンのタイミングなど、一時的にお問い合わせの増加が予想される場合は、アウトソーシングの利用も一つの手です。アウトソーシングとは、業務の一部を外部に委託することを指します。
あふれ呼が発生しそうなタイミングに合わせてアウトソーシングを利用すれば、あふれ呼を避けられるうえにオペレーターの負担も軽減できるでしょう。
お問い合わせ傾向に合わせて人員配置を最適化する
無駄な人員配置はコストがかさむ原因になるため、適正なオペレーター数の把握が必須です。常にあふれ呼が発生している場合は、お問い合わせや入電数の傾向に応じた人員配置の最適化をおこなうとともに、明らかに人員が不足していればオペレーターの増員も検討しましょう。
まとめ
コールセンターのあふれ呼は、顧客満足度やブランドイメージの低下を引き起こしかねない大きな問題です。あふれ呼が発生している場合はそのまま放置せず、早急に対策を講じましょう。
あふれ呼の対策はさまざまですが、なかでも、AIチャットや自動要約、FAQレコメンドをはじめとするオペレーター業務を効率化するツールの活用がおすすめです。
オプテージではノンチューニングで高い回答精度を誇る「Enour AI ChatSupport(AIチャット)」や、自動要約やFAQレコメンドなどの機能を備えた「Enour CallAssistant(オペレーター支援)」を用意しており、それぞれトライアルでの効果検証なども可能です。初期対応はAIチャットに任せてオペレーターの負担を軽減し、自動要約で1件あたりの処理時間を短縮、一時的に入電数が増えるタイミングや不慣れな新人オペレーターが増える時期にはFAQレコメンドを活用するなど、コールセンター業務の効率化を図りましょう。
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