OPTAGE IMPACT Vol.1 Nov.2020 ─ オプテージ インパクト ─ OPTAGE IMPACT Vol.1 Nov.2020 ─ オプテージ インパクト ─

5G時代到来で進化するビジネスの現場 5G時代到来で進化するビジネスの現場

5Gが4Gの性能を大きく上回る3つの点
  • 超高速
  • 超低遅延
  • 多数同時接続
5Gが4Gの性能を大きく上回る3つの点

Topics.1 5Gに関する基礎知識 Topics.1 5Gに関する基礎知識

5Gとは「5th Generation」の略称で、日本語では「第5世代移動通信システム」と言います。全世代を振り返ると、1Gはアナログ通信で、携帯電話は音声のみでした。2Gはデジタル方式であり、メールやインターネット利用が可能になりました。3Gでは世界で統一された規格となり、4Gでは高速大容量が進みました。3Gと4Gにより、私たちは世界中どこでも同じスマートフォンで動画やゲームを楽しめるようになったのです。

5Gは、大きく3つの点で4Gの性能を大きく上回るものとなっています。

また用途に合わせてネットワークを仮想的に分割する「ネットワークスライシング機能」も備えています。自動運転であれば高信頼・低遅延、8Kストリーミングであれば高速大容量のネットワークを利用するといった具合です。

2019年にはアメリカ、韓国など世界19ヵ国が商用5G提供を開始、日本では2020年春から開始されました。デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するためのインフラとして期待されています。

スマートフォンについては、Android、iPhoneともに主要な端末が出揃いつつあり、今後発売される機種は5G対応が当たり前になるでしょう。
しかし5Gカバーエリアがまだまだ狭いこと、5Gならではのキラーアプリ(たとえば高速・低遅延を活かしたVR関連アプリや、多端末接続を活かした競技場でのスポーツ観戦アプリなど)が登場していないことなどから、本格的な普及は2022年以降になると考えられます。

LOCAL 5G IMAGE

5Gによる無線ネットワーク化は、機械・ロボットの自動制御や遠隔操作だけでなく、生産ラインを低コストかつ柔軟に組み替えられる点も大きなメリット。

5Gによる無線ネットワーク化は、機械・ロボットの自動制御や遠隔操作だけでなく、生産ラインを低コストかつ柔軟に組み替えられる点も大きなメリット。

Topics.2 ローカル5Gとは Topics.2 ローカル5Gとは

ローカル5Gとは、企業や自治体などが局所的な5Gシステムを自前で構築し、プライベートな用途で利用する5Gです。企業や自治体などが、自己の建物内または敷地内でのみ利用できる免許制の5Gで、免許は自己で取得するか、5Gシステム構築を依頼された電気通信事業者が取得する必要があります。

代表的な用途はIoTです。工場敷地内に5Gネットワークを構築することで生産機械を自動制御・連携することができるようになります。建設機械の遠隔制御、自動農場管理あるいは遠隔診療などにも利用されるでしょう。
実は5Gで利用する周波数帯域は、4Gと比較すると無線が届く距離が短いので基地局が多数必要になるという「デメリット」があります。しかし限定したエリアで利用するローカル5Gでは、外部に通信が漏れないため、むしろセキュリティが強固というメリットになります。

従来の通信事業者以外に、多数の新規事業者が業界参入することでしょう。また企業や自治体が自己で免許を取得する場合、ITベンダーが免許取得を支援するサービスも今後盛んになると考えられます。

サービスの提供元が多いということは、それだけ多様なニーズに応えることができるようになり、ますます多様化が進んでいく社会をローカル5Gが支えていくと期待されています。

スポーツ観戦は「見る」から「感じる」時代に!

スポーツ観戦は「見る」から「感じる」時代に!

Topics.3 5Gがもたらす未来像 Topics.3 5Gがもたらす未来像

日常を変える5G

5Gはどのような未来を私たちにもたらすのでしょうか。生活に関係することを中心にいくつか見てみましょう。
例えばスポーツ観戦の楽しみ方が大きく変わります。5Gを利用すれば、試合風景をあらゆる角度から自由な視点でリアルタイムに複数の端末に配信することができます。これにより観客は選手を好きなアングルで見ることができるのです。さらに試合を観ながら、選手の心拍や息づかいなどを感じられるようになるかもしれません。従来とは次元の異なる臨場感を味わえるようになるのです。
クルマは自動運転が主流になっていくことでしょう。自動運転はリアルタイムに多くの情報を処理する必要があり、わずかな通信遅延が取り返しのつかない事故に繋がります。遅延が少なく、信頼性が高い5Gは自動運転の進展を促します。

自動運転と並行して進められているのがスマートハイウェイです。車両内のセンサーや通信設備が高速道路上に設置されているスマートシステムと連携し、安全で便利な運転が可能になります。

5Gの高速・低遅延により遠隔治療が可能となり、都市部と地方の医療格差を縮めることができるようになるでしょう。海外でしか受けられなかった手術を日本で受けることもできるようになるかもしれません。

日本が抱える課題解決にも貢献

日本において特に期待されるのは「安全」と「労働人口不足対応」です。
例えば建設現場では5Gを活用した建機のリモート操作に注目が集まっています。作業者の安全確保を図るとともに、熟練労働者の高齢化、技術の担い手不足という課題を解決するという点にも期待が集まっています。ロボティクスと組み合わせることで、更にこのメリットが強化されるでしょう。

医療現場でも「労働人口不足対応」が期待されており、5Gを使ったリモート診療はこれからの地方・離島の医療には欠かせないものになっていくでしょう。新型コロナウイルスの影響によりリモート診療のニーズが高まっていることも、追い風になると予想されます。

上記以外にも様々な応用が考えられます。共通するのは、いずれの分野においても従来とはレベルの違うサービスが可能になるということです。サービスを提供される側としても期待に胸が膨らみますが、提供側もアイデア1つで大きな社会貢献ができ、それが莫大な収益に繋がる可能性があるのです。

2019年以降、中国やアメリカ、ドイツをはじめ、世界各国で5Gの導入が進んでいます。4Gを利用したビジネスでは関してはアメリカが圧倒的に強く、中国がそれに対抗する形になっていますが、5Gに関しては現状ではまだそこまで突出している国はないようです。日本は4Gではグローバルに採用される仕様や製品を提供することができず、大きな利益を享受できませんでした。5Gに関しては、これから日本オリジナルで世界中で採用されるのものを創り出せれば、トップランナーになれる可能性はまだあります。