ブレンディッドラーニングとは?学習方法別の特徴・効果的な進め方を解説

ブレンディッドラーニングとは?学習方法別の特徴・効果的な進め方を解説

従業員を育成するための方法は、「集合研修」や「オンライン研修」、実務を進めながら学ぶ「OJT」などが代表的です。ただ、いずれもメリット・デメリットがあるため、より自社に合った教育方法を探している方もいるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、複数の研修・学習方法を組み合わせる「ブレンディッドラーニング(ブレンド型学習)」です。この記事では、ブレンディッドラーニングの概要をはじめ、学習方法ごとの特徴や教育効果を高めるポイントまで詳しく解説します。

Contents

ブレンディッドラーニングとは?

ブレンディッドラーニングとは?

近年、注目を集めているブレンディッドラーニングとは、対面で実施する「集合研修」やオンラインで行う「eラーニング」など、異なる学習方法を組み合わせた教育手法のことです。

学習方法ごとにメリットとデメリットがありますが、組み合わせによってはデメリットを解消することもできます。また、ひとつの方法に絞るよりも高い学習効果が見込めるため、人材の育成に力を入れている企業にとっては魅力的な教育手法といえるでしょう。

ブレンディッドラーニングが生まれた背景

国内でのブレンディッドラーニングは2000年代から始まったといわれ、その背景にあるのはテクノロジーの発達です。ネットワーク通信が高速化したほか、パソコンやスマートフォンといった情報端末が広く普及したことで、人々の働き方や暮らしは以前とは異なるものとなりました。

企業研修では集合研修のようにまとめて研修を行うほうが効率的でしたが、近年はオンラインを活用した研修が可能となり、学習方法の個別化が実現されています。また、2019年末から猛威を振るった新型コロナウイルスなどの影響もあり、業務や研修が非対面で行われるようになったことも要因のひとつでしょう。

こうした技術の発達や社会の変化から、複数の学習方法を組み合わせるブレンディッドラーニングが誕生し、より効果的な結果が得られる手法として注目を集めているのです。

学習方法別の特長・課題点

集合研修やオンライン研修といった学習方法ごとに一長一短あるため、企業にとって最適な学習方法をひとつに絞るのは難しいものです。しかし、ブレンディッドラーニングはこれらの課題点を打ち消し、より効果的な教育を行うことが可能です。

ブレンディッドラーニングを実施する前に、まずはそれぞれの学習方法について具体的に把握しておきましょう。

集合研修/講義形式

講義形式で行われる集合研修は、多くの企業が実施してきた教育方法のひとつです。講師が登壇して複数の受講者に対して効率的に教育を行えます。講義内容は受講者に学んでほしいテーマによって異なりますが、学習内容に差が生まれにくく、不明点があれば講師に直接尋ねられるのも習熟度を深められる要因です。

一人ひとりに教育するよりも効率的に進められますが、受講者のなかには学習済みだったり不必要な内容であったりするケースも珍しくありません。また、講師を招く場合などのコストはもちろん、スケジュール管理が難しかったり、研修の時間・場所に制限があったりといった課題点もあります。受講者の理解度の差を把握しにくい、通常業務に支障をきたす可能性があることも把握しておきましょう。

集合研修/演習形式

集合研修は演習形式で実施されることもあります。ディスカッションやワークショップなど、あるテーマをもとに参加者同士が主体となって進めていくのが特徴です。また、演習形式の集合研修はアウトプットする機会が多いため、理解度が深まりやすく実践的な内容を学べます。参加者同士が交流できる場にもなるため、目的がチームビルディングなどの場合は効果的な手法といえるでしょう。

一方で、講義形式と同様に運営コストや手間の大きさといった課題点があることも注意しておきたいポイントです。

オンライン研修

近年では、これまで対面で実施していた集合研修がオンライン研修として実施されることも多くなってきました。

指定された日時に参加する必要がありますが、自宅や職場などから研修を受けられるため、移動時間を削減できます。チャット機能などで講師や他の受講者とコミュニケーションを取れる場合もあるため、不明点があれば気軽に尋ねられるのも特長です。

オンライン研修の課題として挙げられるのは、参加者のモチベーション維持や、実技や実習を必要とするスキルの習得などが難しいこと。研修参加へのハードルや実施コストを下げられる反面、受講にはインターネット環境が必須で、導入・運用にはある程度の費用がかかることも把握しておきましょう。

eラーニング

パソコンやスマートフォンを使い、オンラインで学習できるのがeラーニングです。受講者はeラーニングサービスにアクセスし、動画を視聴したりテスト形式の教材に回答したりと、自分のペースで学習を進められます。また、同じ学習動画を使用することで均一な教育が行え、反復学習も可能です。受講者の進捗状況を一元管理できることもeラーニングならではの特徴です。

すきま時間を使って効率良く学べる点もメリットとして挙げられますが、オンライン研修と同様に実技や実習をともなうスキル習得には不向きなほか、eラーニングのサービスを選ぶ際には注意が必要です。進捗チェック機能が搭載されているか、自社でオリジナルコンテンツを作れるのかなど、自社の要件が満たされているかどうかを確認しましょう。

OJT

「On the Job Training」の略称であるOJTは、実務に携わりながら業務に必要なスキルや知識を身につけていく教育方法です。なお、「Off JT」という教育方法もありますが、これはセミナーや研修など職場から離れた場所で学習することを指しています。

OJTは上司や先輩社員がトレーナーとして教育を行うケースが多く、業務に必要な知識やスキルを学べるため、社員の即戦力化を図ることも不可能ではありません。研修の時間を設けずに業務を進められるため生産性の低下を抑えられるほか、従業員同士のコミュニケーションを促して個人に合わせた指導を行えるのもポイントです。

ただ、トレーナーとなる社員に負担がかかり、業務に支障をきたす恐れがあります。トレーナーによって教育内容や質に違いが生まれたり、適切な教育が行われなかったりするなどの課題もあります。

ブレンディッドラーニングのメリット

ブレンディッドラーニングは複数の学習方法を組み合わせる手法であるため、単一の学習方法にはないメリットがあります。

どういったメリットが得られるのか、企業と受講者それぞれの視点から見ていきましょう。

企業側のメリット

ブレンディッドラーニングを実施することで、企業は時間的・金銭的コストを削減できます。例えば、ブレンディッドラーニングとして集合研修とeラーニングを組み合わせた場合を考えてみましょう。

1日目のインプットをeラーニングで行い、2日のアウトプットを集合研修として実施すれば、集合研修のみを行う場合と比べ、講師の手配や宿泊費、会場の使用料などを削減できるでしょう。

また、eラーニングでは補えない実技や実習は、集合研修で実施することで課題点をカバーできます。

このようにブレンディッドラーニングは、学習方法ごとのメリットを活かしながらデメリットをおさえることも可能な手法です。受講者に学んでほしい内容に応じて最適な教育を選択・実施できるため、効率良く人材育成を図れるのは企業にとって大きなメリットでしょう。

受講者のメリット

ブレンディッドラーニングのメリットは、受講者側にもあります。集合研修とeラーニングの組み合わせによって従来の集合研修の期間が短くなれば、業務との両立やスケジュール調整なども行いやすくなるでしょう。

また、知識をインプットする機会と、実践によりアウトプットする機会の両方を設けることで、理解度を深めたりスキルの定着を促したりできます。必要な知識をオンライン学習などでインプットしておけば、研修当日のワークショップやディスカッションでは質の高いアウトプットが可能となるでしょう。特にeラーニングは理解できるまで何度も学べる反復学習が可能なので、受講者ごとに理解度の差が生まれにくいこともポイントです。

ブレンディッドラーニングの効果を高めるポイント

ブレンディッドラーニングの効果を高めるポイント

ブレンディッドラーニングに取り組む場合、いくつかの研修を組み合わせるだけでは期待どおりの効果が得られないかもしれません。研修の無駄を省き、今まで以上の人材教育を行うためにも、ここで紹介するポイントを確認しておきましょう。

研修の目的を設定する

ブレンディッドラーニングは複数の学習方法を組み合わせる手法であるため、研修内容が複雑になってしまいます。そこで重要となるのは、目的・ゴールを設定しておくことです。受講者に身につけてほしいスキルや知識を明確にすることで、数ある学習方法のなかから必要なものを選ぶことができます。

また、受講者の習熟度やゴールまでの進捗状況を把握するためにも、テストやレポート、ディスカッションの場を設けることも検討しておきましょう。

具体的なロードマップを作成する

目的やゴールを設定した後は、どのコンテンツをどういった順番で進めていくのかをまとめたロードマップを作成しましょう。企業側でブレンディッドラーニングを進める際に一貫性のある教育が行えるほか、どういうステップで何を学ぶのか全体像を把握できます。

ブレンディッドラーニングでよくある組み合わせは、事前学習としてeラーニングを活用し、その後は集合研修で演習を行うことです。ただ、ロードマップの作成ではさらに細かく決めておく必要があります。例えば、受講者の理解度を把握したりモチベーションの低下を防いだりするために、eラーニングでの学習後に小テストを実施することもひとつの手です。

受講者への意識づけを行う

ブレンディッドラーニングに限らず、研修を行う際は意識づけが重要です。受講者が「なぜこの研修を受けるのか」を理解してから臨むことで、自分ごととして捉えやすくなり、習熟度も向上します。意識づけを行う際は、経営陣や研修担当者から研修の目的や目標を伝えるのが効果的です。

また、集合研修やOJTといったアウトプットを行う場では事前の学習が欠かせませんが、事前にeラーニングのような個々で取り組む学習を行うと、受講者のモチベーションが上がりにくい可能性もあります。こういった場合でも、あらかじめ意識づけを行っておくことで事前学習が必要な理由を把握でき、学ぶことへの意欲を高められるでしょう。

ブラッシュアップしていく

ブレンディッドラーニングは目的に応じて研修内容をアレンジできるため、自由度が高い一方で正解がない教育手法ともいえます。そのため、実施したブレンディッドラーニングを振り返り、改善点を洗い出すことが大切です。

講師や担当者からの意見だけでなく、受講者からのフィードバックなどをもとに研修内容をブラッシュアップしていきましょう。

まとめ

まとめ

情報通信技術の発達や社会の変化から注目を集めるようになったブレンディッドラーニング。複数の学習方法を組み合わせることで課題点を打ち消し、より効果的な教育を行えるため、企業研修だけでなく学校教育の場で実践されることもあります。

また、従来よりもコストを抑えて実施できるという点も魅力ですが、実施する場合は綿密な計画を立てることが大切です。ぜひこの記事を参考に自社でもブレンディッドラーニングを行ってみてください。

◎製品名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。

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著者 OPTAGE for Business コラム編集部

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