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【初心者向け】サーバ構築とは?構築の手順を基本から解説

サーバ構築とは、ネットワーク上で行うメールの送受信やデータ保管などの業務を遂行できるよう、サーバシステムの環境を構築することです。自社に適したサーバ構築を行うことで、データの安全性や業務効率の向上、柔軟なサービスの提供が可能となり、業務の安定運用やスムーズな情報共有が実現できます。

サーバ構築を成功させるためには、自社ニーズに即したサーバ選びや設計、構築が不可欠です。しかし、自社にサーバ構築に関する知識やスキルを持つ人材がいない場合、一筋縄ではいかない作業となるでしょう。

そこで本記事では、サーバの基礎知識から構築手順、ポイントなどをサーバ構築の初心者にもわかりやすく解説します。

  1. サーバとは
  2. サーバの種類
    1. ハードウエア
      物理サーバ(専用サーバ・共用サーバ)
      仮想サーバ(VPS・クラウドサーバ)
    2. ソフトウエア
      Windows系
      UNIX系
      Linux系
  3. サーバを構築する手順
    1. 要件定義
    2. システム設計
    3. 構成図の作成
    4. サーバ構築
  4. サーバを構築するときのポイント
    1. 用途に合ったサーバを選ぶ
    2. セキュリティ設定を行う
    3. 安定性を重視した運用を行う
    4. 非常時に備える
  5. サーバ構築のお悩みは専門家に相談しよう
  6. まとめ

サーバとは

サーバとは、ユーザー(クライアント)からのリクエスト(要求)に対してネットワークを通じて必要な処理を行い、データや機能を提供(Serve)するコンピューターのことです。

通常、パソコン利用時にサーバの存在を意識することは少ないかもしれません。しかし、インターネットで検索をしたい、メールを送受信したいなど、このようなユーザーの要望に応えているのはサーバです。見えないところで複数のサーバが連携しながら、ユーザーからの多種多様なリクエストに対応しています。

さまざまなリクエストや多くのアクセスに応えるために、サーバには一般的なパソコンよりもはるかに大きな容量と高い性能が求められます。

◎「サーバ」の詳しい解説はこちら

サーバの種類

サーバは、「ハードウエア」と「ソフトウエア」の2種類の要素で構成されています。この2種類を混同してしまうとサーバ構築についても理解しにくくなるため、ここでしっかりと確認しておきましょう。

ハードウエア

ハードウエアは、以下の2種類に大別されます。

物理サーバ(専用サーバ・共用サーバ)
仮想サーバ(VPS・クラウドサーバ)

それぞれ詳しく解説します。

物理サーバ(専用サーバ・共用サーバ)

物理サーバとは、その名の通り、物理的に存在するサーバのことです。物理サーバには、社内に自社専用のサーバ本体を設置する「専用サーバ(オンプレミス)」と、1台のサーバを複数のユーザー(複数社)で共有して使用する「共用サーバ」があります。

専用サーバは、設定やカスタマイズの自由度が高い点が魅力です。自社の単独使用のため、共用サーバよりもセキュリティリスクも少ないと考えられます。一方で、初期費用(サーバ本体の購入代や設定・インストール費用など)や運用(点検や保守など)にかかる費用が共用サーバよりも高額になる傾向にあり、適切に運用するための専門知識も求められます。

共用サーバは、「共有サーバ」とも呼ばれ、レンタルサーバの大半がその中に含まれます。共用サーバの魅力は、多くの月額制プランのなかから、自社の予算・ニーズに合ったものを選べる点です。まずは手頃な価格帯からサーバ構築を始められます。しかし共用サーバでは、設定変更の可能範囲や使用できるソフトウエアに制限があり、自社システムに合わせた詳細なカスタマイズは難しいとされています。

仮想サーバ(VPS・クラウドサーバ)

仮想サーバとは、仮想化技術を用いることで、物理的には1台のサーバを複数の仮想的なサーバとみなして稼働させる仕組みのことです。仮想サーバは言い換えれば「物理サーバ上に構築されたソフトウエア」であるため、CPUやメモリーといったハードウエアはありません。実際に仮想サーバを運用する際には、物理サーバのハードウエアを利用してソフトウエアを動かします。

仮想サーバ

仮想サーバ

仮想サーバに該当するのは、「VPS」や「クラウドサーバ」です。

VPSとは「Virtual Private Server(バーチャルプライベートサーバ)」の略で、インターネットを通じて使える専用サーバのことです。日本語では「仮想専用サーバ」と呼ばれます。

VPSでは1台の物理サーバ上に複数の仮想サーバを構築し、それぞれにOSを割り当てるため、共用サーバのようにほかのユーザーの影響を受けることはありません。さらにユーザーにはroot権限(管理者権限)が提供されるため、サーバを初期化したり、OSをゼロから構築したりすることが可能です。

一方で、VPSはユーザーがサーバを構築するため、メンテナンスも自社で実施しながら運用する必要があります。OSのバージョンアップ作業や、ソフトウエアに脆弱性が発生した場合の対処といった手間が生じる点はデメリットといえるでしょう。

クラウドサーバは、クラウド提供事業者のインフラ上に構築された仮想サーバのことです。VPS同様にインターネットを通じて利用するため双方は混同されがちですが、クラウドサーバはVPSよりもカスタマイズ性・拡張性が高いのが特長です。

ただし、利用量に応じてコストが変動するため、適切なコスト管理を行う必要があります。またユーザー側で設定やメンテナンスを行うことから、専門知識が求められます。

用語集

OS

ソフトウエア

コンピューターやスマートフォンを動かすためにWindowsなどのソフトウエア(OS)が使われるのと同様に、サーバを動作させるためにはサーバ専用のソフトウエア(サーバOS)が必要です。サーバOSには、主にWindows系、UNIX系、Linux系の3系統があります。

それぞれの系統の特徴を押さえておきましょう。

Windows系

Windows系は、マイクロソフト社が提供するサーバOSです。自宅やオフィスでよく使用されているクライアント向けOSのWindowsと画面の構成や操作方法が似ていることから、多くの人にとってなじみやすいサーバOSとされています。

数多くの関連書籍やマニュアルなどが販売されており、必要な情報が得やすいのも特徴です。サーバ構築の初心者でも操作しやすい点は、Windows系の強みでしょう。

ただし、Windows系のソースコードは公開されていないため、利用の際にはライセンスが必要となります。

UNIX系

UNIX系はLinux系の元になったOSで、Windows系よりも初期から「マルチタスク」を備えるOSとして開発されたサーバOSです。マルチタスクとは、複数ユーザーが同時に1つのソフトウエアを利用できる機能を指します。

サーバOSの元祖ともいえるUNIXをベースとするOSは多くあり、Mac OSがそのひとつです。

UNIX系は安定性が高く、余計な機能が少ないために低スペックでも動かしやすいのが魅力ですが、Windows系とは異なりコマンドで操作するのが一般的であることから、専門知識を要します。

Linux系

Linux系は、オープンソースのサーバOSです。UNIXをベースにしたOSですが、「誰でも無料で使える」点でほかの2系統とは大きく異なります。これは言い換えれば「誰もがLinuxをベースに新たなOSを作ることが可能」ということで、例えば、スマートフォン用OSのAndroidもLinuxをベースに開発されています。

Linux系は無料ゆえに世界的に普及しているサーバOSであるものの、UNIX系同様にコマンドを使った操作となるため、専門知識が求められる点はデメリットといえるでしょう。

サーバを構築する手順

ここからは、サーバ構築の流れを手順に沿って解説します。
サーバ構築の流れは以下の通りです。

要件定義
システム設計
構成図の作成
サーバ構築

それぞれ詳しく確認しておきましょう。

要件定義

要件定義とは、本格的なサーバ構築の工程に入る前にさまざまな要求をまとめ、具体的な進め方を定める作業のことです。要件定義はサーバ構築における基準を決める重要な工程のひとつで、システム開発でも同様の作業が行われます。

要件定義では、サーバの導入目的や役割、期待する機能などを明確化した上で、クライアントや関連部門からの要求をヒアリングし、サーバに求める処理性能や容量、必要数などを検討します。併せて、災害や障害が発生した場合の復旧時間や体制などについても定義しておくと、BCP(事業継続計画)対策にもつながるでしょう。

(※)BCP(事業継続計画)…災害や障害の発生時でも事業を継続できるよう、あらかじめ計画を立てておくこと

◎「ITのBCP対策」の詳しい解説はこちら

システム設計

続いて、要件定義によって明らかになったサーバの導入目的や役割、期待する機能をもとに、採用するOSやCPU、メモリー、ストレージなどを決定します。これらのほかにも、サーバの安定性や信頼性を担保する方式(例:冗長化やバックアップの方法など)も設計しておきましょう。

さらに、要件を実現するためには、自社に適したアプリケーションも必要です。それらに要するデータベースやWebサーバ、バックアップやセキュリティなども、ここで選定しておきます。

用語集

構成図の作成

構成図とは、システムの全体像を視覚的にわかりやすく共有できるよう図で表したものです。構成図は、サーバの構築中にとどまらず、改修時などでも情報共有のための資料として役立ちます。

構成図は、「システム構成図」「ネットワーク構成図」「サーバ構成図」の3種類に大別されます。

それぞれの特徴を以下にまとめました。

システム構成図
  1. システムの機能を中心に記した図
  2. ハードウエアの構成を表す
ネットワーク構成図
  1. ネットワークを構成する機器同士の接続関係を記した図
サーバ構成図
  1. サーバの役割や配置などを記した図
  2. サーバにまつわる情報がまとめられている

上記のうち、ネットワーク構成図とサーバ構成図の2つをまとめて「インフラ構成図」と呼ぶこともあります。

「サーバ構築が目的の場合は、サーバ構成図だけを作成すればよいのでは?」と思われるかもしれませんが、システムは、さまざまな要素や技術が組み合わさることで機能を発揮するものです。システム内でそれぞれの構成要素がどのように関係しているかを理解しておくことが、将来問題が起きた際やシステムを拡張する際などの迅速な対応につながるため、サーバ構築を機にシステムの全体像を明確にしておくとよいでしょう。

サーバ構築

前工程で作成した構成図をもとに、サーバ環境を構築するフェーズです。物理サーバを自社内に設置する場合には、まず設置場所の確保や配線作業を行う必要がありますが、仮想サーバの場合は、物理的な作業を省略できます。

サーバ上でOSのインストールや初期設定、ネットワークの設定などが完了したら、基本的な動作や性能の測定などを実施しましょう。このとき、障害時の復旧についてもしっかりとテストしておくことが重要です。

サーバを構築するときのポイント

サーバの構築を成功に導くためには、いくつかのポイントがあります。

主なポイントは、以下の4つです。

用途に合ったサーバを選ぶ
セキュリティ設定を行う
安定性を重視した運用を行う
非常時に備える

それぞれ詳しく解説します。

用途に合ったサーバを選ぶ

サーバを構築する際、最初のポイントとなるのがサーバ選びです。適切なサーバを選ぶためには、自社のニーズを正確に把握するところから始める必要があり、そのために実施されるのが要件定義です。

要件定義で整理した情報をもとに、自社の業務量に最適なサーバの台数やスペックを慎重に検討しましょう。サーバのスペックは、不足すると応答速度の低下などにより業務に支障が出る恐れがありますが、だからといって不必要に高いスペックを選択すると、初期費用や運用コストが増加します。

「せっかく予算を割いたのに、スペック不足により、かえって業務に支障が出てしまった」といったことにならないよう、自社に適したサーバを選ぶことが肝心です。

セキュリティ設定を行う

サーバの稼働後に重要となるのが、セキュリティに関する設定です。

サーバでは機密情報を取り扱うことが多いため、サイバー攻撃のターゲットになりやすい傾向にあります。万が一、サイバー攻撃などによって情報漏えいが起こった場合、企業の信用は失墜してしまうでしょう。

そういった事態を避けるためには、計画的にアクセス制御やパスワードの複雑化などを行うといったリスクマネジメントが求められます。クラウドサーバの場合は提供事業者がサーバの管理を担うため、信頼できる事業者選びも必要です。

◎「情報セキュリティ」の詳しい解説はこちら

安定性を重視した運用を行う

スムーズな業務の進行を維持するため、サーバには常に安定した稼働が求められます。そのため、サーバの構築と併せて、サーバに異常が生じた際にはすぐに見つけられる仕組みづくりを進めておきましょう。

サーバの異常を迅速に発見するためには、サーバの稼働状況を把握・分析する監視ツールの導入と活用が有効です。また、自社で監視・運用を行うことに不安がある場合は、専門の事業者に相談するとよいでしょう。

非常時に備える

故障や災害などの非常時にサーバの稼働がストップするリスクに対しては、冗長化が理想的です。冗長化とは、万が一に備えて全く同じ機能や役割を持つ設備を予備として準備しておくことで、これにより非常時でも業務や運用を停止することなく対応や復旧が可能となります。

ただし、冗長化のために全サーバを並行稼働するとなると、それ相応のコストがかかるでしょう。そのため、緊急度が高くないサーバについてはこまめなバックアップなどで対応するのも手段の一つです。

◎「冗長化」の詳しい解説はこちら

サーバ構築のお悩みは専門家に相談しよう

サーバ構築では、自社のニーズにマッチしたサーバ選びや設計、構築を行う必要があります。しかし、業務内容や必要とするセキュリティ対策は企業によって異なるため、「何から手をつければよいのかわからない」とお悩みの担当者の方も多いでしょう。

そのような場合は、サーバ構築の専門家に相談するのがおすすめです。サーバ構築や運用のノウハウを持つ事業者に相談しながら進めれば、自社に最適なサーバ構築が実現できます。

関西でメールサーバやWebサーバをお求めの企業さまには、光ファイバーネットワークを提供する「オフィスeo光」のホスティングサービスがおすすめです。オフィスeo光なら、大容量のホスティングサービスが1,500円(税抜)/月〜より利用可能です。

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まとめ

サーバ構築を成功させるためには、自社に適したサーバを選び、自社ニーズに即した設計と構築を行う必要があります。自社にサーバ構築を担える人材がいない場合には、専門家に相談するのがおすすめです。

関西の法人さま向けに光ファイバーネットワークを提供する「オフィスeo光」のホスティングサービスでは、作業代行サービスやサーバ乗り換え安心おまかせパックをご用意しております。サーバ構築にお悩みの際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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