EDR運用の最前線|企業が直面する課題と効果的な解決策

EDR運用の最前線|企業が直面する課題と効果的な解決策

企業へのサイバー攻撃が増加するなかで、EDR(Endpoint Detection and Response)導入の重要性が増しています。しかし、EDR運用にはアラートの正確な対応や専門的な知見を要求されるといった問題があります。
本記事では、EDR運用の問題点を明らかにし、解決策を探ります。専門家との連携、SOC(Security Operation Center)の活用、ゼロトラストモデルの導入など効果的なアプローチを紹介し、企業のセキュリティ体制強化に向けた解決策を提供します。

Contents

EDRの概要と必要性:ウイルス対策ソフトでは守れない?

EDR(Endpoint Detection and Response)は、現代の複雑なサイバー攻撃、特に新しいマルウェアやランサムウェアに対応するために開発されたセキュリティシステムです。近年のサイバー攻撃は、常に新しい手口で企業のデータやシステムを狙います。

ランサムウェア攻撃では、犯罪者が企業のデータを暗号化し、これを解除するための身代金を要求します。この暗号化により、重要なデータやシステムが利用できなくなるため、企業の業務は大きな支障を受ける可能性があります。また、Emotetのようなマルウェアは正規のメール通信に見せかけて侵入し、ネットワーク内で拡散し、セキュリティ上の問題を引き起こします。

EDRの概要と必要性:ウイルス対策ソフトでは守れない?

従来のウイルス対策ソフトウェアは、進化するサイバー攻撃に対して迅速に対応するのが難しいという現実があります。特に、新しいマルウェアやランサムウェアのような脅威は、ウイルス対策ソフトのパターンファイルが対応する前に侵入し、感染を広げる可能性があります。このような脅威に対抗するため、EDRの導入が重要となります。

EDRは攻撃を検出した後の対応に特化し、侵入したマルウェアを迅速に識別します。影響範囲を特定し、即座に対応することが可能です。このように、EDRは複雑化するサイバー攻撃に対して迅速かつ効果的な対応を行い、企業のセキュリティ体制を強化します。

EDR運用の課題

EDRの導入は、現代企業のセキュリティ強化において不可欠ですが、運用上の課題は少なくありません。専門的な知識と継続的な管理が必要であり、多くの企業が内部リソースで十分な運用をおこなうことに難しさを感じています。企業が直面する、EDR運用の課題は以下のとおりです。

継続的な対応の必要性

EDR運用の主要課題に挙げられるのが、継続的な対応の必要性です。EDRは単なるセキュリティツールではなく、攻撃検出後の即時対応を要求するシステムです。24時間365日体制での監視と、迅速な対応が求められます。攻撃発生時には、情報収集から迅速かつ適切な判断を経て、必要に応じて端末の隔離などの対応措置を講じます。

効果的なEDR運用には、これらの活動を支える十分な人的・技術的リソースの確保と準備が重要です。企業がEDRを導入する際は、管理の複雑さと継続的な監視の必要性への十分な理解が求められます。

アラート管理の負荷の大きさと対応の難しさ

EDRの運用における課題として、アラート管理にともなう負荷の大きさと対応の難しさがあります。EDRは異常な動きを検知してアラートを発しますが、これには正常な動作を装うサイバー攻撃や誤検知によるアラートも含まれる可能性があります。

これらのアラートを効率的に管理するには、高度な専門知識と技術力が必要です。EDR運用で発生する多数のアラートへの対応は、運用上の負担を大きく増加させます。このため、効率的なEDR運用には、アラートの適切な管理と迅速な対応策の策定が重要です。

セキュリティ人材の不足

セキュリティ人材の不足も、EDR運用において大きな課題です。必要な技術と専門知識を持つ人材が不足しており、企業のセキュリティ強化の障壁となっています。また、セキュリティ分野の人材需要が増加しているため、適切な人材を確保するコストも上昇しています。24時間365日の運用体制の維持には十分な人員が必須で、人材不足はEDR運用の難易度をさらに高めています。

効果的なEDR運用の実現方法

EDR運用の課題に対処するためには、適切な実行体制と戦略的な方針が必要です。効果的な運用を支援する、3つの手法は以下のとおりです。

外部専門家との連携

外部専門家との連携は、EDR運用の効率化とセキュリティ強化に欠かせない要素です。専門家の支援を受けることで、企業はアラートの正確性や精度を高めて、実際の脅威と誤検知を効果的に区別できるようになります。専門家との連携を通じて、EDRの効果を最大限に引き出し、セキュリティリスクを最小限に抑えることが可能です。

SOC(Security Operation Center)の活用

SOC(Security Operation Center)の活用も、EDR運用における重要な要素です。SOCは24時間365日の運用監視体制を構築することで、迅速な対応と継続的な監視を実現します。内部でSOCを構築する、もしくは外部のSOCサービスを利用することで、企業はセキュリティ体制を強化できます。

特に中小企業にとっては、外部SOCサービスの活用がコスト効率と実効性の高いセキュリティ対策となります。SOCサービスにより、企業はEDRの機能を最大限に活用し、サイバーセキュリティの水準を高めることが可能です。

ゼロトラストモデルの採用

ゼロトラストモデルの採用は、EDR運用において重要な役割を果たします。このモデルでは、EDRによって検出されたすべての活動を疑い、常に検証をおこないます。これにより、迅速かつ正確な脅威の識別と対応が可能です。

ゼロトラストは、特に新型のサイバー攻撃に対する効果的な防御手段です。企業のセキュリティ対策状況を定期的に評価しプロセスを改善することで、進化する脅威に柔軟に対応して、セキュリティレベルを持続的に高めることが可能となります。

まとめ

EDR運用は現代企業のサイバーセキュリティ戦略において重要な役割を果たしますが、適切な専門知識を持つ人材の不足が主な課題です。この記事では、EDR運用を効率化するための外部専門家との連携、SOCの活用、ゼロトラストモデルの採用といった解決策を紹介しました。特に、外部専門家との協力体制は、EDR運用を成功させるうえで欠かせない要素です。

オプテージのマネージドセキュリティサービスは、専門家によるEDR運用を通じて企業のサイバーセキュリティ強化に寄与します。このサービスを活用することで、EDRの管理と運用が効率化され、セキュリティリスクの低減と体制の強化が可能です。

EDR運用に関する疑問解決やサポートが必要な場合は、ぜひオプテージにご相談ください。EDRの導入から日々の運用支援、ゼロトラストモデルの構築に至るまで、総合的なサポートでお客さまの安全な業務環境を支援します。

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著者 OPTAGE for Business コラム編集部

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