- 公開日:2024年03月29日
SASEとゼロトラストの違いを徹底比較|注目される背景とビジネスメリットを紹介
従来の業務環境では、社内ネットワークを中心としたセキュリティ対策が一般的でしたが、クラウドサービスとリモートワークの普及により、セキュリティの概念を見直す必要が出てきました。
この状況では、「内部か外部か」という従来の区分けでは不十分で、「ゼロトラスト」という新しいセキュリティの概念が重要となります。また、ゼロトラストを具体的に実現する手段として、SASE(サシー)が注目されています。本記事では、ゼロトラストとSASEの違いやメリットを解説します。
ゼロトラストとは
ゼロトラストは、企業内外を問わず全ての通信を疑い、各アクセスに認証や検証を要求するセキュリティの概念です。アクセスする人の身元や場所、使用方法を厳格に検証し、必要最小限の権限とデータのみを提供します。これにより、企業はどこからのアクセスにも一貫したセキュリティポリシーを適用し、リスクを管理できます。
ゼロトラストが注目される背景
ゼロトラストの関心が高まっている背景には、クラウドサービスの普及とテレワークの増加があります。場所を問わない働き方の推進により、企業の大切な情報とそれを扱う端末が社外に出る機会が急増しました。そのため、社外に存在する企業情報と端末のセキュリティ確保が必要となり、「社内は安全、社外は危険」という従来のセキュリティ対策が現代のビジネスニーズに合わなくなっています。
ゼロトラストは、全てのアクセスを厳しく検証することで、リモート作業でも安全なアクセスを確保します。ゼロトラストによって、働く場所に関係なく、一貫したセキュリティの保護を適用できるようになります。
ゼロトラストのメリット
ゼロトラストは、全てのアクセスポイントにおいて厳格な認証と検証を行うことを基本原則としています。この原則に基づき、企業はリモートアクセスを含む全てのアクセスに対して、高度なセキュリティレベルを確保することを目指します。ゼロトラストの考え方を導入することで、企業はデータ漏えいのリスクを著しく減少させ、セキュリティリスクを最小化することができます。具体的な実装方法には、多要素認証、エンドポイントのセキュリティ強化、ネットワークセグメンテーション、そしてクラウドサービスへの安全なアクセスなどがあります。
SASE(Secure Access Service Edge)とは
SASE(Secure Access Service Edge)は、クラウド時代のセキュリティ要求に応じた新しい手法で、2019年にガートナーによって提唱されました。この手法では、VPN、リモートアクセス、SD-WANなどのネットワーク機能と、ファイアウォール、IDS/IPS、ウイルス対策などのセキュリティ機能をクラウド上で一体的に統合して管理します。
SASEの導入により、企業は従来のネットワーク境界に依存するセキュリティモデルから脱却し、社内外を問わず一貫したセキュリティを提供することが可能です。クラウド利用の拡大とリモートワークの普及にともない、社外にある重要な資源も効果的に保護することが求められるなかで、SASEはこの課題に対応するための有効な解決策といえます。
SASEが注目される背景
SASE(Secure Access Service Edge)が注目を集めている背景には、テレワークの増加とクラウド利用の拡大があります。企業が提供するアプリケーションやネットワークがインターネット経由で利用されるようになり、クラウド上のシステムへのアクセスが一般的になりました。
SASEは、クラウドベースでセキュリティ機能を統合し、ネットワークのアクセスポイントごとに一貫したセキュリティポリシーを適用することで、高いセキュリティレベルを実現します。これにより、社内外の場所にかかわらず、安全なアクセスが保証されるようになります。
ゼロトラストとSASEの違い
ゼロトラストとSASEの違いは、ゼロトラストが「何をすべきか」の方針を示すのに対し、SASEは「それをどう実現するか」の具体的な手段を提供する点です。ゼロトラストは「全てのネットワークアクセスを疑う」というセキュリティの考え方です。
一方のSASEは、このゼロトラストの考え方を実際に応用し、ネットワークとセキュリティの機能をクラウド上で統合して、どこからでも安全にアクセスできるシステムを提供する技術です。
SASEのメリット
SASEは、現代のビジネス環境におけるネットワークとセキュリティの課題に対して、多くのメリットを提供します。特に、以下の点がメリットです。
運用負荷の軽減とコスト削減
SASEは、クラウドベースでネットワークとセキュリティ機能を統合し、運用の簡素化とコスト削減を実現します。特に、SWGやCASB、ZTNAなどのセキュリティ機能を一元的に管理することで、従来必要だった複数のセキュリティシステムの管理や監視の手間を軽減。さらにはクラウドサービスとして提供されることで必要に応じて容易にシステムの拡張や縮小が可能になり、固定的なインフラ投資の削減にも寄与します。
リモートワーク時のセキュリティ対策強化
テレワークとハイブリッドワークの広がりにともない、SASEはリモートワークのセキュリティ対策を強化する手段として有効です。日々増加する社外からの機密情報へのアクセスに対して、企業はSASEを利用することでサイバー攻撃のリスクを効果的に低減できます。
特に、ZTNAの活用により、社外からでも安全なリモート接続が可能になり、企業のセキュリティを強化します。ZTNAは、ネットワークの場所に関係なく、アプリケーションレベルでアクセス制御を行うため、従来のVPNよりも細かなアクセス管理が可能です。これにより、不正アクセスのリスクを減らし、データ漏えいの防止に役立ちます。
また、SASEのWebフィルタリングやアクセス制御機能は、リモートワーク環境でのサイバー攻撃や情報漏えいリスクを低減し、安全なビジネス環境を提供します。
クラウドサービスへの安全かつ快適なアクセス
SASEをクラウドサービスとして提供することで、クラウドサービスとテレワークの普及による通信トラフィックの増加に対応し、通信品質を維持します。この柔軟性により、企業は必要に応じて容易にシステムを拡張または縮小でき、変化するビジネスニーズに迅速に対応可能です。結果として、通信の安定性を確保し、クラウドサービスやWeb会議を快適に利用できるビジネス環境を実現します。
まとめ
今回の記事では、現代のビジネス環境において不可欠となるセキュリティ基盤、「ゼロトラスト」と「SASE」について紹介しました。ゼロトラストは全てのアクセスを検証することで、セキュリティを強化する概念を提供し、SASEはこれを実現するための手段を提供します。両者の組み合わせにより、企業はセキュリティを強化し、業務の効率を高めることが可能です。
オプテージは、企業のセキュリティ強化とリスク最小化を目指す包括的なソリューションを提供します。ゼロトラストとSASEを活用して、セキュリティ対策の強化とビジネスの安全性を高めたい企業さまは、ぜひオプテージにご相談ください。オプテージがお客さまの安全な業務を支援します。
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