社内Wi-Fiを導入するには?メリットや注意点と一緒に分かりやすく解説
- 公開日:2024年8月16日
Wi-Fiとは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを無線でネットワークに接続させる技術のことです。
社内Wi-Fiの環境を構築すると、LANケーブルが不要のためスッキリしたオフィスになったり、固定の席以外の場所で仕事ができたりするため、従業員の働きやすさや生産性の向上、業務効率化などにつながります。
しかし、社内Wi-Fiの導入を検討しているものの「社内Wi-Fiを導入する具体的なメリットや注意点を把握していない」「いざ導入するとなったらどうすれば良いのかわからない」このような不安を抱いている場合もあるでしょう。
そこで本記事では、Wi-Fiの基礎知識や社内Wi-Fiを導入するメリット、注意するポイント、導入手順などを解説します。
自社にWi-Fi環境を構築するべきなのか判断したいとお考えの場合は、ぜひ本記事の内容をご活用ください。
- Wi-Fiとは?
- Wi-Fiはデバイスを無線でネットワークに接続させる技術
- Wi-Fi・無線LAN・有線LANの違い
- 社用Wi-Fiと家庭用Wi-Fiの違い
- 社内Wi-Fiを導入するメリット
- LANケーブルが不要になる
- 電波が届く場所であればどこでもネットワークを利用できる
- スマートフォンやタブレットをネットワークに接続できる
- 社内Wi-Fiを導入する際の注意点
- 不正アクセスのリスクがある
- 有線よりも通信が不安定になる場合がある
- 社内Wi-Fiの導入がおすすめのケース
- 従業員に、より働きやすい環境を提供したい
- コードを減らしてスッキリしたオフィスにしたい
- 社内Wi-Fiの導入手順を3ステップで解説
- 手順1:自社に最適な回線を検討する
- 手順2:アクセスポイントを設置する
- 手順3:セキュリティ対策を実施する
ルータのログインIDやパスワードを設定
できるだけ最新のセキュリティ規格を採用
- まとめ
Wi-Fiとは?
まずは、Wi-Fiとはどのようなものなのかを確認しておきましょう。
Wi-Fiはデバイスを無線でネットワークに接続させる技術
Wi-Fiは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを無線でネットワークに接続させる技術のことです。
Wi-FiならLANケーブルを使用しないため、邪魔なケーブルがなくなりオフィスがスッキリとした印象になったり、電波が届く範囲であれば場所を問わずにパソコンを使用できるようになったりします。
Wi-Fi・無線LAN・有線LANの違い
Wi-Fiと関連してよく使われる言葉には無線LANや有線LANもあります。3つを比較してどのような違いがあるのかを確認してみましょう。
Wi-Fi | 無線LANの規格の1つ |
---|---|
無線LAN | LANケーブルを利用せず無線通信でネットワークに接続する方法 |
有線LAN | LANケーブルを利用してネットワークに接続する方法 |
とくに、Wi-Fiと無線LANの違いがわかりにくいですが、Wi-Fiは無線LANの中にいくつもある無線通信規格の1つです。※
厳密に定義するとWi-Fiと無線LANは異なる意味ですが、一般的には「無線LAN=Wi-Fi」と表現されることも多く、言葉の厳密な使い分けがされていない場合もあります。
用語集
社用Wi-Fiと家庭用Wi-Fiの違い
実際には、Wi-Fi自体に社用(法人用)と一般家庭用という種類があるわけではありません。しかし、社用と一般家庭用では、利用環境や必要となる機能が違うため、機器の使い分けによって適したWi-Fi環境を作ることができます。それぞれ、主に次のような特徴があります。
社用Wi-Fi | ・同時接続台数が多いアクセスポイントを設置する場合が多い ・家庭用Wi-Fiよりもセキュリティが強固 ・アクセスポイントのみ設置するケースが多い |
---|---|
家庭用Wi-Fi | ・同時接続台数が少ないWi-Fiルータでも問題ない場合が多い ・簡易的なセキュリティのものが多い ・アクセスポイントとルータ機能が一体になったWi-Fiルータを設置する |
社用Wi-Fiと家庭用Wi-Fiにおける利用環境の最大の違いは、同時に利用可能なユーザー数です。少人数でしか利用しない家庭用Wi-Fiに対し、社用Wi-Fiは多くの社員が一度に利用できる必要があります。
さらに、社用Wi-Fiは送受信する情報やデータを保護するために、家庭用Wi-Fiよりも強固なセキュリティが求められます。
ネットワーク管理とセキュリティ強化のため、社用Wi-Fiではすでにルータが導入されている場合がほとんどであり、Wi-Fiの電波を飛ばす役割を果たすアクセスポイントのみ設置するケースが多く見受けられます。
用語集
社内Wi-Fiを導入するメリット
社内Wi-Fiを導入するメリットは次のとおりです。
LANケーブルが不要になる
電波が届く場所であればどこでもネットワークを利用できる
スマートフォンやタブレットをネットワークに接続できる
これらの魅力的なメリットについて、1つずつ解説します。
LANケーブルが不要になる
社内Wi-Fiを導入すると、パソコンなどのデバイスが電波を受信することでネットワークに接続できるため、LANケーブルが不要になります。
有線LANを利用してネットワークに接続する場合はLANケーブルをデバイスにつなぐ必要があり、何本ものケーブルが散乱しやすくなりますが、社内Wi-Fiを導入すればLANケーブルが不要なため、スッキリとした見た目になります。また、ケーブルにつまずいて転倒したり、機材が倒れたりする心配もありません。
電波が届く場所であればどこでもネットワークを利用できる
社内Wi-Fiを導入すると、電波が届く範囲なら社内のどこにいても、ネットワークを利用可能です。
有線LANでネットワークを利用する場合、LANケーブルをデバイスにつなげられる場所で作業する必要がありました。しかし、社内Wi-Fiを導入することで電波さえ届けば場所を問わずネットワークを利用できるようになり、社員同士のコミュニケーションの増加や、迅速な情報共有による業務効率化につながります。
また、コスト面のメリットもあります。
有線接続でネットワークを利用する場合、利用する場所ごとに配線工事を行う必要があるため、場所を増やすほど工事費がかさみますが、社内Wi-Fiは利用場所が増えても、電波が届けば利用できます。
社員同士のコミュニケーションの活性化や、配線工事のコストを削減したい場合は、社内Wi-Fiもひとつの解決策になります。
スマートフォンやタブレットをネットワークに接続できる
社内Wi-Fiの導入によって、スマートフォンやタブレットなどのデバイスをネットワークに接続できる点も大きなメリットです。
スマートフォンやタブレットはLANケーブルを差し込むポートがないため、有線LANではネットワークに接続できませんが、Wi-Fiであれば手軽に接続して業務に利用できます。
手元にパソコンがない場合でも、スマホなどを利用して、社内ネットワークで共有したデータにアクセスし、内容を確認することが可能です。
社内Wi-Fiを導入する際の注意点
社内Wi-Fiを導入する際は、次のポイントに注意しましょう。
不正アクセスのリスクがある
有線よりも通信が不安定になる場合がある
この2つの注意点について、順番に解説します
不正アクセスのリスクがある
社内Wi-Fiを導入すると、LANケーブルが不要になる、場所を問わずにネットワークを利用できるなどのメリットがある反面、不正アクセスのリスクがある点に注意が必要です。
社内Wi-Fiを導入する場合、電波にデータを乗せて送信・受信することになるため、第三者に不正にアクセスされて情報漏洩の被害にあう危険性があります。
不正アクセスによって機密情報が外部に流通すると、企業の信頼低下を招き、また場合によっては損害賠償につながるケースもあるため、セキュリティ対策を実施しましょう。
有線よりも通信が不安定になる場合がある
Wi-Fiの電波は障害物の影響を受けるため、LANケーブルをつないでネットワークに接続する有線LANよりも通信が不安定になる可能性があります。
例えば、Wi-Fiの電波はコンクリートや金属、断熱材などに遮られるため、ルータの近くに電波を遮る障害物を置かないようにするなどの対策が必要です。
ルータの電波が360度に飛ばされることを考慮して、電波が隅々まで行き届くように高い位置への設置もおすすめです。
社内Wi-Fiの導入がおすすめのケース
ここでは、社内Wi-Fiの導入がおすすめのケースについて解説します。自社の状況に合わせて参考にしてみてください。
従業員に、より働きやすい環境を提供したい
社内Wi-Fiの導入は、従業員の働きやすい環境づくりにおすすめです。
社内Wi-Fiを導入すると、Wi-Fiの電波が届く範囲内であればどの場所でもネットワークを利用できるため、固定の席ではなくさまざまな場所で仕事をこなせるようになります。
例えば、これまで自身の席でしかパソコンが利用できなかった環境に社内Wi-Fiを導入することで、オフィス内のフリースペースに移動して作業できるようになり、従業員の気持ちのリフレッシュや、働きやすさの向上につながったという事例があります。
なお、社外の方も社内Wi-Fiを利用することは可能ですが、その場合はセキュリティ対策を考慮して「ゲスト用Wi-Fi」を設定することをおすすめします。
コードを減らしてスッキリしたオフィスにしたい
Wi-Fiが利用できれば有線接続に利用していたLANケーブルが不要になるため、コードをできるだけ減らしてオフィスをスッキリさせたい場合にも社内Wi-Fiの導入がおすすめです。
コードを減らすことは、従業員のオフィスに対する印象の変化だけでなく、社外の方から整理整頓されている印象を持ってもらえるというメリットもあります。
また、LANケーブルに足を引っ掛けてケーブルが抜けたり、転倒して怪我をしたりするリスクも抑えられるでしょう。
社内Wi-Fiの導入手順を3ステップで解説
新たに社内Wi-Fiを導入する場合、どのような対応が必要となるのでしょうか。以下の3ステップに分けて、導入手順を解説します。
手順1:自社に最適な回線を検討する
手順2:アクセスポイントを設置する
手順3:セキュリティ対策を実施する
手順1:自社に最適な回線を検討する
回線は、回線事業者ごとにプランやオプションの内容が大きく異なるため、まずは自社に最適な回線を選ぶ必要があります。
すでに回線を契約している場合も、契約当初には提供されていなかったサービスやプランがリリースされている可能性もあることから、この機会にあらためて見直してみてください。
回線を選ぶ際は、必要なプランに加え、最大通信速度やセキュリティ対策の内容などの項目を比較すると、自社に最適な回線を効率的に見つけられます。
手順2:アクセスポイントを設置する
回線を契約したら、ルータとアクセスポイントの機能が搭載されている「無線ルータ」を設置します。
アクセスポイントとは、Wi-Fiの電波を飛ばして、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを無線でルータに接続する機器です。
無線ルータを設置する際は、安定した電波で通信するためにも、設置場所の周辺に電波を遮る障害物がないか、電波干渉の原因になりうる電化製品がないかなどを確認しましょう。
なお、無線ルータだけでは電波が十分に届かない場合「メッシュWi-Fi」の活用もおすすめです。メッシュWi-Fiとは、複数のルータが連携し、広範囲で安定した無線ネットワークを提供する仕組みです。
オフィスeo光の「Wi-Fiルータレンタルサービス」では、無線ルータにAIメッシュが搭載されており、ネットワーク環境やユーザーの行動を学習する機能が備わっています。部署内や共有部など、社内のどこにいても、安定した電波での通信が可能です。
手順3:セキュリティ対策を実施する
社内Wi-Fiの環境が整ったら終わりではありません。
Wi-Fiを利用する場合、有線LANよりも不正アクセスのリスクが高いため、必要なセキュリティ対策を紹介します。
ルータのログインIDやパスワードを設定
最低限のセキュリティ対策として、ルータのログインIDやパスワードはデフォルトから変更しておきましょう。デフォルトのまま使用していると、第三者に設定を変更され、不正アクセスの被害に遭うリスクがあります。
ログインIDやパスワードの変更方法はルータによって異なるため、使用しているルータの商品説明書や公式サイトで確認してみてください。
できるだけ最新のセキュリティ規格を採用
できるだけ最新のセキュリティ規格を採用することも重要です。
主要なセキュリティ規格には、WEP・WPA・WPA2・WPA3の4つがあり、最新のWPA3が最もセキュリティ性能が高いとされています。
しかし、パソコンやスマートフォンなどの種類によっては、対応していないセキュリティ規格がある場合もあります。不正アクセスのリスクを最小限に抑えたい場合は、まず、保有しているデバイスが最新のセキュリティ規格に対応しているかどうかを確認しましょう。もし、デバイスが最新のセキュリティ規格に対応しておらず、セキュリティを最重要視する場合は、デバイスの変更も視野に入れてみてください。
セキュリティが強固な回線をお探しの場合には、オフィスeo光がおすすめです。オフィスeo光は「SDネットワークサービス」というセキュリティオプションを提供しています。
SDネットワークサービスは、専用BOX(Cisco Meraki)を社内に設置することで、サイバー攻撃や不正アクセスなどを防ぐことができる強固なセキュリティサービスです。
SDネットワークサービスの詳しい内容については、オフィスeo光の公式サイトをご覧ください。
まとめ
社内Wi-Fiには、LANケーブルが不要になる、電波が届く範囲であればどこでもネットワークに接続できるなどのメリットがあります。
コードを減らしてスッキリしたオフィスにしたい、従業員に働きやすい環境を提供したいなどと感じている場合は、社内Wi-Fiの導入を検討してみてください。
社内Wi-Fiの環境を構築する際のインターネット回線には、関西の法人さま向け光回線「オフィスeo光」がおすすめです。
オフィスeo光は、快適なオフィス通信をサポートする「Wi-Fiルータレンタルサービス」を提供しています。
レンタルできるWi-FiルータにはAIメッシュが搭載されており、ネットワーク環境やユーザーの行動を学習してそれぞれのオフィスにあわせたメッシュWi-Fiを提供可能です。その結果、デスクや共有部などオフィス内のどこにいても、安定した電波での通信が可能となります。また、最新のWi-Fi規格であるWi-Fi 7に対応したモデルのWi-Fiルータもレンタルできます。
Wi-Fi 7は従来のWi-Fi規格であるWi-Fi 6よりも最大4.2倍の速度で通信でき、レンタルできるWi-Fiルータであれば最大200台以上の同時接続にも対応しているため、安定した通信の社内Wi-Fiを実現できます。
Wi-Fiルータレンタルサービスが利用できるオフィスeo光の詳細は公式サイトをご覧ください。
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