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法人が固定電話番号を取得すべき理由とは?番号・回線の種類と選び方を解説

法人が固定電話番号を取得すべき理由とは?番号・回線の種類と選び方を解説

法人設立後や事業が成長し拠点を拡大する際には、会社の固定電話番号を取得するかどうかを検討する必要があります。 現在では、従来の固定電話からクラウドPBXなどさまざまなサービスが提供されています。各サービスの料金体系や機能の違いが複雑なため、自社の現状と将来の成長計画に最適な選択肢を見極める必要があります。

本記事では、法人に固定電話番号が必要な理由から各サービスの特徴・費用、自社に合った選び方まで解説します。

  1. 法人に固定電話番号が必要な理由
    1. ビジネス上の信頼性向上
    2. 個人情報の保護
    3. 口座開設や各種手続きで求められるケースがある
  2. 取得できる固定電話番号
    1. 0AB-J番号|市外局番付きの固定電話番号
    2. 050番号|全国統一の番号体系
  3. 固定電話回線の種類
    1. 加入電話
    2. IP電話
  4. 固定電話番号の費用の目安
    1. 主な費用項目
  5. 電話サービス種別ごとの費用の特徴
    1. 加入電話
    2. 光電話
    3. アプリフォン・クラウドPBX
  6. 法人電話サービスの選定基準
    1. 通話品質を確保できるか
    2. 災害時も事業を継続できるか
    3. 保守サポートが充実しているか
    4. 将来の事業拡張・多拠点運用に対応できるか
    5. テレワーク・外出時の運用に適しているか
  7. まとめ

法人に固定電話番号が必要な理由

携帯電話が普及した現在でも、法人において固定電話番号が求められる場面は想像以上に多く存在します。ここでは法人に固定電話番号が必要な3つの理由を解説します。

ビジネス上の信頼性向上

「03」や「06」などの市外局番から始まる地域ごとに割り当てられた固定電話番号(0AB-J番号)は、その企業が特定の地域に拠点を構えて事業を行っている証となります。

地域を示す電話番号を持つことで、取引先や顧客に安心感を与え、信頼獲得と長期的な関係構築に大きく貢献します。

個人情報の保護

法人の代表番号として固定電話番号を公開することで、代表者や従業員の個人連絡先を外部に公開せずに済みます。Webサイトや営業資料に個人番号を掲載した場合、営業電話や不要な問い合わせが休日や夜間にも入る恐れがあります。

法人としての電話番号があれば、個人の携帯電話に業務関連の連絡が直接入ることを防げ、従業員の個人情報を適切に保護できます。

口座開設や各種手続きで求められるケースがある

法人口座を開設する際、銀行は企業の実在性や事業の継続性を慎重に審査します。この審査過程において、固定電話番号の有無は企業の信頼性を判断する材料のひとつとして扱われています。

固定電話番号は法人口座開設の絶対条件ではなく、携帯電話番号のみでも申請手続きは可能です。ただし、設立間もない企業や物理的なオフィスを持たない事業者の場合、固定電話番号の存在が企業の実態を示す指標となるケースがあります。

取得できる固定電話番号

固定電話で取得できる番号は、「0AB-J番号」と「050番号」の2種類があります。それぞれに特徴とメリットがあり、用途や事業形態によって選択が可能です。それぞれの特徴や活用シーンをご紹介します。

0AB-J番号|市外局番付きの固定電話番号

市外局番から始まる0AB-Jタイプでは、「03」「06」といった地域番号を使用でき、企業の所在地を明確に示せるのが特徴です。

2025年1月に双方向番号ポータビリティが実装されたため、現在は各通信事業者で取得した0AB-J番号を相互に移行できるようになっています。

050番号|全国統一の番号体系

050番号タイプは全国統一の番号体系で、市外局番タイプとは異なり特定の地域を表さない番号です。固定電話サービス以外でも取得できる番号帯のため、電話番号だけでは固定電話かどうかを判断できず、信頼性の面では地域ごとに割り当てられた固定電話番号(0AB-J番号)に劣る側面があります。

ただし、利用する住所に縛られない番号のため、市外局番が変わるエリアへの移転時でも、通信キャリアを変更しなければ継続して利用できるメリットがあります。

なお、050番号では発信者の正確な位置が把握できないため、発信元の所在地特定が必要不可欠である110番・119番といった緊急時の通報サービスへの接続はできません。

固定電話回線の種類

固定電話サービスには、加入電話やIP電話など、いくつかの回線の種類があります。回線によって利用できる番号や通話品質、導入コストが異なるため、目的や利用環境に合わせて最適な回線を選ぶことが重要です。

加入電話

加入電話は、NTT東日本・西日本が提供する固定電話サービスです。従来はアナログ回線とISDN回線(INSネット)の2種類がありましたが、2024年1月からIP網への移行が開始され、現在は移行が完了しています。ISDN回線(INSネット)については、2024年1月に「ディジタル通信モード」が終了しましたが、通話モードは継続しており、INSネットサービス全体は2028年12月31日に完全終了する予定です。

加入電話は、専用回線を使用するためインターネット環境に左右されず、ノイズや遅延が少なく明瞭な音質を保ちます。ただし、電話回線を契約した場所に固定されるため、地理的制約があります。

IP電話

IP電話は、IP(インターネットプロトコル)を利用して音声通話を行う電話サービスです。

IP電話の種類には、光電話、アプリフォン、クラウドPBXの3つの種類があります。

IP電話の種類 概要 電話番号 音声品質
光電話 通信事業者の回線サービスのオプションとして提供される固定電話サービス 0AB-J番号/050番号 クラスA※1
アプリフォン スマホにアプリをインストールして利用するサービス 050番号
※番号の有無はサービスに依存
一般的にクラスC※2
に該当するが、通信環境やサービスによって異なる
クラウドPBX クラウド上でオンプレのPBX機能を提供する電話サービス 0AB-J番号/050番号
※0AB-Jを利用する場合は別途通信キャリアとの契約が必要
一般的にクラスC※2
に該当するが、通信環境やサービスによって異なる

※1 クラスA:固定電話と同等の音声品質
※2 クラスC:携帯電話以下の音声品質

光電話

光電話は光ファイバーネットワークを利用する電話サービスで、光回線の回線終端装置を経由して電話機能を利用します。

取得できる電話番号は「03」「06」などの市外局番から始まる地域ごとに割り当てられた固定電話番号(0AB-J番号)および050番号です。月額料金が加入電話より安価でありながら、通話品質が非常に高いのが特徴です。光回線の安定性により音声が途切れにくく、重要な商談や顧客対応でも安心して利用できます。また、インターネット接続と電話サービスを1つの光回線で同時に利用できるため、通信費の管理が容易になります。

ただし、光回線が未導入の場合は開通工事が必要のため、工事費用と、一般的に2カ月程度の工事期間がかかります。

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アプリフォン

アプリフォンは、スマートフォンやタブレットの専用アプリを通じて、法人電話サービスを利用できるシステムです。専用アプリをインストールするだけで、電話機能が利用できます。

初期費用や月額費用が安価なことが多く、営業活動や出張時でも場所を選ばず通話できます。アプリ事業者と直接契約を結ぶシンプルな契約形態で、複雑な手続きは不要です。既存のデバイスをそのまま活用できるため、追加機器の購入も必要ありません。

ただし、音声品質はネットワーク環境に左右されるため、通信状況が悪い場所では音声が不安定になる可能性があります。

クラウドPBX

クラウドPBXは、インターネット技術を活用したビジネス電話システムで、従来オフィス内に設置していた電話交換機の機能をクラウド環境で提供するサービスです。クラウド上でサービスが提供されるため、物理的な機器設置工事は不要です。

スマートフォン、タブレット、パソコンなどの端末に専用アプリをダウンロードするだけで、会社代表番号による発着信ができます。ただし、インターネット回線に依存するため、回線障害時には利用端末の通信環境によっては通話品質に影響が出るリスクがあります。また、通信事業者のシステム障害の影響を受けやすく、自社でコントロールできない部分があることも考慮が必要です。

用語集

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固定電話番号の費用の目安

法人が固定電話番号を導入・運用する際の費用は、「通信事業者との契約に必要な費用」と、「自社で用意・管理する設備に必要な費用」の2つに分類されます。さらに、導入時のみ発生する「初期費用」と、利用期間中に発生する「月額費用」がそれぞれに存在します。

これらの費用は、利用人数や拠点数の規模や、通話先(固定・携帯・社内・外部)、通話量、サービスの種類(従来型・光電話・アプリフォンなど)によってその内訳や金額が大きく変わります。また、PBXやビジネスフォンなどの設備を自社で保有するか、レンタル・クラウド型で利用するかによっても費用に差が生じます。

主な費用項目

初期費用

回線開通や新規工事、番号取得にかかる費用
電話機やビジネスフォン、PBXなどの機器購入費用
社内配線や設置作業にかかる工事費用

月額費用

回線の基本料金、通話料(通話先や距離によって変動)
機器のレンタル費用や保守・サポート費用(レンタル契約の場合、月額に保守費用が含まれる場合がある)

電話サービス種別ごとの費用の特徴

それぞれの電話サービスによって費用項目が大きく変動するため、自社の規模・利用目的・将来的な拡張性などの観点から最適なサービスを選ぶことが大切です。
通信事業者や専門家に見積もりや相談を行い、具体的なイメージを持ったうえでサービスを選びましょう。

ここでは、電話サービス種別ごとの費用の特徴を紹介します。

加入電話

従来型の加入電話では、回線工事や設備導入にかかる初期費用が高額になる傾向があります。一方で、月額の基本料金は安定しているのが特徴です。小規模な事業所や単独拠点での運用や、基本的な通話機能を重視する企業に適しています。

光電話

光電話では、光回線の新規導入が必要な場合、回線工事など初期費用が発生します。しかし、導入後は通話料金や月額費用を抑えられる場合が多く、中長期的なコストメリットが期待できます。すでにオフィスに光回線が導入されている企業であれば、工事費用を大幅に削減できるため、導入時の負担を軽減できます。

アプリフォン・クラウドPBX

アプリフォンやクラウドPBXは、従来型のような大規模な工事や専用機器の購入が不要なため、初期費用は比較的低いといえます。一方、月額費用は利用する人数や拠点数に応じて変動します。
インターネット環境があれば迅速に導入でき、新しい拠点の追加や従業員数の増減にも柔軟に対応できます。また、多くのサービスでは保守・サポート費用が月額料金に含まれているため、自社でのシステム管理負担を軽減しながら運用できる点も魅力です。

法人電話サービスの選定基準

法人電話サービスを選ぶ際、コストだけでなく総合的な視点での比較検討が重要です。選定する際に気をつけたいポイントを解説します。

通話品質を確保できるか

特に顧客との商談や営業活動を電話で行う企業では、通信品質の安定性が事業成果に関わってきます。アプリフォンやクラウドPBXなどのインターネット経由サービスは、ネットワーク環境の影響を受けやすく、通信状況によっては音声の途切れや遅延が発生する可能性があります。

一方、光電話は、インターネット接続による通話ではあるものの、電話専用の経路を通るため音声に安定感があり、高品質な通話が期待できます。

不動産仲介や保険代理店のように電話での商談が多い業種では光電話が適していますが、多少の通話品質の変動があっても問題なく業務できるのであれば、アプリフォンやクラウドPBXも選択肢に入ります。

災害時も事業を継続できるか

緊急事態発生時における通信手段の確保は、企業の危機管理において重要な検討事項です。従来の固定電話は停電時に使用できなくなる場合があり、インターネット回線に依存するサービスも回線障害の影響を受ける可能性があります。

災害時における各サービスの特性を理解しておくことが重要です。

光電話は光ファイバーの安定した回線により天候や外部環境の影響を受けにくい特徴があります。ただし、光ファイバーケーブルが災害で切断されたり、停電で電源が失われると通話できなくなるリスクがあります。

アプリフォンは、携帯電話の電波が届く場所ならどこでも使えるため、オフィスが使えない時の代替手段として有効です。

業務継続計画(BCP)の観点から、複数の通信手段を組み合わせることが推奨されます。普段は高品質な光電話を使い、緊急時には自動でモバイル回線に切り替わるバックアップシステムを導入すれば、事業の継続性を確保できます。

用語集

保守サポートが充実しているか

電話回線は日常業務に欠かせないツールです。システム障害が発生した際の対応速度によって、事業継続への影響が大きく左右されます。
サービス種類によって必要なサポート体制は異なります。光電話の場合、企業のオフィス内に設置された機器の保守が必要なため、ハードウェア故障時の現地対応や交換部品の迅速な調達が重要なポイントになります。

クラウドPBXの場合、主にソフトウェアやアプリの設定サポートが中心となります。
自社の業務特性に合ったサポートレベルを選択することが大切です。例えば、電話での顧客対応が多い営業会社では24時間365日対応が必要となりますが、夜間や休日に電話業務を行わない企業であれば、平日の日中対応でも十分な場合があります。
契約を締結する前に、サービス内容を詳細に確認し、自社のニーズに適合するかを慎重に検討しましょう。

将来の事業拡張・多拠点運用に対応できるか

将来事業が成長し、従業員が増加した際の電話環境も考慮したいポイントです。

クラウドPBXは管理画面から内線番号を追加でき、物理的な機器増設が不要です。1つのシステムで複数の内線を一元管理し、代表番号への着信を適切な担当者に自動振り分けできます。しかし、クラウドPBXは一般的に利用人数に応じて月額料金が増加する仕組みのため、従業員数が非常に多い場合や長期利用を想定する場合は光電話の方がコスト面で有利になる場合もあります。

テレワーク・外出時の運用に適しているか

リモートワークが当たり前となった現在、場所に関係なく法人の固定電話番号が使える柔軟性が求められています。市外局番から始まる固定電話では転送設定が必要で、設定の複雑さが課題となります。

電話番号付きのアプリフォンを利用すれば、インターネット環境があればどこでも同じ番号での通話が可能になります。転送機能に依存する必要がなく、導入費用も抑えられるため、小規模事業者でも手軽に始められます。通話料が安価な点も、リモートワーク中心の業務形態には経済面でメリットがあります。

まとめ

法人として事業を行う上で、固定電話番号の取得は企業の信頼性向上につながる重要な要素です。携帯番号だけでは伝わりにくい「地域に根差した拠点性」や「代表窓口としての安心感」を示すことができ、取引先や顧客との関係構築に役立ちます。
固定電話サービスには複数の種類がありますが、高品質な通話環境を確保しながらコストを抑えたい企業にとって、光電話が有力な選択肢です。インターネット接続による通話でありながら電話専用の経路を通るため音声が安定し、重要な商談や顧客対応でも安心して利用できます。

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