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ITインフラとは?見直しのポイントや構築方法を具体的に解説

ITインフラとは?見直しのポイントや構築方法を具体的に解説

ITインフラとは、パソコンやサーバといった業務に必要なIT関連の機器やシステム、ネットワーク環境などを総称した、社内のIT環境のことです。ITインフラを最適化することは、業務の効率化に直結するといっても過言ではありません。

本記事では、ITインフラを構成する要素、社内にITインフラを新規構築する際の一般的な流れについて解説します。現在のITインフラを見直すポイントについても解説しているので、業務のさらなる効率化を目指すヒントとしてお役立てください。

  1. ITインフラとは
  2. ITインフラを構成する要素
    1. ハードウエア
    2. ソフトウエア
  3. ITインフラの構築の流れ
    1. 要件定義
    2. 設計
    3. 実装
    4. テスト
    5. 運用
  4. ITインフラの新規構築と見直しのポイント
    1. 社内のニーズを明確にする
    2. 快適性を重視する
    3. セキュリティ対策を行う
    4. 緊急時に備えた対策(BCP対策)を行う
    5. 保守・監視体制を整える
  5. ITインフラ構築は専門家に相談しよう
  6. まとめ

ITインフラとは

そもそも「インフラ」とは、電気やガス、上下水道、鉄道、道路や各種公共施設など、生活を支える基盤となる施設や設備、サービスを指す言葉です。インフラは種類によって分けられ、例えば交通や鉄道、運輸などは「交通インフラ」、光ファイバー回線網や通信環境は「通信インフラ」に分類されます。

本記事で取り上げる「ITインフラ」は、パソコンやサーバといった業務に必要なIT関連の機器やシステム、ネットワーク環境などを総称した、社内のIT環境のことです。

企業活動の基盤部分は「社内インフラ」と表現されますが、「ITインフラ」は社内インフラの中でも重要な役割を占めるものであり、IT関連の基盤となる設備を指します。具体的にITインフラには、パソコンやサーバといったIT機器のほか、機器に搭載するOSなどの物理的でない設備も含みます。

なお、「通信インフラ」と「ITインフラ」とは異なる概念です。しかし、個々に存在するハードウエアやソフトウエアをネットワークでつなぐ「通信インフラ」という基盤の上に「ITインフラ」が成り立っているため、相互には深い関係性があります。

用語集

ITインフラを構成する要素

ITインフラは、ハードウエアとソフトウエアによって構成されます。これらが適切に運用できていないと、サイバー攻撃や人為的なミスによる機密情報の漏えい、データ改ざん、また機器の故障などといった問題につながる恐れがあります。

では、それぞれ詳しくみていきましょう。

ハードウエア

ハードウエアとは、ITに関連する物理的な設備のことです。例えば、身近なものにはパソコン本体やサーバ、ストレージなどが該当します。また、ネットワーク機器も、ITインフラにおける重要なハードウエアです。

サーバとは、パソコンやスマートフォンといった情報端末からの要求を処理するコンピューターのことです。パソコンなどの端末はサーバとつながることで、ネットワーク上の情報にアクセスできます。Webサーバやファイルサーバ、メールサーバなどさまざまな種類があります。

ストレージとは、容量の大きいデータを格納できる装置やシステムのことです。パソコンやモバイル端末などのデータの保管場所で、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などといった記憶媒体の総称となります。

ネットワーク機器とは、ルータやスイッチなど、IT機器同士をつなげる通信網を構築するための機器です。ネットワークには、社内や敷地内などといった限定されたエリア内でのネットワークである「LAN(ローカルエリアネットワーク)」、本社と支社や支社同士など、離れた拠点にあるLAN同士をつなぐ「WAN(ワイドエリアネットワーク)」があります。高品質なネットワーク環境は、ITインフラの土台ともいえるでしょう。

ソフトウエア

ハードウエアとは対照に、非物理的な設備のことをソフトウエアといいます。ソフトウエアはハードウエアに命令を出すプログラムで、OS(オペレーティングシステム)やミドルウエアなどが該当します。

OSとは「Operating System」の略で、ハードウエアやアプリケーションの動作・管理するためのシステムです。代表例に、WindowsやmacOSなどがあります。

ミドルウエアは、OSとアプリケーションの間で、両者を補助しながら橋渡し的な役割を果たすソフトウエアです。OS単体では対応できない複雑な処理や動作を行うもので、例えば、サーバやデータベース上での処理はミドルウエアの仕事です。

ITインフラの構築の流れ

ここからは、ITインフラを構築・運用する際の、一般的な流れについて解説します。現在のITインフラの見直しにも役立ちますので、ぜひ順に確認してみてください。

要件定義

まずは、ITに関する社内のニーズを把握することからスタートします。例えば、業務に合わせてどのような機能、どの程度のスペックを備えたハードウエアが必要か、規模はどのくらいでパソコンやルータなどの機器は何台必要か、通信回線はどのようなプランが適しているかなどといった点を洗い出し、計画書を作成しましょう。

機能のほか、使いやすさ・拡張性・セキュリティなど、品質的な要件(非機能要件)も整理した上で、ITインフラ構築を計画することが大切です。必要なIT機器・設備のビジョンを明確にすることで、自社のニーズにマッチしたITインフラを構築できます。

用語集

設計

要件定義に基づいて、物理的な構成を決めます。これには、ハードウエアの選定・配置、社内ネットワークの設計、データセンターの構築などが含まれます。

その後、OS、データベースなどのソフトウエアを選定していきます。選定の際には、要件定義の際にまとめた社内のニーズを考慮しましょう。例えばOSには機能の違いや得意・不得意とされる分野があるため、業務に合わせて検討していく必要があります。

また、設計の際には、セキュリティ対策も徹底して考慮する必要があります。デバイスやサーバ、回線などにおいて自社に合った設計を行い、情報漏えいやサイバー攻撃に対する対策、データ管理などを正しく行いましょう。

実装

ハードウエアとソフトウエアを導入し、設定と構成を行っていきます。このとき、先述した情報漏えいやサイバー攻撃といった脅威のほか、災害や回線障害の発生にも備えが必要です。

有事でも業務を最低限遂行する対策として、ITインフラの「冗長化」が極めて重要となります。冗長化とは、ハードウエアやソフトウエア、ネットワーク、システムなどに何らかの障害が発生した際に備え、平時から予備の設備を準備し運用することです。

冗長化することで、障害の復旧活動を行いながら、予備設備によって通常業務を遂行できます。詳しくは、以下の記事をご参考ください。

◎「冗長化」の詳しい解説はこちら

テスト

実装が完了したら、計画書やハードウエア・ソフトウエアなどの仕様書に従い、システムが正常に作動するかのテストに移ります。
それぞれの機器や設定を単独で検証する「単体テスト」、複数の機器を連携させ、一連の動作を確認する「結合テスト」、そして本番を想定した「システムテスト」で、実際の業務における処理速度の確認や負荷試験など行います。

想定した結果を得られない場合は、ハードウエアのスペックやソフトウエアの機能・性能、サーバの容量、または契約した通信回線事業者の回線速度に問題があるかもしれないため、一つひとつを見直してみましょう。

運用

テストの結果、問題なくシステムが構築できていれば、実務で運用していきます。セキュリティは常に最新の状態を保ち、トラブルが発生した際に迅速に対応できるよう、マニュアルの設定と周知が必要です。

なお、システムの安定した稼働のためには、ネットワークやサーバを監視する必要があります。ルータやスイッチ、パソコンなどのハードウエアに異常が発生していないかどうかを測る「死活監視」や、メモリーやディスク容量が想定の使用率の範囲内で稼働しているかをみる「リソース監視」、不正アクセスやサイバー攻撃を受けていないか、セキュリティに問題をきたす変更が加えられていないかなどをチェックする「セキュリティ監視」など、項目は多岐にわたります。

これらの監視を、通常業務を行いながら実行するのは大変な負担となるため、ネットワーク監視ツールの導入や、サーバ監視代行への依頼を検討するのがおすすめです。IT環境やシステムの運用・保守・監視を代行する外部委託企業を「MSP(マネージドサービスプロバイダー)」といい、企業が提供するツールやサービスの利用によって、システムの運用や監視の手間を最小限にできます。

ITインフラの新規構築と見直しのポイント

ITインフラの新規構築にあたって、特に重要となるポイントをまとめました。導入後のスムーズな運用のため、各項目をチェックしてみてください。また、現在のITインフラの見直しにもお役立ていただける内容ですので、すでにITインフラを構築されている方もぜひご確認ください。

社内のニーズを明確にする

事業内容や企業の規模などにより、ITインフラの構成は異なります。自社にマッチしたITインフラを整備するため、全てのシステムに対し、導入する目的を明確にしましょう。

インフラ構築のための要件定義の際、業務を統括する人、実際にシステムを使用する人、導入・運用に関連する予算を管理する人など、システムの導入にかかわる人材にヒアリングを行うのは有効です。システムに関連する予算を検討し、予算内で必要なシステムを導入できるよう優先順位を定めましょう。

すでに構築されているITインフラの見直しの際にも、システムに関わっている人員に対し、使い勝手や予算について改めてヒアリングを行うのがおすすめです。

快適性を重視する

当然のことですが、パソコンやサーバの動作がスムーズでない場合、使用者のストレスにつながり生産性は低下します。また、ネットワークの遅延やシステム障害が頻発すれば、作業が中断され、業務の進行に支障をきたすことになるでしょう。注意すべき点は、ハードウエアの処理能力とネットワークの構成です。

業務内容に対してハードウエアの処理能力が追いついていない場合、パソコンやサーバにおける処理が遅くなり、作業効率が悪くなります。業務内容を考慮し、十分なスペックを備えた機器への見直しを検討するのは有効です。

また、ネットワークの構成が適切でなければ、それらのスペックを最大限活かすことができません。ネットワークの速度が遅いと、快適なオンライン会議や、データのスムーズなやり取りができない恐れがあります。

現在、通信環境が光回線以外である場合は、光ネットワークへの切り替えを検討するのがおすすめです。高速かつ安定したネットワーク環境を構築できる光回線なら、高スペックなハードウエアの処理能力を十分に活かすことに役立ちます。

あらゆる業務に関係するITインフラの安定性とパフォーマンスの最適化による「快適性」は、 ITインフラの新規構築と見直しのどちらにおいても重要なポイントとして意識しましょう。

◎「ネットワーク構築方法」の詳しい解説はこちら

セキュリティ対策を行う

ITの活用には、ウイルス感染や不正アクセスなど悪意のある第三者からの攻撃リスクを伴うため、強固なセキュリティ対策が必須です。

近年サイバー攻撃の被害は増加傾向にあり、新たな手口が次々と登場しています。特に、マルウエア(悪意のあるソフトウエアや悪質なコード)を使って機器を遠隔操作する攻撃のほか、生体ハイジャック(主に、スマートフォンの生体認証システムの脆弱性を悪用し乗っ取る)によって本人になりすまし、銀行アプリや決済アプリを操作されるといった被害も報告されています。

フィッシングメールを利用した攻撃では、従業員がメールのリンク先にアクセスしてしまうことにより、マルウエアの侵入や不正アクセスによる情報漏えいにつながるケースがあります。
またセキュリティ対策が十分でない取引先企業を踏み台にして、標的の企業に攻撃を仕掛けるサプライチェーン攻撃の被害にあうと、関係する企業にも大きな影響が生じる可能性もあります。

このような事態を防ぐため、セキュリティ対策の見直しや、対策マニュアルの更新および従業員への周知・意識徹底、セキュリティソフトのアップデートなどを定期的に実施することが大切です。

また、外部からの攻撃だけでなく、内部不正や過失による情報漏えい・データ損失にも備えなければなりません。アクセス権限の管理を徹底することに加え、従業員へのセキュリティ教育や定期的なソフトウエアのアップデートも重要です。

徹底したセキュリティ対策を講じることでリスクを極力抑え、より安全なITインフラを構築できます。

◎「情報セキュリティ」の詳しい解説はこちら

緊急時に備えた対策(BCP対策)を行う

BCP(事業継続計画)とは、緊急事態においても企業がビジネスを継続できるよう計画を立てておくことです。なかでもITに特化した事業継続計画「IT-BCP」は、災害やサイバー攻撃などによる障害が発生した場合において、ITシステムの運用を維持することを目的としています。

サーバやルータなどのハードウエアに不備が生じた場合に備え、予備設備の準備はできているでしょうか?必要最低限の設備では、機器に不具合が生じた際、復旧するまで業務がストップしてしまう恐れがあるため、予備設備の設置は重要です。

サーバやパソコンの不具合によるデータ損失にも備えましょう。自社のハードウエア内に保存しているデータについて、可能なものはクラウド上に保存することで、システム異常におけるデータ消失のリスクを低減させることができます。

そして、ITインフラにおける冗長化は、ネットワーク環境においても同様です。ネットワーク障害が発生すると、取引先との連絡手段が限られます。また、顧客からの問い合わせ・注文などの機会損失にもつながってしまうため、ネットワークの冗長化も検討してみてください。

「ITインフラの冗長化」は、IT-BCPの取り組みのなかでも重要な要素となるため、関連記事もぜひご確認ください。

◎「IT-BCP」の詳しい解説はこちら

用語集

保守・監視体制を整える

ITインフラを快適に利用し続けるためには、システムの監視体制を整えることも大切です。システム異常の早期発見・対応によって、災害やサイバー攻撃による被害を最小限に抑えることにつながります。

先述のように、ネットワーク監視ツールやサーバ監視代行を活用すると、システムの異常を迅速に察知し対応できるようになるでしょう。

さらに、監視体制を強化することは、システムの潜在的な問題を明らかにすることにもつながります。例えば、サーバのリソース不足やセキュリティ設定の脆弱性などといった問題です。

適切なメンテナンスやセキュリティ強化のためにも、ITインフラの保守・監視体制を整えましょう。すでに保守・監視体制が敷かれている場合も、改めて体制を見直してみることは有効です。

ITインフラ構築は専門家に相談しよう

ITインフラの構築は、自社内で行うことが可能です。しかし、社内の全てのニーズを完全にカバーするには、高難易度の技術や知識を求められるでしょう。

自社に適したITインフラ基盤の構築や、必要な部分だけを委託できる事業者は多数存在します。新規構築や見直しの際は、専門家への相談を検討してみてください。なかでも、ネットワークの構築については、ネットワーク回線の専門家である回線事業者に相談するのがおすすめです。

まとめ

ITインフラ構築には多くの注意点があり、時間や労力、そして深い知識を要します。また、適切なITインフラを構築できたとしても、高品質なネットワーク環境が整っていなければ、IT機器の性能を十分に発揮させることはできません。

ネットワーク環境の構築・見直しの際には、関西の法人さま向け光ファイバーネットワークサービス「オフィスeo光」を展開するオプテージへ、ぜひご相談ください。高品質・低価格のインターネットや光電話サービスから、メール・Web・データベースをパッケージ化したホスティングサービス、サイバー攻撃に備えるセキュリティサービスまでご用意しております。

また「オフィスeo光」は、ネットワークの冗長化にもおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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