- 公開日:2024年07月17日
Wi-Fi 7とは?特徴や企業が利用するメリット、注意点をわかりやすく解説
2023年12月、Wi-Fi 7の利用が正式に解禁されました。Wi-Fi 7は現時点で最新のWi-Fi規格であり、従来のWi-Fi以上の高速通信を実現できます。
本記事ではWi-Fi 7の概要や企業が利用するメリット、注意点などをまとめて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
Wi-Fi 7とは
2023年12月22日、総務省が電波法施行規則を一部改正しました。これにより、新たな無線LANの通信規格であるWi-Fi 7こと、IEEE 802.11beの利用が認可されました。
Wi-Fi 7はWi-Fi 6Eに次ぐ最新のWi-Fi規格であり、遅延や通信効率が改善されています。すでに複数のメーカーがWi-Fi 7に対応したルータの開発・販売を開始しているので、Wi-Fi 7の導入を検討しはじめている企業も多いでしょう。
Wi-Fi 7の特徴
Wi-Fi 7の最大の特徴は、Wi-Fi 6E以上の高速通信を実現できることです。総務省が発表した資料「IEEE 802.11be(Wi-Fi 7)の導入について」を確認すると、Wi-Fi 7の最大通信速度(理論値)は46Gbps※と記載されています。この46Gbpsという速度は、Wi-Fi 6およびWi-Fi 6Eの9.6Gbpsの約4.8倍です。
また、セキュリティについては「WPA3」と呼ばれるWi-Fi 6と同様の技術規格が採用されています。2024年現在、WPA3は最高のセキュリティを誇る技術規格であり、万が一パスワードを破られたとしてもWi-Fiの暗号化の解除を防止することが可能です。
さらに、WPA3にはEasy Connect機能が搭載されており、QRコードをスキャンするだけで簡単にIoT機器をWi-Fiへと接続できるメリットもあります。
※日本では5GHzで240MHzが利用できないため、制約がございます。
Wi-Fi 7に採用された新技術
Wi-Fi 7には、「4K-QAM(4096QAM)」と「MLO(Multi Link Operation)」の2つの新技術が採用されています。2つの新技術の概要は、以下のとおりです。
4K-QAM(4096QAM)
4K-QAM(4096QAM)とは、Wi-Fi通信においてデジタルデータを電波に変換する変調技術のひとつです。Wi-Fi 6Eで採用された1K-QAM方式と比較すると、伝送できる情報量が1.2倍に増えています。その結果、通信の高速化および安定化の実現が可能になりました。
MLO(Multi Link Operation)
MLO(Multi Link Operation)とは、複数の周波数帯にまたがってデータを伝送するマルチリンク機能のことです。通常、Wi-Fiは1つの周波数帯を選択して接続する仕組みになっていますが、MLO機能があれば2.4GHz・5GHz・6GHz帯から複数の周波数帯を利用した通信を実現できます。最適な周波数帯が自動で選択されるので、より高速かつ安定した通信が見込めるでしょう。
Wi-Fi 7を企業が利用するメリット
ここでは、企業がWi-Fi 7を利用するメリットをご紹介します。Wi-Fi 7の導入を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。
高速通信を実現できる
Wi-Fi 7を利用することで、従来のWi-Fi以上の高速通信を実現できます。Wi-Fi 7の最大通信速度(理論値)はWi-Fi 6およびWi-Fi 6Eの約4.8倍であり、これまで以上に快適な通信を叶えることが可能です。
また、Wi-Fi 7はWi-Fi 6Eと同様に2.4GHz・5GHz・6GHzの3つの周波数帯を使用できますが、6GHz帯の帯域幅が320MHz追加されました。この帯域幅の追加によって、通信速度が速くなるだけでなく、データ転送量も増加します。
より多くの端末の同時通信ができる
Wi-Fi 7に採用された新技術のMLO機能によって、より多くの端末の同時通信が可能になります。従来は一度の通信で1つの機器のみと通信を行うことが基本でしたが、MLO機能を搭載したWi-Fi 7では通信速度を維持したまま、複数の端末の同時通信を行えるようになりました。
複数の端末を活用する企業にとって、このメリットは非常に魅力的なポイントでしょう。
低レイテンシーを実現できる
Wi-Fi 7は自動的に最適な周波数帯を選択するため、レイテンシーが改善されて快適な通信の実現が可能です。
レイテンシーが改善されると、安定した接続環境を必要とするWeb会議やオンラインゲーム、UHD動画、VRおよびARなども遅延なく利用できるようになるでしょう。
急いで導入する必要はない?Wi-Fi 7に関する留意点
高速通信や低レイテンシーの実現など、Wi-Fi 7にはさまざまなメリットがあります。それらのメリットに魅力を感じ、早急にWi-Fi 7を導入したいと考えている企業も多いでしょう。しかし、現段階ではWi-Fi 7に対応している端末は日本ではまだ少ないことが現実です。
ただし、Wi-Fi 7に対応しているルータは続々と登場しており、今後Wi-Fi 7対応端末も発表されることが予想されるので、今のうちにWi-Fi 7対応ルータを準備しておいても損はないでしょう。
Wi-Fi 7を利用する方法
Wi-Fi 7を利用するには、Wi-Fi 7に対応したルータと端末を用意する必要があります。まだ数が限られてはいるものの、Wi-Fi 7対応のスマートフォンの発売も開始されました。また、PCに関しては日本でWi-Fi 7の認可がおりた後に国内で発表されたWi-Fi 7対応製品であれば、Wi-Fi 7に対応しています。
まとめ
Wi-Fi 7はWi-Fi 6Eに次ぐ最新のWi-Fi規格であり、これまで以上の高速通信と低レイテンシーを実現できると注目を浴びています。また、セキュリティレベルはそのままに、より多くの端末の同時通信も可能です。
Wi-Fi 7を利用するには、まずWi-Fi 7に対応したルータを準備する必要があります。とはいえ、Wi-Fi 7に対応している端末はまだまだ多くはないため、急いで準備する必要はありません。いくつかのWi-Fi 7対応ルータを比較したうえで、じっくり検討しましょう。
なお、オプテージでもWi-Fi 7に対応したメッシュWi-Fiをレンタルできる「Wi-Fiルータレンタルサービス」があります。Wi-Fiルータレンタルサービスの詳細は、以下のページでご確認ください。
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