
古いルータを使い続けるセキュリティリスク|社内運用や交換のポイントを解説
- 公開日:2025年11月28日
警察庁が2025年3月に公表した「令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」には、サイバー攻撃の前兆となる「ぜい弱性探索行為」などの不審なアクセスの増加が確認されています。
また、フィッシングの報告件数は前年比で約52万件(44%)増加するなど、被害の拡大が続いています。ランサムウェア被害の報告件数も引き続き高水準で推移していることから、企業経営においてセキュリティ対策は必須です。
このようなニュースが増加するなか、ルータを中心としたネットワーク機器を長年放置すると、情報漏えいや不正アクセスのリスクを高めてしまうことにつながります。そのような状況にならないためにも、古いルータを使い続けるリスクを確認しておきましょう。
本記事では、古いルータがもたらす具体的なリスクをまとめたうえで、交換する際の判断ポイントを解説します。
出典:警察庁「令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
- 古いルータを使い続けるセキュリティリスク
- 認証方式のセキュリティが脆弱で外部から攻撃を受けやすい
- 機器の劣化やマルウェア感染によって使えなくなる
- 意図せずサイバー攻撃の発信源となる
- 古いルータは使わないようにしよう
- オフィスのネットワーク機器を交換する判断基準
- ネットワーク機器のサポートが終了している
- 古いセキュリティ規格を使用している
- インターネット回線の速度と性能にギャップがある
- ネットワーク機器に故障の兆候や通信障害が見られる
- 社員数の増加や大容量のデータ通信が増えた
- ルータの見直しを機に、回線・ネットワークの最適化も
- まとめ
古いルータを使い続けるセキュリティリスク
古いルータを使い続けることには、以下のようなセキュリティリスクがあります。
認証方式のセキュリティが脆弱で外部から攻撃を受けやすい
機器の劣化やマルウェア感染によって使えなくなる
意図せずサイバー攻撃の発信源となる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
認証方式のセキュリティが脆弱で外部から攻撃を受けやすい
古いルータを使い続けることは、不正アクセスやデータ盗聴といった企業の信用につながるリスクを高める原因となります。古いルータは、認証方式のセキュリティが脆弱になっていることが多いため、外部から攻撃されやすい状態といえます。
サイバー攻撃によってルータの管理画面に侵入されると、外部からの侵入を容易にするように設定変更がされるリスクが高いです。加えて、通信を監視されたり、不正な情報流出が進行したりする事態にもなりかねません。
機器の劣化やマルウェア感染によって使えなくなる
古いルータを使うことは、セキュリティ上の脆弱性だけでなく、物理的な故障や機能停止のリスクも高まります。
メーカーサポートが終了した機器は、ファームウェア(正常に動くためのソフトウェア)の更新が停止することで、脆弱性がある状態で放置されることになります。ルータのファームウェアの脆弱性を突かれて、マルウェア(悪意のあるソフトウェア)に感染すると、ネットワーク全体の速度低下や機能停止を引き起こすリスクが高いです。また、内部部品が劣化すると、外部攻撃がなくとも故障によって業務停止する可能性もあります。
このような状況にならないためにも、サポート終了前にルータの買い替えを検討するようにしましょう。
用語集
意図せずサイバー攻撃の発信源となる
古いルータにサイバー攻撃を受けた企業は、被害者でありながら、知らないうちに攻撃の「踏み台」として悪用されてしまう重大なリスクがあります。ルータが攻撃者に乗っ取られると、ターゲットとなるサービスやシステムへ向けたサイバー攻撃に加担してしまう可能性があるので注意が必要です。
サイバー攻撃で乗っ取られたルータは、攻撃者の指示により、企業や組織を対象に大量データを送信する形でDDoS攻撃に利用されたケースもあるとされています。
用語集
古いルータは使わないようにしよう
古いルータを使い続けることには、さまざまなリスクが潜んでいます。情報漏えいやマルウェア感染といったセキュリティトラブルを引き起こさないためにも、機器の棚卸しや設定の見直しを実施しましょう。
インターネット環境の安全性を確保する方法には、通信の暗号化やパスワード管理の複雑化といった対策が挙げられます。しかし、ルータが最新のセキュリティ基準(WPA3など)を満たしていなければ、セキュリティトラブルが発生するリスクが高まります。
社内ネットワークを安全なものにするためにも、古いルータを使い続けるのは避けましょう。
オフィスのネットワーク機器を交換する判断基準
古いネットワーク機器は、セキュリティリスクを高めてしまう原因となるので、どのタイミングに交換するのかの判断基準をもっておくことが大切です。ここでは、ネットワーク機器を交換するときの判断基準を解説します。
ネットワーク機器のサポートが終了している
古いセキュリティ規格を使用している
インターネット回線の速度と性能にギャップがある
ネットワーク機器に故障の兆候や通信障害が見られる
社員数の増加や大容量のデータ通信が増えた
ネットワーク機器のサポートが終了している
メーカーのサポートが終了したネットワーク機器を使い続けるのは危険です。サポート期間が終了すると、脆弱性が修正されないまま放置されることで、不正アクセスやマルウェア感染の標的となるリスクが高まります。サイバー攻撃に備えるためにも、使用している機器のサポートが終了していないかを確認し、脆弱性パッチの提供が終了した機器はすぐに入れ替えるようにしましょう。
古いセキュリティ規格を使用している
古いネットワーク機器は、最新の暗号化技術に対応しておらず通信の機密性を保つのが難しい場合があります。古い暗号化規格しか使えない場合、その脆弱性を突かれて通信内容が傍受されたり盗聴されたりする可能性があるので注意が必要です。
無線ルータの場合は、認証プロトコル自体に欠陥があると、ネットワークに第三者が不正侵入しやすい状況となります。特に5年以上使っている無線ルータは、規格が古い可能性が高いため、最新機種に交換することが推奨されます。
インターネット回線の速度と性能にギャップがある
インターネット回線の速度に対して、ルータやスイッチが対応する最大速度が低い場合、通信速度が遅くなってしまう場合があります。例えば、最大通信速度10Gbpsのプランを使っていても、ルータやスイッチの規格が100Mbpsだと思うように速度が上がらないことが想定されます。
大容量のデータ転送や動画利用、同時接続ユーザーが多い環境では、古い機器が通信の処理に追いつかず、ネットワーク全体が不安定になる場合もあります。そのような状況にならないためにも、古いネットワーク機器を交換することを検討しましょう。
オフィスeo光ネットでは、最新規格のWi-Fiルータのレンタルサービスを実施しています。
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ネットワーク機器に故障の兆候や通信障害が見られる
インターネット回線が頻繁に調子が悪くなったり、通信障害が発生したりする原因には、ネットワーク機器の処理能力不足や故障が考えられます。長期間使用された機器は、内部部品が劣化することで、異常な発熱や異音、ランプの異常点滅などの兆候が現れやすくなります。
これらの兆候がネットワーク機器に見られたら、機器交換を考えましょう。ネットワーク機器が故障したり通信障害を起こしたりすると、業務が完全に停止してしまうことも考えられます。そのような状況にならないためにも、放置せずに交換対応をするようにしましょう。
社員数の増加や大容量のデータ通信が増えた
社員数やデータ通信量が増えると、現行のネットワーク機器の能力では処理が追いつかなくなることで、通信速度の低下やフリーズが起こるリスクが高まります。 このようなパフォーマンス低下が見られたら、ネットワーク機器の乗り換えの検討がおすすめです。業務効率の維持・向上のためにも、この機会に機器のスペックを見直しましょう。
ルータの見直しを機に、回線・ネットワークの最適化も
「オフィスeo光ネット」は、関西の法人さま向けに提供している回線・プロバイダー一体型のサービスです。通信速度とコストのバランスに優れ、安定したネットワーク環境を実現します。
最新の無線LAN規格であるWi-Fi 7に対応したWi-Fiルータレンタルサービスや、総合的なセキュリティ対策も提供しています。
古いルータをお使いの場合は、機器の交換とあわせて、回線やネットワーク全体の最適化までサポートが受けられる「オフィスeo光ネット」への乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
古いネットワーク機器を使い続けることは、セキュリティリスクを高める要因となります。機密情報の漏えいや不正アクセスが起きると、企業としての信頼を失墜させてしまうことにつながりかねません。
ネットワーク機器のサポート切れや、機器の性能不足が見られたら、交換のタイミングと考えられます。古いルータの交換をするときは、インターネット回線の見直しも視野に入れてみましょう。
機器の見直しとあわせてネットワークの最適化には、法人向けの光回線「オフィスeo光ネット」がおすすめです。オフィスeo光ネットでは、Wi-Fi 7の高速規格に対応しているルータのレンタルサービスも提供しています。まずはお気軽にご相談ください。
◎製品名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。
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