クラウド利用の「遅い」を解消!速度改善のための3つの施策

クラウド利用の「遅い」を解消!速度改善のための3つの施策

多くの企業でクラウド活用が加速しています。クラウドはコスト削減や柔軟なリソース調達、運用負荷軽減など多くのメリットがあり、既存システムのリプレイス時や新システムの検討の際に、SaaSやIaaS、PaaSの活用が積極的に検討されるようになりました。
しかし、クラウド導入後にレスポンス低下など予期せぬ課題に直面するケースも少なくありません。本記事では、クラウドサービス利用時のレスポンス低下の原因を探るとともに、レスポンス改善のための解決策を紹介します。

Contents

クラウド利用で生じる「遅い」の原因

クラウドサービスを利用する際に生じるレスポンスの低下には、主に以下の原因が考えられます。

アクセス経路の変化

クラウドへの移行に伴い、ユーザーからのリクエストは、オンプレミス環境とは異なるルートをたどることになります。インターネットを介してクラウド事業者のデータセンターに到達することとなるため、サーバまでの距離が長くなり、ボトルネックとなりうる個所が増えることでレイテンシ(遅延)が拡大します。

トラフィックの増大によるインターネット接続回線の輻輳

クラウドサービスの利用が拡大すると、インターネット接続回線の帯域を大量に消費するようになります。その結果、WAN側ではパケットロスや再送が発生しやすくなり、スループットの低下やレイテンシの拡大といったレスポンスの低下を招きます。

社内ネットワークの帯域圧迫

また、社内ネットワークにおいても帯域不足が発生しがちです。特に、クラウドへのアクセスが集中するオフィスでは、回線の帯域を圧迫し、他の業務システムのレスポンスにも影響を及ぼします。たとえば、クラウドへの大容量データの転送や、Web会議システムによるリアルタイム通信などが、ネットワークに高い負荷をかけます。その結果、システムの応答速度が低下するなど、業務効率の低下を招くおそれがあります。

ネットワーク機器・サーバの処理能力不足

クラウドへのアクセス増加に伴い、社内ネットワークを構成する機器やサーバの処理能力不足が問題となります。特に、ファイアウォールやプロキシサーバでは、アクセス制御に多くの処理能力を必要とします。処理能力を超えるトラフィックが流入すると、パケットの廃棄や再送が繰り返し発生し、ネットワーク全体に悪影響を与えます。

クラウドの高速化を実現する3つの施策

クラウドの高速化を実現する3つの施策

クラウド利用時の「遅い」を解消し、高速なレスポンスを実現するには、クラウド時代に見合ったネットワークの最適化が欠かせません。ここで、具体的な施策として以下の3点を紹介します。

ネットワークプランの見直し

ネットワークが遅い原因のひとつとして、帯域不足が挙げられます。昨今はクラウドオフィスツールや業務系SaaS、さらにはWeb会議など多くのクラウドサービスがビジネスで利用されており、社内の通信量が膨大化しています。

帯域不足には、現在契約しているネットワークプランの見直しが効果的です。安定した通信を求める場合は、ベストエフォート型から帯域保証型へ、帯域保証型の場合はより広帯域のプランへ変更するなど、クラウドサービスの導入検討の際には、コストバランスを考慮しながらネットワークプランの見直しについても検討しましょう。

法人向け回線の選び方は、以下の記事を参考にしてみてください。

>>【法人向け回線】ベストエフォート・帯域確保・帯域保証の違いとは?

ローカルブレイクアウトの採用

クラウドアクセスの高速化に効果的な施策が、「ローカルブレイクアウト」です。ローカルブレイクアウトは、各拠点に設置されたローカルブレイクアウト対応型の通信機器がクラウドサービスを識別し、インターネット回線へ通信を振り分ける仕組みです。

従来のネットワーク構成では、各拠点からインターネットに接続する際、社内のセンター拠点に設置されたファイアウォールやゲートウェイを通過する集約型のネットワーク構成が採用されてきました。ローカルブレイクアウトの採用で、各拠点から本社やデータセンターを経由せず直接クラウドにアクセスできるため、クラウド利用時のレスポンスの高速化だけでなく、社内ネットワークの輻輳の軽減も期待できます。

クラウドとのダイレクト接続サービスの利用

クラウド利用時の「遅い」を解消する手段のひとつとして、クラウドサービスとダイレクトに接続できるサービスの利用も挙げられます。通信事業者のなかには、自社のバックボーン網を活用して、ユーザー企業の拠点からクラウドまでを、専用線やVPNでダイレクトに接続するサービスを提供している事業者があります。こうしたクラウド時代に即したネットワークサービスを選ぶことで、セキュアで安定的な通信が可能となり、クラウド利用時のレスポンス向上が期待できるでしょう。

安定的なクラウド通信環境を実現するためのパートナーの重要性

クラウド利用時の安定的な通信環境を実現するには、ネットワークの最適化が欠かせません。しかし、自社内のリソースだけでは、ネットワークとクラウドの連携に必要な専門知識やスキルを十分に確保できない恐れがあります。高度なネットワークの設計や運用スキルを持ち、クラウド基盤の構築や移行に対応できる人材の確保が課題になるでしょう。

そこで、クラウド導入を支援するパートナー企業を活用することをお勧めします。安定的なクラウド環境の構築には、ネットワークとクラウドの融合を実現できるパートナーとの協働が不可欠です。パートナーを選定する際は、以下のような点を重視するとよいでしょう。

  • ネットワークとクラウド、さらにはセキュリティに精通し、課題に対応できる手厚いサポート力を兼ね備えていること
  • お客さまごとの課題や将来展望をふまえ、拡張性の高いソリューション提案ができること

クラウド導入の検討の際にはこのような要件を満たす伴走型のパートナーを見極め、クラウド・ネットワーク・セキュリティをトータルで検討することが、クラウドの「遅い」という問題解決につながります。

まとめ

クラウド利用による「遅い」の解消には、ネットワークの最適化が欠かせません。その方法として、ネットワークプランの見直し、ローカルブレイクアウト採用、クラウドとのダイレクト接続サービスの利用などが挙げられます。

安定的なクラウド利用を実現するためには、クラウド導入後ではなく、クラウド導入を検討する際に併せて、クラウド利用に適したネットワークの選定や見直しを行うことが有効です。これらの課題解決には、クラウド・ネットワーク・セキュリティをトータルにサポートできるパートナーとの連携が欠かせません。

オプテージでは、信頼性の高いネットワークサービスをはじめ、オプテージVPNと閉域での接続が可能な「ユーティリティ クラウド」などのクラウドサービスを提供しています。また「ローカルブレイクアウト」や、AWSやAzureとのダイレクト接続を実現する「ネットワークエクスチェンジ」など、クラウドを安全・快適にご利用いただけるよう、お客さまの課題に沿ったご提案をいたします。

クラウドの「遅い」を解消し、レスポンスの高速化を実現するネットワーク基盤づくりは、ぜひオプテージにお任せください。安定的なクラウド利用の実現に向けて、オプテージがクラウド・ネットワーク・セキュリティのトータルの観点でお客さまの環境構築をサポートします。

◎製品名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。

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著者 OPTAGE for Business コラム編集部

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