社内ネットワークが不安定とお悩みの方必見!原因と対処法を解説
- 公開日:2024年12月4日
IT領域でいうネットワークとは、ケーブルや通信経路を通して、コンピューターなどの複数のデバイスを接続する技術や状態のことです。
スムーズな業務の進行を行うには、社内の相互通信の基盤となる「社内ネットワーク」が安定している必要があります。特に近年、業務のIT化の促進やリモートワークの普及により、安定したネットワーク環境の重要性は増加する一方です。
そこで本記事では、社内ネットワークが不安定になる原因や対処法を解説します。ぜひ、社内ネットワークの安定的な運用にお役立てください。
- そもそもネットワークとは?
- ネットワークの種類は2つ
- 社内ネットワークが不安定になる原因は?
- 機器に原因がある場合
利用中の機器が古い、もしくは故障している
アクセスポイントの数が多い・位置が悪い
ほかの無線電波が干渉している
セキュリティソフトの影響を受けている - ネットワーク回線に原因がある場合
契約中のインターネット回線の速度が遅い
アクセスが集中している
事業者側の通信障害やメンテナンス
- 機器に原因がある場合
- 【今できる】機器に原因がある場合の対処法
- 機器のアップデート・再起動を試してみる
- Wi-Fiの周波数を変えてみる
- アクセスポイントの台数・設置位置を見直す
- セキュリティソフトの設定を一時的に変更してみる
- LANケーブルの状態をチェックする
- 無線LANから有線LANに切り替えてみる
- 【今できる】ネットワーク回線に原因がある場合の対処法
- 回線事業者やプロバイダーの公式発表を確認する
- サポートセンターに相談する
- 今後社内ネットワークを安定的に使うためにできること
- 機器の管理体制を強化する
- ネットワークを冗長化する
- 機器の買い替えや回線事業者・プロバイダーの乗り換えも検討してみる
- まとめ
そもそもネットワークとは?
IT領域におけるネットワークとは「コンピューターネットワーク」のことで、ケーブルや通信経路を通して複数のコンピューターを接続する技術、もしくは状態を指す用語です。そして、社内のパソコンやサーバといったコンピューターが相互に接続するための基盤となるネットワークは、社内ネットワークと呼ばれます。
ネットワークの種類は2つ
ネットワークは、その構築範囲の違いから「LAN」と「WAN」の2種類に分けられます。
LANとは、社内や家庭といった比較的限定された範囲内にあるコンピューターをつなぎ合わせるネットワークで、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)の略です。さらにLANは、ケーブル接続の有無によって「有線LAN」と「無線LAN」に分けられます。
一方のWANはワイドエリアネットワーク(Wide Area Network)の略で、地理的に距離のある地点間を結ぶネットワークです。
複数拠点を持つ企業の社内ネットワークは、拠点内を結ぶLANと、拠点間を結ぶWANとで構築されているのが一般的です。
◎「ネットワーク構築」の詳しい解説はこちら
社内ネットワークが不安定になる原因は?
社内ネットワークが不安定な場合、その原因は「機器にある場合」と「ネットワーク回線にある場合」の2パターンが疑われます。この章では、パターンごとに想定される原因を紹介します。
機器に原因がある場合
社内ネットワークが不安定になる原因が機器にある場合には、以下のような問題を抱えているかもしれません。
利用中の機器が古い、もしくは故障している
アクセスポイントの数が多い・位置が悪い
ほかの無線電波が干渉している
セキュリティソフトの影響を受けている
それぞれ具体的に解説します。
利用中の機器が古い、もしくは故障している
たとえ通信速度の早いインターネット回線を契約していても、利用している機種が古い場合は現行の回線速度に対応できていない可能性があります。購入して数年が経過した機器は、最新のものと比べると性能が低いことが多いため、処理が追いつかずにネットワークの接続が不安定になってしまうのです。
また、機器に故障が見られない場合でも、熱暴走などの一時的な不具合が生じている可能性も考えられます。
アクセスポイントの数が多い・位置が悪い
アクセスポイントとは、端末とルータ間を無線で接続する役割を持つ機器のことです。
大規模なネットワークを構築する場合、接続を安定させるためにアクセスポイントを複数台設置することもあるでしょう。しかし、アクセスポイントが多すぎると混線や電波干渉も発生しやすくなることから、かえって通信が不安定になってしまうケースもあります。
また、Wi-Fiの電波には「反射する」「水を透過しない」「金属に遮断されてしまう」といった性質のほか、アクセスポイントが端末から遠い場合や、間に障害物や水場がある場合には通信が不安定になりやすい傾向にあります。
アクセスポイントを設置する際には、位置関係や同時接続数などを考慮しながら、適切な場所・数を維持することが大切です。
用語集
ほかの無線電波が干渉している
対象の機器に不具合がない場合は、近くにあるほかの機器の無線電波の干渉によってネットワークが不安定になっているケースも考えられます。無線LANで広く使われている周波数「2.4GHz帯」が使われている家電やBluetooth機器、医療機器などが近くにある場合には、電波干渉が発生しやすいでしょう。
現在無線LANで使用されている周波数は「2.4GHz帯」「5GHz帯」「6GHz帯」の3つです。それぞれの特徴を下表にまとめましたので、参考にしながら今一度自社の使用状況を確認してみてください。
周波数 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
2.4GHz帯 | Wi-Fi以外にも、家電や医療機器などでも広く使われる |
|
|
5GHz帯 | 基本的にはWi-Fi専用 |
|
|
6GHz帯 | 2022年9月より新たにWi-Fi向けにも開放された |
|
|
セキュリティソフトの影響を受けている
ここまで紹介した問題が見当たらない場合は、セキュリティソフトの影響を受けているかもしれません。セキュリティソフトのなかには不正アクセスを防止する機能(ファイアウォール)が備わっているものがありますが、この機能がネットワークの通信を遮断してしまうことがあるのです。
特にセキュリティソフトの導入、または更新後にインターネット接続ができなくなったときには、ファイアウォールの過剰反応を疑ってみるとよいでしょう。
ネットワーク回線に原因がある場合
社内ネットワークが不安定になる原因がネットワーク回線にある場合、考えられる主な問題は以下の3つです。
契約中のインターネット回線の速度が遅い
アクセスが集中している
事業者側の通信障害やメンテナンス
それぞれ詳しく見ていきましょう。
契約中のインターネット回線の速度が遅い
現在契約しているインターネット回線の速度が遅いために、ネットワークが不安定になっている場合があります。回線の契約から年数が経過している場合、適用されているプランの速度が業務に必要な速度に対して、十分ではない恐れがあります。
現在の主流は最大10Gbpsのプランです。契約しているプラン内容が不明な場合には、一度回線事業者に確認してみるとよいでしょう。
アクセスが集中している
ルータには、同時に接続できる最大台数が設定されています。そのため、ルータの最大同時接続台数より多くのデバイスが同時に社内ネットワークを使用すると、遅延の原因になります。
また、ルータの最大同時接続台数に達していない場合でも、社内で同時に複数のWeb会議が開催されていたり、一斉に大容量のデータがダウンロードされたりすると、帯域が不足して遅延が発生する可能性が高まるため注意が必要です。
事業者側の通信障害やメンテナンス
回線事業者やプロバイダー側の混雑やトラブルにより、通信障害が発生することもあります。この場合、事業者の対応が完了するまでネットワークを安定させるのは難しいでしょう。
また、事業者によるメンテナンス中も通信ができないケースがほとんどです。このため、メンテナンスは一般的に利用者が少ない深夜から早朝にかけて行われます。
用語集
【今できる】機器に原因がある場合の対処法
社内ネットワークが不安定になる原因が、デバイスやネットワーク機器にあると考えられる場合の対処法は以下のとおりです。
機器のアップデート・再起動を試してみる
Wi-Fiの周波数を変えてみる
アクセスポイントの台数・設置位置を見直す
セキュリティソフトの設定を一時的に変更してみる
LANケーブルの状態をチェックする
無線LANから有線LANに切り替えてみる
すぐに試せる順に紹介しますので、社内ネットワークが不安定になった際には順番に試してみてください。
機器のアップデート・再起動を試してみる
現在利用している機器自体が古くても、内蔵されているOSやソフトウェアをアップデートすることで、ネットワークが安定するケースがあります。OSやソフトウェアのバグが、ネットワーク接続を妨げている場合に有効な手段です。
ネットワークが不安定な原因が機器の熱暴走や一時的な不具合にある場合には、再起動することで改善するケースが少なくありません。熱暴走が疑われるときには、電源を切ったあと、冷却のために一定期間置いてから電源を入れるようにしましょう。
アップデートや再起動で解消できない場合には、該当機器を修理に出す、もしくは買い替える必要があります。
Wi-Fiの周波数を変えてみる
先ほど紹介したように、多くの機器が使用している2.4GHz帯では、電波干渉が生じやすいとされています。現在2.4GHz帯を使っている場合には、5GHz帯や6GHz帯へ周波数を変更してみるのも手です。
通常、接続する周波数は機器側で選択されますが、機器の設定画面よりユーザー側で変更することも可能です。自身でどの周波数を優先するか指定できる場合は、あらかじめ5GHz帯や6GHz帯を指定しておくとよいでしょう。
ただし、現時点で6GHz帯に対応している機器はまだ多くありません。機器の仕様も確認した上で接続する周波数を判断するようにしましょう。
アクセスポイントの台数・設置位置を見直す
アクセスポイントが多すぎると、混線や電波干渉が発生しやすくなります。位置関係や同時接続数などを見直し、必要以上の台数があったり、アクセスポイント同士が近すぎたりする場合は、適切な環境へ変更しましょう。
また、Wi-Fiの電波の「反射する」「水を透過しない」「金属に遮断される」といった特徴を考えると、キャビネットの中や水回り、ほかの電波を発する機器から近いところは避けるのがベターです。アクセスポイントは金属類などの電波を遮る物体のないところや、できるだけ高い場所に設置するようにしましょう。
セキュリティソフトの設定を一時的に変更してみる
セキュリティソフトがネットワークの通信を遮断している恐れがある場合には、セキュリティソフトの設定を変更してみて、ネットワークに影響を与えている機能を洗い出してみましょう。
ただし、この方法にはセキュリティが一時的に弱まってしまうリスクがあるため、変更を行う前に必ず設定内容を確認し、バックアップを取ることをおすすめします。また、インターネットの接続テストを行う際は、信頼できる提供元によるWebサイトやアプリを利用するようにしてください。
上記で問題が解決できれば、接続の妨げになっていそうな機能は無効化した上でセキュリティソフトを有効化できる可能性があります。該当の機能を常時無効化しておくことができない場合は、セキュリティソフト自体の変更も視野に入るでしょう。
用語集
LANケーブルの状態をチェックする
有線LANの場合、LANケーブルもチェックしてみてください。LANケーブルの経年劣化は接続不良を引き起こす一因となり、新しいものに交換することでネットワーク環境が回復することがあります。
LANケーブルを交換する際には、契約している回線の最大通信速度に対応した規格を選ぶことが必須です。回線で実現可能な最速値までカバーしておくことは、安定的なネットワーク環境の整備につながります。
無線LANから有線LANに切り替えてみる
現在無線LANを使用しており、機器の再起動や周波数の見直しなどを試してみたもののネットワークが安定しない、といった場合は、有線LANに切り替えてみるのも手です。有線LANには「電波干渉を受けにくい」「高速通信が可能」などのメリットがあるため、無線LANより通信が安定しやすくなります。
【今できる】ネットワーク回線に原因がある場合の対処法
続いて、社内ネットワークが不安定になる原因がネットワーク回線にあると考えられる場合の、主な対処法を紹介します。
回線事業者やプロバイダーの公式発表を確認する
サポートセンターに相談する
詳細については、以下を参考にしてみてください。
回線事業者やプロバイダーの公式発表を確認する
回線事業者やプロバイダー側のトラブルが由来の通信障害やメンテナンスの実施は、多くの場合、各事業者のホームページなどで公式情報として発表されます。SNSなどの情報はあくまでも二次情報であるため、まずは一次情報である事業者からの公式発表を確認することが重要です。
サポートセンターに相談する
多くの回線事業者やプロバイダーはサポートセンターを設置し、さまざまな問い合わせに対応しています。ネットワーク関連の問題についても、サポートセンターから適切な対処法を仰ぐことで解決するケースも少なくありません。
スムーズな問題解決のためには、サポートセンターへの問い合わせ時に状況を明確に伝えることが重要です。
まずは回線事業者やプロバイダーの公式発表を確認し、それでも解決できない場合はサポートセンターに相談する、という流れがおすすめです。
今後社内ネットワークを安定的に使うためにできること
ここまでは社内ネットワークが不安定になってしまってからの対処法を紹介していましたが、スムーズに業務を遂行するためには、「社内ネットワークが不安定にならない」ことが理想でしょう。そこでここからは、今後社内ネットワークを安定的に利用していくためにできることを紹介します。
機器の管理体制を強化する
ネットワークが不安定になる原因として、デバイスやネットワーク機器のエラーや故障が占める割合は小さくありません。裏を返せば、機器を適切に管理できていれば、ネットワークの安定的な運用につながる可能性が高いということです。
日ごろから各機器の動作環境や設置場所、購入年月日や仕様を把握し、ソフト面の定期的なアップデートやメンテナンスも実施しておくよう心がけましょう。
ネットワークを冗長化する
冗長化とは、システムや設備などの障害に備えて全く同じ機能や役割を持つバックアップを準備しておくことです。ネットワークの冗長化の例としては、モバイルルータや別回線といった代替手段を予備として用意しておくことなどが挙げられます。
ネットワークを冗長化しておけば、通信障害など万が一の際にもネットワークを運用でき、業務やサービスの提供を継続できる可能性が高まります。
◎「冗長化」の詳しい解説はこちら
機器の買い替えや回線事業者・プロバイダーの乗り換えも検討してみる
機器のスペックが足りていない、インターネット回線の契約プランが自社に合っていない、回線事業者・プロバイダーのサポート対応に不安があるといった場合には、製品の買い替えやサービスの乗り換えを検討してみるのも手です。
特に以下に該当するようなら、早めにインターネット回線の契約プランを変更したり、事業者を乗り換えたりといった対応が必要になってくるでしょう。
アクセスが集中してつながりにくいことが多い
たびたび通信制限が発生する
回線速度が用途に対して十分ではない
ITの世界では製品もサービスも年々進化しています。そのため上記に該当していない場合でも、数年おきに製品やサービスの見直しを行うのがおすすめです。
まとめ
社内ネットワークが不安定な場合、原因がわかれば容易に対処できるケースもあります。しかし、機器の故障や回線側のトラブルなど、ユーザーでは対処できないことが原因の場合には、製品の買い替えやサービスの乗り換えも視野に入るでしょう。
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