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企業向けの情報漏洩対策7選!原因や発生後の対処法も解説

企業向けの情報漏洩対策7選!原因や発生後の対処法も解説

情報漏洩とは、機密情報や個人情報などの重要なデータが、許可されていない第三者に不正に漏れ出すことを指します。情報漏洩が起こると、自社の信頼やイメージの低下、売り上げへの影響など、さまざまな被害に遭う恐れがあります。被害の大きさによっては、高額な損害賠償を請求されるケースもあるため、できるだけ早く情報漏洩リスクへの対策を講じる必要があります。

しかし、いざ対策をするとなると何から始めたら良いのか、どのような対策を採用すればよいのか判断が難しい場合もあるでしょう。

そこで本記事では、情報漏洩のリスクや原因にあわせ、企業におすすめの情報漏洩対策を紹介します。

情報漏洩の被害を防止するために、自社のセキュリティを高める対策を講じたい場合は、ぜひ本記事の内容をご活用ください。

  1. 情報漏洩とは?
  2. 情報漏洩によって引き起こされるリスク
    1. 企業のイメージや信頼が低下する
    2. 被害に応じた損害賠償が発生する
    3. 情報漏洩後の対応にリソースが割かれる
  3. 情報漏洩の主な原因
    1. 外部からの不正アクセスやウイルス感染
    2. 人為的なミス
    3. 意図的な内部不正
  4. 企業におすすめの情報漏洩対策7選
    1. 情報セキュリティ担当者・部署を設置する
    2. 情報の取り扱いマニュアルを作成する
    3. 社員に情報漏洩対策の必要性を定期的に周知する
    4. ウイルス対策ソフトを導入する
    5. ファイアウォールを導入する
    6. セキュリティがより強固な認証方式を採用する
    7. 社内システムの脆弱性を定期的に確認する
  5. 情報漏洩が起こった後にとるべき対処法
    1. 情報漏洩の内容や規模の把握
    2. 原因を特定する
    3. 二次被害の防止
    4. 関係者への情報公開
  6. まとめ

情報漏洩とは?

情報漏洩とは、企業が保有している機密情報などの重要なデータが外部に流出することを指します。

情報漏洩が起こる原因は、ウイルス感染や外部からの不正アクセスのほか、メールの誤送信やシステムの設定ミスなどの人為的ミスを筆頭に、さまざまです。

現代のビジネスシーンにおいてはパソコンなどのデジタル機器やネットワークが広く利用され、企業の機密情報や顧客データの取り扱いが容易になりました。しかし、便利になった反面、管理する情報量や情報を扱う人材が多くなり情報漏洩のリスクは増大しているのが現実です。

情報漏洩によって引き起こされるリスク

情報漏洩が起こると、次のようなリスクにさらされます。

企業のイメージや信頼が低下する
被害に応じた損害賠償が発生する
情報漏洩後の対応にリソースが割かれる

それぞれのリスクについて、順番に説明します。

企業のイメージや信頼が低下する

情報漏洩が発生して顧客にその事実が知られると、企業の管理体制に対する悪いイメージが広がり、社会的な信頼が大幅に低下します。

現代はスマホの普及によって情報が瞬時に拡散されやすい状態であり、情報漏洩の事実がSNSなどで広まった場合、対応が遅れるほど企業が受けるダメージは大きくなるでしょう。

信頼の低下は顧客離れにもつながり、企業全体の業績に悪影響を及ぼす可能性もあります。

被害に応じた損害賠償が発生する

顧客の氏名や電話番号、取引先の機密情報などが漏洩した場合、被害の大きさに応じた損害賠償が発生する恐れがあります。

漏洩した顧客情報が悪用された場合には、高額な損害賠償を請求されるケースも多く、中小企業にとっては一度の損害賠償が致命的な打撃になる危険性も高いでしょう。賠償額が高額になると、たとえ保険に加入していてもまかないきれず、経営の見通しがきかなくなる場合もあるため、被害が広がる前に対策を講じる必要があります。

情報漏洩後の対応にリソースが割かれる

情報漏洩が発生した場合、対応に多大なリソースが必要となります。

まず、原因の調査や復旧作業が求められます。さらに情報を取り扱う際のルールの見直しや、セキュリティ対策の強化といった、再発防止のために必要な取り組みにも時間とコストがかかるでしょう。

自社の情報だけでなく顧客の個人情報も漏洩した場合は、情報漏洩の公表を求められるケースも多く、公表や顧客からの問い合わせへの対応にもリソースが割かれます。

結果的に、業務を遂行するためのリソースが割けなくなり、業務が滞って顧客に迷惑がかかったり、自社の業績に影響が出たりする可能性もあります。

情報漏洩の主な原因

情報漏洩は、主に次のような原因で発生すると考えられています。

外部からの不正アクセスやウイルス感染
人為的なミス
意図的な内部不正

詳細について、それぞれ以下で解説します。

外部からの不正アクセスやウイルス感染

情報漏洩の原因として最も多いものは外部からの攻撃であり、具体的には不正アクセスやウイルス感染が含まれます。

株式会社東京商工リサーチの調査によると、2022年に上場企業とその子会社で公表された情報漏洩・紛失事故の原因のうち、最も多かったのは「ウイルス感染・不正アクセス」(全体の55.1%)であり、半数以上を占めていることが分かりました。

※参考:個人情報漏えい・紛失事故 2年連続最多を更新 件数は165件、流出・紛失情報は592万人分 ~ 2022年「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査 ~ | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ

不正アクセスとは、企業とは関係がない第三者が企業のネットワークに不正に侵入することを指しています。偽のWebページにパスワードやIDなどを入力させて不正に取得した情報でネットワークに侵入したり、セキュリティの脆弱性を狙って侵入したりする方法が、主な不正アクセスの経路です。

ウイルス(コンピューターウイルス)は、パソコンに侵入しデータを破壊したり、個人情報を盗んだりする有害なプログラムで、Webサイトの閲覧やメールに添付されているファイルの開封などによって感染します。ウイルスに感染すると、パソコンの動作が遅くなる、IDやパスワードの変更通知が届く、警告のポップアップが頻繁に表示されるなどの傾向があります。

外部からの攻撃は大企業が狙われるイメージがありますが、近年では、よりセキュリティが脆弱な子会社や取引先企業を踏み台とした攻撃も増えており、企業規模や知名度を問わず、警戒しておく必要があります。

人為的なミス

誤操作や情報の紛失などの人為的なミスも、情報漏洩の原因の一つです。

人為的なミスには外部への機密情報の誤送信や、顧客の個人情報が保存されたUSBメモリやノートパソコンの紛失などが該当するでしょう。

人為的なミスによって情報が漏洩した場合は、ミスを犯した本人がすぐに気づけるケースは少なく、誤送信したメールの受信者からの連絡や、端末の紛失に気づくことよって発覚する場合が多いとされています。

意図的な内部不正

内部不正とは、企業内部者が意図的に情報を流出させる行為を指しています。

具体的な内部不正の例としては、業務を行う上で知った機密情報を許可なく公開する、企業の機密情報を不正に持ち出して売却するなどが主なものです。

内部不正は、現在も働いている社員によるものと、退職者によるものの2通りがあります。社員による内部不正は被害が出て初めて発覚するケースが多く、退職者による内部不正はアクセスした日時などを記録している、アクセスログによって発覚するケースが多いとされています。

企業におすすめの情報漏洩対策7選

ここでは、企業におすすめの情報漏洩対策を7つ紹介します。自社が取り入れやすい対策を採用し、セキュリティを高めて情報漏洩のリスクを低減させましょう。

情報セキュリティ担当者・部署を設置する

情報セキュリティ担当者や専門の部署を設置することで、必要なセキュリティ体制を洗い出し、実行する体制が整います。

例えば、不正アクセスなどの外部からの攻撃や内部不正などの内部からの脅威に対して、十分な対策が取れているかを常に評価することで、高いセキュリティを維持できます。

実際に企業が外部や内部の脅威によって情報漏洩のリスクにさらされた場合も、社内の体制が整っていればスムーズに対応できるでしょう。

ただし、情報セキュリティ担当者や専門の部署を設置しただけでは、十分な対策を実施できるとは限りません。高いセキュリティを保つためには、最新のセキュリティに関する情報を取得し続けるとともに、常にセキュリティ技術の向上を目指し、アップデートさせていく意識を持ち続ける必要があります。

情報の取り扱いマニュアルを作成する

情報漏洩を防ぐためには、情報の取り扱いに関する明確なマニュアルを作成し、全社員に周知を徹底することも重要です。

マニュアルがあれば、情報セキュリティに詳しくない社員であっても安全に情報を取り扱えるため、情報漏洩のリスクを抑えることにつながります。

例えば、社用パソコンの持ち出し禁止、社内での個人用USBメモリの利用禁止、ID・パスワードの取り扱い方法などをマニュアル化すれば、人為的なミスを最小限に抑えられるでしょう。

社員に情報漏洩対策の必要性を定期的に周知する

社員の意識と行動によって情報漏洩のリスクを抑えられることから、情報漏洩対策の必要性を定期的に社員に周知することも大切です。

すでに情報の取り扱いに関するマニュアルを作成していても、社員全体がマニュアルの必要性を理解しているという企業は少ないかもしれません。

マニュアルがあっても社員が内容を守らなければ意味を成さないでしょう。マニュアルの効果を最大限引き出すためにも、定期的に情報漏洩対策の必要性を周知し、情報漏洩に少しでも意識が向くようにしてみてください。

社員と秘密保持義務の誓約書を交わし、情報漏洩に対する理解を深めてもらうことも効果的です。

ウイルス対策ソフトを導入する

ウイルス対策ソフトの導入は、外部からのウイルスやマルウェアによる攻撃から自社のネットワークを保護するための重要な対策です。

ウイルス対策ソフトの機能には、詐欺メールの検知や通知、安全性が低いWebサイトへのアクセスブロック、ウイルス検知などがあります。

実際に導入する場合は、ソフトを常に最新のバージョンにアップデートし、高いセキュリティを維持しましょう。

ファイアウォールを導入する

ファイアウォールは、自社のネットワークと外部との間に壁を作り、第三者からの不正アクセスを防止できるセキュリティツールです。

主な機能としては、不正なアクセスを感知してブロックするフィルタリング機能や、ログを監視して不正なアクセスを感知した際に通知を行う監視機能などが搭載されています。

ウイルス対策ソフトとは異なり、ウイルスによる攻撃からネットワークを保護する機能は搭載されていないため、よりセキュリティを高めたい場合はファイアウォールとウイルス対策ソフトを併用するとよいでしょう。

セキュリティがより強固な認証方式を採用する

システムへのログイン時に、セキュリティがより強固な認証方式を採用することで、第三者の不正アクセスによる情報漏洩のリスクを抑えられる可能性があります。

認証方式の具体的な例としては、CAPTCHA認証や生体認証、多要素認証などが挙げられます。

CAPTCHA認証とは、コンピューターか人間のどちらからのアクセスなのかを判断する認証方法であり、歪んだ文字が記載されている画像を提示して文字を入力させる方式などがあります。

より強固な認証方式は生体認証です。指紋や顔などを登録して認証する方法であり、登録した本人の生体情報がないとセキュリティを突破できない仕組みです。

しかし、強固な認証方式を採用しても、不正アクセスによる情報漏洩のリスクを完全には抑えられないため、異なる認証方式を複数導入する多要素認証によって、より強固なセキュリティ体制を整える必要があります。

セキュリティ対策は安全性だけで選ぶのではなく、扱いやすく自社で簡単に管理できるものを選ぶのもおすすめです。

社内システムの脆弱性を定期的に確認する

新たなセキュリティソフトや認証方法を導入するだけでなく、既存の社内システムの脆弱性を定期的に確認することも重要です。

社内システムの脆弱性とは、企業内のシステムやネットワークのセキュリティ上の弱点を指しています。社内システムの脆弱性をそのままにしていると、脆弱性を狙った攻撃を受け、不正アクセスによる機密情報の漏洩やシステムダウンなどが起こる危険性があります。

システムやネットワークの脆弱性を確認するには、いくつかの方法があります。例えば、脆弱性スキャンツールを使用すれば、自動検出が可能です。さらに、セキュリティベンダーや政府機関の脆弱性情報を参照することもできます。また、外部のセキュリティ専門家によるセキュリティ監査も有効です。

脆弱性は、定期的なセキュリティのチェックやソフトウェアのバージョンの更新、強力なパスワードの設定などによって対策が可能です。

情報漏洩が起こった後にとるべき対処法

万が一、情報漏洩が起こってしまった場合は、どのような対処法をとるべきなのでしょうか。具体的な対処法について解説します。

情報漏洩の内容や規模の把握

まずは、漏洩した情報の内容や規模を正確に把握しましょう。

どのような情報が漏洩したのか、どれくらいの量の情報が漏洩したのかなどの全体像を把握し、内容に応じて対策を検討する必要があります。自社が保有している情報だけが漏洩したのか、顧客の情報までも漏洩したのかによって、取るべき対策が変わってきます。

スムーズに漏洩した情報の内容を確認することで、二次被害を防止できる可能性も高まるため、できるだけ早く全体像を確認しましょう。

原因を特定する

情報漏洩の内容や規模を把握した後は、情報漏洩の原因も特定しましょう。

情報漏洩がどのようにして発生したのかを解明するために、情報の紛失や誤送信といった人為的なミス、不正アクセスやウイルス感染といった外部からの攻撃など、考えられるすべての原因を調査する必要があります。

原因の特定には時間と人材のリソースが必要になり、場合によっては通常業務に影響が及ぶ可能性もありますが、今後同じ原因での情報漏洩を再発防止するためにも確実に原因を特定しましょう。

二次被害の防止

原因の特定と並行して、二次被害を防止するための対策が必要です。

例えば、不正アクセスによってIDやパスワードが漏洩した場合、その情報をもとに社内サイトにログインされ、さらなる情報漏洩が発生するなどといった二次被害につながる恐れがあります。そのため、情報漏洩が発生した際は、二次被害が想定されるWebサービスを停止し、不正アクセスをブロックするなどの対処が必要となります。

二次被害を防止しないと被害が無限に拡大する可能性があり、損害賠償が発生する場合の規模も大きくなるため、現状を把握したら速やかに対策を講じましょう。

関係者への情報公開

情報漏洩によって個人情報が漏洩した場合、または漏洩した可能性がある場合は、状況によって個人情報保護委員会に報告を行う義務が生じます。
加えて、情報漏洩の被害を受けた顧客本人に対して通知する義務もあります。誠実な対応を心がけ、これ以上企業のイメージを低下させないようにしましょう。

また、自社の情報漏洩ではなく、取引先の情報漏洩によって、自社の顧客に影響が及ぶ可能性がある場合も情報公開を検討する必要があります。

自社Webサイトへのアクセスによるウイルス感染や、フィッシング詐欺による二次被害が考えられる場合は、プレスリリースなどを通じて広く情報公開することにより“早急な対応を行う企業である”という印象を与えることにつながります。

まとめ

情報漏洩のリスクが不安な場合は、情報セキュリティ担当者の設置や、情報の取り扱いマニュアルの作成、ウイルス対策ソフトの導入などを検討しましょう。

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