企業が直面するクラウド運用の課題と対策をわかりやすく解説!

企業が直面するクラウド運用の課題と対策をわかりやすく解説!

企業のクラウド導入が加速するなか、クラウド運用における課題も多くなっています。クラウドはコスト削減や運用負荷の軽減といった利点がありますが、一方で人材不足やナレッジ不足、コスト管理など、運用にともなうさまざまな課題が浮上しています。
本記事では、クラウド運用の現状と課題を明らかにし、効率的な運用を実現するための対策を紹介します。クラウド運用の最適化を探るためのヒントになりましたら幸いです。

Contents

クラウド運用に必要なタスクとは

昨今、多くの企業で社内システムをクラウドに移行するケースが増えています。これまでのオンプレミスでの運用では、自社においてハードウェアの維持管理からソフトウェアの更新やパッチ適用、セキュリティ対策などを実施する必要がありました。クラウド移行後の運用ではどのようなタスクがあるのでしょうか。ここでは、企業におけるクラウド利用の状況と、クラウド運用に必要なタスクについて紹介します。

拡大する企業のクラウド利用

総務省のデータによると、企業のクラウド利用は年々増加しており、令和4年(2022年)には72.2%が利用しています。

クラウドを利用する理由には、「場所、機器を選ばずに利用できるから」や「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」といった点が挙げられています。

また9割近い企業が、クラウド利用の効果があったと回答しています。

出典:令和4年通信利用動向調査ポイント(総務省)

クラウドのメリットとしては、初期コストの低減、リソースの柔軟なスケーリング、災害時のデータ保護と迅速な復旧、運用管理の負担軽減などが挙げられます。また、クラウドはリモートワークの促進や事業推進のスピード向上といった効果もあり、企業の競争力強化も期待できます。
このように、クラウドは、単なるコスト削減手段に留まらず、企業の成長戦略を支える重要な手段といえます。

クラウド運用に必要なタスクとは

クラウド運用とは、クラウド上のリソースを効果的に管理し、安定したシステム運用を実現するための一連の活動を指します。

具体的にどのようなタスクが必要なのか、IaaSの運用でみていきましょう。

まず、クラウド上のサーバの監視、障害連絡、また障害発生時の一次対応として、OSの再起動や障害の切り分けがあります。これに加え、ログの確認や原因調査、システムのリストアなどのより高度な二次対応や、セキュリティパッチの適用、設定変更といった定期的なメンテナンス作業も含まれます。

オンプレミスでの運用では、ハードウェアの維持管理や障害対応が必要でしたが、クラウドの場合、ハードウェアの範囲はクラウド事業者側で実施するため不要となります。

一方で、クラウド運用として必要となるタスクもあります。
クラウドには、サーバ構築やリソース追加が容易にできるというメリットがありますが、その分、パフォーマンス管理やリソース管理、コスト管理が非常に重要なタスクとなります。

これらのクラウド運用を日々確実に行うことにより、システムのパフォーマンス向上と迅速な障害対応・セキュリティ対応が実現でき、企業のIT基盤の信頼性の向上へとつながることでしょう。

クラウド運用での課題

クラウド導入が進む一方で、情報システム担当者のクラウド運用の業務負荷が想定以上に増大しているケースが少なくありません。ここでは、クラウド運用業務で企業が直面している課題について紹介します。

人材不足

クラウド運用において最も大きな課題の一つは、人材不足です。

クラウド技術を持つ専門的な人材の確保は容易ではなく、既存のスタッフに依存するケースが多くなっています。この属人化は、業務の効率を低下させるだけでなく、退職や異動によるリスクを増大させるきっかけとなる可能性もあります。

また、ECサイトなどの24時間365日稼働が求められるシステムでは、夜間を含め終日監視や障害対応ができる体制を用意する必要があります。障害発生時には迅速な対応が必要ですが、人手が足りず、夜間に適切な対応ができないことも少なくありません。

技術情報のナレッジ不足

もうひとつの課題が、技術情報のナレッジ不足です。

クラウド運用フェーズでは、多くの企業が、セキュリティやネットワークの安定性への不安、コスト管理の難しさなどの課題に直面しています。

クラウド利用の初期段階では順調に運用できていても、本格運用に入ると、セキュリティ対策やネットワークの信頼性に関するさまざまな課題や、コスト管理の複雑さといったクラウド特有の課題に悩まされがちです。また、相談できる適切な相手がいないために問題が解決しにくく、クラウドの利活用が進めにくい状況に陥るケースも数多く見受けられます。

また、技術情報のナレッジ蓄積をうまく進められず、システムの構成見直しやセキュリティ対策の強化が難しくなるといったケースも少なくありません。

クラウド運用の業務負荷軽減のための対策とは

ここまでクラウド運用におけるさまざまな課題をみてきましたが、それらを解決する方法の一つとして、クラウド運用を外部に委託する「クラウドマネージドサービス」があります。ここでは、「クラウドマネージドサービス」のメリットや選定のポイントについて解説します。

クラウド運用を外部委託する「クラウドマネージドサービス」

クラウドマネージドサービスは、クラウドの運用管理や保守をアウトソーシングできるサービスです。クラウドマネージドサービスでは、クラウド環境の監視、障害対応、セキュリティ管理、パフォーマンス最適化など、日常的な運用管理を包括的に支援することで、情報システム担当者の負担を軽減します。

Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureといった大手パブリッククラウドでは、さまざまな事業者からクラウドマネージドサービスが提供されています。

クラウドマネージドサービスを利用することにより、クラウド運用の効率化と安定化を図ることができるため、企業のクラウド利用をより効果的に促進する重要な手段として注目されています。

クラウドマネージドサービスを活用するメリット

クラウドマネージドサービスを活用するメリットは、日常の運用や障害対応の負担を軽減できる点です。24時間365日の監視が必要なシステムの場合、企業では体制を用意する必要があり、その人材確保は容易ではありません。

クラウドマネージドサービスを利用することにより、自社で運用体制を用意することなく、クラウドの利活用を推進できます。クラウドの利便性とパフォーマンスを最大限に引き出しつつ、情報システム担当者は、IT戦略やIT活用といったコア業務に集中できます。

クラウドマネージドサービスを選定するポイント

クラウドマネージドサービスの活用を検討する場合は、まずは自社で対応できない部分や運用管理をしてほしい部分を整理し、どの範囲をベンダーに依頼したいのか、明確にすることが重要です。そのうえで、自社で利用しているクラウドに対応したマネージドサービスがあるか確認し、最適なベンダーを選定しましょう。

現在では、さまざまなベンダーからクラウドマネージドサービスが提供されています。各社の運用支援サービスの内容と自社のニーズをしっかりと比較し、最適なサービスを選ぶことがクラウド運用の成功には不可欠です。24時間365日対応が可能かどうか、サービス対応の範囲、またサービス品質など、自社の要件に合ったベンダーを選定しましょう。

また、クラウドの導入・構築から運用までをトータルでサポートしている事業者もあります。これからクラウド移行を進めようとしている場合は、トータルでサポートが可能なベンダーも検討対象としてみてはいかがでしょうか。

さらなる「クラウド活用支援サービス」

一般的なクラウドマネージドサービスに加え、さらなるクラウド活用支援サービスを提供する事業者もあります。これは、日々の運用管理や保守に留まらず、技術的な問い合わせへの対応やクラウドのセキュリティ対策支援、改善提案などを行い、企業のクラウド運用を継続的に支援するサービスです。

専門知識を持つプロフェッショナルからクラウド運用に関する統合的な支援を受けられるため、企業は常に最新のクラウド技術を活用しつつ、クラウド戦略の最適化とシステムの安定稼働を実現することができます。

クラウド活用支援サービスにより、企業はクラウドの利便性とパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。これにより、事業戦略に沿ったクラウド運用が可能となり、自社の競争力強化にもつながるでしょう。

まとめ

本記事では、クラウド運用の課題と解決策を紹介しました。

現代のビジネス環境において、企業のITシステムの安定稼働は非常に重要です。クラウド導入が拡大するなかで、クラウドマネージドサービスは、24時間365日の対応やIT人材不足への対策を提供し、クラウド運用の効率化とITシステムの安定性を支える重要な役割を担っています。

オプテージでは、通信事業で培った運用ノウハウを活かし、「AWS for OPTAGE」「Azure for OPTAGE」などさまざまなクラウドマネージドサービスを提供しています。オプテージのクラウドマネージドサービスでは、24時間365日、監視や障害対応、セキュリティ管理など幅広く支援いたします。

また、AWSやAzureの運用でお困りの場合、クラウド活用支援としてご相談を承っています。クラウド運用の課題分析から改善提案といったシステムのライフサイクルを通した支援を、深い知識・経験を持つクラウド人材が伴走型でお客さまに寄り添い、クラウド戦略を長期的にサポートします。

クラウド運用についてお悩みのことがありましたら、ぜひオプテージまでお気軽にご相談ください。

◎製品名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。

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著者 OPTAGE for Business コラム編集部

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