サーバリプレイスとは?クラウド時代のサーバリプレイスのポイントを解説!

サーバリプレイスとは?クラウド時代のサーバリプレイスのポイントを解説!

企業や病院、官公庁など、現代の社会においてITの重要性はますます高まっています。
ITシステムのなかでもさまざまな役割を持つサーバは、システムの中核として構成され、業務の効率性や生産性に直結するとともに、今日ではビジネス変革やDXといった企業価値の向上にも重要な役割を担っています。
この記事では、サーバリプレイスを検討するうえで重要なポイントを4つ紹介します。

Contents

サーバリプレイスが必要な理由

企業のITシステムを支えるオンプレミスサーバは、時間の経過とともに老朽化が進むことで、サーバのパフォーマンスの低下や、メンテナンス工数の増加による運用コストの増大化、さらにはハードウェアの部品調達が困難になるなど、多くの問題につながります。サーバリプレイスをしないまま使用し続けることにより、業務効率や生産性の低下だけでなく、ビジネスの成長への影響や、競争力の低下も懸念されます。

しかし、リプレイス時期を迎えても、システムのブラックボックス化や対応する人材不足といったさまざまな理由で、リプレイス時期を逃している企業も少なくありません。

ここでは、サーバリプレイスが必要な理由を3つ紹介します。

ハードウェア・ソフトウェアのサポート終了

サーバリプレイスが必要な理由の1つ目は、「ハードウェア・ソフトウェアのサポート終了」です。
ハードウェアのサポートが終了したまま使用を続けた場合、故障時の部品調達が困難となり、予期せぬシステムダウンを引き起こすリスクがあります。これにより、顧客満足度の低下や機会損失が発生する可能性があります。

また、ソフトウェアのサポート終了も大きな問題です。新たなパッチプログラムが提供されないため、情報漏えいやサイバーセキュリティ攻撃のリスクが高まります。
さらに、個人情報保護法などの法令で定められた安全管理措置を適切に講じられない場合は、法令違反のリスクも生じます。

サーバのスペック不足

サーバリプレイスが必要な理由の2つ目は「サーバのスペック不足」です。サーバのスペック不足は、パフォーマンスの低下を引き起こし、業務処理の遅延やシステムの不安定化につながります。

また、スペック不足となったサーバは、新しいアプリケーションの要件を満たせなくなっていくことも多く、新しいアプリケーションを導入しようとした場合、本来のアプリケーションが持つパフォーマンスを十分に発揮できない、アプリケーションが動作しないといった状態となります。これにより、業務効率の低下や、さらには業務の拡大や変化に対応できなくなるリスクが生じるのです。

メンテナンス・ランニングコストの増加

サーバリプレイスが必要な理由の3つ目は「メンテナンス・ランニングコストの増加」です。

老朽化したサーバは、メンテナンスに多くの工数と時間を要します。さらに電力消費量の増大化によりランニングコストも増加します。特に自社のサーバルームやデータセンターで運用している場合、これらの人件費や電気代といった運用コストが大きな負担となり、企業の財務に悪影響を与える可能性があります。

サーバリプレイスの検討ポイント

今、多くの情報システム部門では、変化のスピードが速いIT環境のなかで、限られた人員で多岐にわたる仕事をこなしており、常に多くの業務を抱えています。サーバリプレイスは、そのなかでも重要なプロジェクトであり、効率的かつ確実に実施するためには、いくつかの点に留意することが必要です。

ここでは、サーバリプレイスを円滑に進めていくうえで重要なポイントについて紹介します。

スケジュールの綿密な計画

サーバリプレイスを成功させるためには、余裕を持ったスケジュールの設定が必要です。
まずはサーバのEOL(End of Life)を踏まえて、要件定義や新サーバの調達期間を考慮します。そのうえで、リプレイス手順の作成、データのバックアップや事前検証など、詳細なタスクの洗い出しを行い、必要なリードタイムを算出します。さらにリプレイスにともなうリスクも考慮に入れ、余裕を持ったスケジュールを立案するようにします。

予期せぬトラブルを避け、スムーズなサーバリプレイスを実現するためには、こうした綿密な計画を立てることが重要です。関係所管とも十分に調整しながら進めましょう。

システム移行方法や新たなシステム基盤の慎重な選択

サーバリプレイスで重要な作業の1つに、システムやデータの移行があります。移行対象となるシステムの特性や要件、データ量などを詳細に分析し、最適な移行方法を選択する必要があります。

また、新たなシステム基盤の選定も重要です。
システム基盤として、オンプレミスやクラウドといった形態がありますが、サーバの特性によって向き・不向きがあります。たとえば、データ容量が次第に増加していくファイルサーバや、トラフィックが常に変動するWebサーバやECサーバは、クラウドでの運用が適していると言われています。クラウドは、SaaS、PaaS、IaaSといったようにクラウド事業者がアプリケーションやインフラをサービスとして提供しており、短期間で効率よくアプリケーションの導入や環境の構築が可能です。

SaaS、PaaS、IaaSに関して、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

>>SaaS/PaaS/IaaSの違いとは? 特徴やメリット・デメリットを解説

リプレイス対象となるサーバに最適な基盤が分からない場合は、複数のクラウドサービスを提供しているシステムベンダーやクラウド事業者に相談するというのも一手です。ベンダーからは、オンプレミス/クラウドのメリット・デメリットを踏まえた適切な基盤選定の提案が期待できるでしょう。

オンプレミス・クラウドのコスト比較

リプレイス先をオンプレミスとする場合、多くのコストがともなうことも少なくありません。

たとえば、ハードウェアやソフトウェアの調達費用、インフラ構築作業に要する人件費など、さまざまなコスト要素を考慮する必要があります。特に、新しいサーバのサイジングでは、将来的な拡張性やスケーラビリティを考慮し、最大でのサーバリソースを見積もる必要があるため、当初は使われないリソースのコストも含まれます。また、運用コストやランニングコスト、特に電気代についても考慮が必要です。

一方、クラウドサービスを利用する場合は、ハードウェアなどの初期費用がかかりません。ほとんどのクラウド事業者では月額費用や年額費用としてメニュー化されたさまざまなサービスやオプションを提供しています。
ただし、利用するサービスや内容によっては、オンプレミスより高額になる場合もあります。オンプレミスとクラウドサービスを比較する場合は、総保有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)で必要な期間を設定し比較してみましょう。

運用SE・セキュリティSEの確保

移行後の運用のための人材確保についても考慮が必要です。オンプレミスの場合は、日々のシステム運用・インフラ運用に対応できるSEの確保が必要です。それに加え、年々高度化するサイバー攻撃に対応できるセキュリティ人材についても自社内で確保する必要があります。

クラウドサービスの場合は、インフラの運用はクラウド事業者側で実施されます。また、提供するサービスに応じたセキュリティ対策をクラウド事業者側で行っていることがほとんどなので、進化するサイバー攻撃にも対応するなどセキュリティレベルの維持が常に図られています。クラウドサービスでは、利用するサービスに応じたセキュリティ対策が施されているため、高度なセキュリティSEを自社で確保する必要はありません。

クラウドサービスの活用でサーバリプレイスの課題解決

サーバリプレイスにおいて、特にコストの最適化と運用負荷の軽減は企業にとって大きな課題です。これらの課題を解決する有力な手段の1つがクラウドサービスの利用です。クラウドサービスをサーバの基盤として選定することで、初期投資を大幅に抑え、運用負荷の軽減が期待できます。

たとえば、IaaSを利用すれば、ITインフラ全体の調達、設置、構成に要する初期コストを削減できるだけでなく、これらに関する作業負荷も大幅に軽減できます。また、PaaSを活用することで、ミドルウェアやOS、データベースといった開発に必要な環境をすぐに用意でき、環境構築の時間を大幅に短縮可能です。これにより、開発プロセスが迅速化し、製品の市場投入までの時間が短縮されるメリットがあります。また、会計システムや販売管理システム、CRMといったように、リプレイス対象のシステムがSaaSで提供されている場合は、自社の要件とサービス内容が合致しているかどうかを見極め、SaaSを選択するということも可能となります。

クラウドサービスを活用することで、オンプレミスでのサーバリプレイスにともなう課題を効果的に解決し、コスト削減と作業効率の向上を実現できます。クラウド化によって、より戦略的なIT計画が可能となり、ビジネスの成長と競争力の強化を図ることができるでしょう。

リプレイス後の運用負荷の軽減もクラウドサービスが有効

クラウドサービスへの移行は、リプレイス後のサーバ運用負荷の軽減にも非常に有効です。クラウド環境では、サーバやストレージなどのハードウェアに関する運用が不要となり、運用SEの負荷を大幅に軽減できます。

さらに、クラウド事業者ではマネージドサービスを提供しているところもあります。マネージドサービスでは、クラウドの監視、保守、バックアップ、セキュリティ対策などの運用管理タスクを専門家に委ねることが可能です。これにより、クラウド事業者の専門知識とリソースを活用して、システムの安定稼働を確保しつつ、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
また、運用SEの負荷が軽減されることで、従業員の満足度や生産性の向上が期待できます。

総じて、クラウドサービスへの移行は、リプレイス後のサーバ運用負荷を軽減し、企業のIT運用をより効率的かつ効果的にするための重要な手段といえるでしょう。

まとめ

ここでは、サーバリプレイスを実施するうえで重要なポイントを4つ紹介しました。

計画的なサーバリプレイスを行うことで、システムの安定性や性能、セキュリティを維持し、ビジネスの成長を支える強靭なIT基盤を構築することができます。
そのなかでリプレイス先の基盤として、最近ではクラウドサービスという選択肢が注目されています。

クラウドサービスを利用することで、ハードウェアの調達や設置にともなう初期コストを削減し、運用負荷を軽減することができます。また、クラウドマネージドサービスを提供している事業者も多く、クラウドの監視、保守、バックアップ、セキュリティ対策などの運用管理タスクを専門家に任せることが可能です。

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サーバリプレイスについてお悩みのことがありましたら、ぜひオプテージにお気軽にご相談ください。お客さまのニーズに合ったリプレイスプランをご提案いたします。

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著者 OPTAGE for Business コラム編集部

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