【初心者向け】サーバとは?種類や用途を図解でやさしく解説
- 公開日:2024年10月16日
サーバとは、個々の情報端末からの要求を受けて適切なデータやコンテンツを提供するコンピューターのことです。サーバという用語を耳にする機会は多いものの、正確な意味や役割の詳細まではわからないという方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、サーバの種類や用途について、IT初心者の方にもわかりやすいよう図解で解説します。ぜひ、正しいサーバ選択のための基礎知識としてお役立てください。
- サーバとは
- パソコンとの違い
- サーバの種類は大きく分けて2つ
- 物理サーバ
- 仮想サーバ
- 用途別のサーバ
- Webサーバ
- メールサーバ
- ファイルサーバ
- アプリケーションサーバ
- データベースサーバ
- サーバを選ぶ際のポイント
- 自社サイトの規模への適正・必要機能の有無
- サーバのセキュリティ対策
- 機能・容量などトータルのコストバランス
- まとめ
サーバとは
サーバとは、個々の情報端末から要求されたデータを提供するコンピューターの一種です。直訳すると「提供する側」という意味になります。
提供する側の対義語は「要求する側」で、「クライアント」と呼ばれます。クライアントからの要求(リクエスト)を受けて適切な処理を行い、要求に対応するデータを提供するコンピューターがサーバです。
日常的なところでは、データの閲覧・共有・編集や電子メールの送受信、Webページへのアクセスなどがイメージしやすいでしょう。一般的にこのような場面では、パソコンやスマートフォンがクライアントになります。
例えば、パソコンでWebブラウザーを介して「Webページを閲覧したい」とサーバに要求すると、サーバが応答し、パソコン画面にWebページが表示されます。特定のシステムを作動させるためには、サーバに接続し要求やデータの授受を行う必要があることから、サーバは「システムの司令塔」と言われています。
パソコンとの違い
サーバもパソコンも、一般的にはCPUやメモリ、HDDなどから構成されています。この点では双方に違いはありません。サーバとパソコンで異なるのは、用途と性能です。
一般的なパソコンは、個人や小規模グループのユーザー向け(クライアント向け)に、デスクトップタイプやノートタイプの形態で提供されます。一方、サーバは複数人の同時使用や24時間の稼働を想定し、サーバ用の高スペックCPUが使用されるのが一般的です。
また、多くのサーバでは災害などによる外部からの衝撃にも耐えられるように、耐久性や安定性、セキュリティ対策などを重視した設計が施されています。システム障害に備えて全く同じ機能や役割を持つ予備部品を備えていたり、同じデータを複数のディスクに保存することで速やかにリカバリーする「RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)」機能を搭載していたりするサーバも多く見られます。
サーバの種類は大きく分けて2つ
サーバは、以下の2種類に大別されます。
物理サーバ
仮想サーバ
それぞれ特徴が異なるため、正しく選択できるようしっかりと理解しておきましょう。
物理サーバ
物理サーバとは、その名が示すとおり、「物理的に存在している」1台のサーバのことです。物理サーバは、その使用方法によって「専用サーバ」と「共用サーバ」の2つに分類されます。
専用サーバは、自社保有サーバやレンタルサーバの専有プランを利用し、1台のサーバを自社のみで使用します。OSやアプリケーションを使う際の自由度が高いのが利点ですが、費用が高額になりがちです。
共用サーバは、レンタルサーバの共有プランを利用し、1台の物理サーバを複数のユーザーでシェアして使用します。自社で専用サーバを持つほどではない業務内容の企業や個人で、よく利用されています。共用サーバは、専用サーバよりコストが抑えられる傾向にありますが、OSなどを共有しているため、自由な設定は難しいでしょう。
用語集
仮想サーバ
仮想サーバとは、1台の物理サーバ上で複数のOSを動かすことで、複数の物理サーバが存在しているかのように見せる技術を使って動かしているサーバのことです。1台のサーバを効率よく使用でき、運用コストを抑えられることから、近年多くの企業で採用されています。
仮想サーバの一種のVirtual Private Server(バーチャルプライベートサーバ)略してVPSは、日本語で「仮想専用サーバ」といい、仮想的に存在する自分専用のサーバを使えるシステムです。共用サーバと同じように1台のサーバを複数のユーザーでシェアしますが、VPSでは仮想化技術を使って1台のサーバ内に複数の独立した仮想サーバを作り出し、それぞれに異なるOSを動かすことができます。VPSは、専用サーバよりも費用が安い傾向にあります。
用途別のサーバ
ここでは、用途別のサーバを紹介します。一般的によく使われている以下の5つをピックアップしました。
Webサーバ
メールサーバ
ファイルサーバ
アプリケーションサーバ
データベースサーバ
それぞれ詳しく解説します。
Webサーバ
Webサーバは、情報端末からの要求を受け取り、それに応えるデータを送り返すことでクライアント側に該当するWebページを表示するためのサーバです。コンテンツをWeb上で表示させる役割を担うため、Webサイトを運営する場合には欠かせないサーバでもあります。
Webサーバでは、HTMLファイルやCSSファイル、動画・画像ファイルといったWebページを構成するデータを記録しています。
メールサーバ
メールサーバは、電子メールの送受信サービスを提供するサーバです。電子メールのやり取りを制御しながら円滑に送受信を行う役割を担います。
メールサーバは、送信用と受信用でサーバが分かれているのが特徴です。送信は「SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)」サーバ、受信は「IMAP(Internet Message Access Protocol)」サーバや「POP(Post Office Protocol)」サーバによって管理されています。
ファイルサーバ
ファイルサーバは、同一ネットワーク上にある複数のコンピューター間でデータを共有・使用するためのサーバです。チームで共同作業を行うことが多い場合には欠かせないサーバでしょう。
ファイルサーバは、さらに以下の2タイプに分類されます。
オンプレミス型
クラウド型
オンプレミス型は、自社内にファイルサーバを設置してデータ管理や運用を行うタイプです。一方、クラウド型では、サービス事業者が提供・管理するクラウドを活用してデータの管理・運用を行います。
用語集
アプリケーションサーバ
アプリケーションサーバは、JavaやRubyといったプログラム言語で構築されたプログラムを動かすサーバです。動的なWebサイトのページ作成に使われるもので、Webサーバが担っていない範囲の機能をカバーします。
具体的には、Webサーバからクライアントの要求を受け取り、それに沿ったデータ処理を行った上で処理結果をWebサーバに返します。Webページ上の問い合わせメールやチャット機能などは、アプリケーションサーバによって実現されている動作の一例です。
データベースサーバ
データベースサーバは、大量のデータを保持し、必要に応じて検索したり、データを更新したりするサーバです。データベースとは、一般的に多くの情報を属性づけ、構造化して集約・蓄積したものを指します。
クライアントがプログラム言語を用いてデータベースサーバに要求を出すことで、求めるデータの検索や既存データの更新・削除などを行います。
データベースサーバは、他サーバと連携することが多いという特徴があります。例えば、Webサーバと組み合わさることで「クライアントが入力した検索条件に該当する情報をWebページ上に表示する」といったことを実現します。
サーバを選ぶ際のポイント
サーバを選ぶ際に確認したいポイントは、以下の3つです。
自社サイトの規模への適正・必要機能の有無
サーバのセキュリティ対策
機能・容量などトータルのコストバランス
なぜこれらのポイントをおさえる必要があるのか、解説します。
自社サイトの規模への適正・必要機能の有無
サーバは、自社のサービスやWebサイトの規模、事業に必要な機能に応じられるものを選ぶ必要があります。自社に合ったサーバを選定できていない場合、不必要なコストがかかったり、サイトの動作が遅くなったりするような問題が生じかねません。
例えばWebサーバの場合、小規模なWebサイトには共用サーバ、大規模なコーポレートサイトなどには専用サーバがおすすめです。また、JavaやRubyを活用したコンテンツを運用する場合には、アプリケーションサーバの用意も欠かせません。
サーバのセキュリティ対策
重要なデータを扱うことが多い企業の場合、サーバのセキュリティ対策も重要です。ウイルスチェックや迷惑メールフィルター、データの自動バックアップの有無などを確認しておきましょう。
用語集
機能・容量などトータルのコストバランス
必要な容量や機能は揃っていても、費用が予算を超えてしまうとベストな選択とはいえないでしょう。
レンタルサーバの場合は月額費用に加えて初期費用が設定されていることも少なくありません。機能・容量と、トータル費用のバランスもチェックしておきましょう。
まとめ
ひとくくりにサーバといっても、さまざまな種類やタイプがあります。それぞれが担う役割やカバーできる範囲が異なるため、自社の状況に適したものを選びましょう。
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